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2009-09-13

NHKスペシャル「金融危機1年 世界はどう変わったか」~「ハゲタカ」寄りな雑感

番組は大きく分けて3つのパートで構成されていました。


 1. NYマネー市場の現況
 2.実体経済(とくにアメリカの消費動向と新興国の消費動向)
 3.日本の製造業が直面する問題


この3つのテーマは、別個でなく、リンクしていました。

録画し忘れてリアルタイムで観たので、細かいところを確認できない。
かろうじて、固有名詞だけ走り書きしたメモを頼りに思い出しながら、
例によって、ハゲタカ変換モードになっている脳とフィルターがかかった目で観ました。
1.を中心に、ゆる~い感想風なものを書いてみました。
文末には、ドラマ「ハゲタカ」について、感じていることの一端も絡めて、ちょこっと書きました。

【NHKスペシャルのHPはこちら】

リーマン・ショックから間もなく1年。


マネー資本主義の焦土と化したはずのNYウォール街は、活況を取り戻している。
カネの、儲けの匂いを過ぎつけた人々が市場に戻って来たのだ。
生命保険の死亡時補償金を基にした証券、『死亡債』なんて新金融商品まで開発されているとか。

ヒトの欲には限りが無い。(もちろん、自分も含めてだ。)

リーマンはじめ、破綻した金融機関やファンドは数多いが、この1年を乗り切って淘汰された生き残り組が富と力を握っているのだという。
6千億円の資産を運用するヘッジファンド「ラミアス」代表のピーター・コーエン氏もその一人。
リーマンの会長を務めたこともあるウォール街の大物。
リーマンショック直後は、大きくファンドの資産が減じ、従業員の2割を解雇するという痛手を負った。
投資家がカネを取り戻しに殺到したという。
その「ラミアス」が再び力を伸ばしているという。
彼が現在、目をつけているのは、不況で投売り状態のマンハッタンの不動産。
値崩れした高層ビルを買い漁り、価格が反転したところで売却して利益を得ようということだ。

“目標はただひとつ。安く買って高く売ること。”( by 鷲津政彦)
なのである。
もちろん、コーエン氏は
“腐ったアメリカを買い叩く!” ( by 鷲津政彦)
わけじゃないけれどね。

NYの不動産王とスシバーでランチミーティングしていたが、超高級店ぽくなく、そこそこの店っぽくて、しかも個室でないところが、堅実な感じ。(笑)

マンハッタンの街並みを見下ろすガラス張りのオフィスで、部下から大口投資家からの好感触の報告を受け、
「すぐに勝負に出るぞ!dollar
と言い放つコーエン氏。
部下や投資家からは、頼もしく見えるだろうなぁ。
これが鷲津だったら100倍カッコイイぞ…と妄想が膨らみ、メタボ街道まっしぐらな体型で、しかも葉巻くわえちやって不摂生なコーエン氏を自分の眼中から追い出して脳内スクリーンで鷲津を画面上に貼り付けたりして、ヒドイ視聴者な私。coldsweats01

コーエン氏は言う。
「1年前に未曾有の金融危機があったのに、今では何事もなかったかのようだ。9.11のことすら人々の記憶から薄れているのだ。リーマンショックのことなど、忘れ去られてしまうだろう。」

はっきり言うなぁ。
ウォール街の金融マンの大半の本音はそうだろう。
そして、人々の暮らしに大きな打撃を与えた金融市場に厳しい規制を求める声が高まったが、業界のロビー活動で、これもトーンダウンしているそうだ。
規制を強めると、金融立国アメリカの金融業界が空洞化してカネもヒトも海外流出しちゃうぞ!
と主張しているのだ。
大型の財政出動のおかけで、せっかく株価が好転し、金融マーケットも活況を呈してるのに、水差すな、ということですね。

財務長官が議員から、「ドバイや香港に金融センターのトップの座を渡していいのか」と責められて、いかにもシュンとなっている表情が全てをも物語っていた。
こうして、反省は薄れていくのか。

実際、好調な中国への投資拠点として、マーケットの自由度の高さが魅力の香港が、金融センターとしての地位を上げているとか。
香港に拠点を移したヘッジファンドマネージャーのもとを、イタリアの資産家が資産運用の相談に訪れる…というシーンがあった。
ここで、私の邪なアンテナのせいで、番組と無関係にな方向に心が飛んでしまったのである。
イタリアの資産家…いかにもオイシイ匂いの組合せ。lovely
チョイ悪でフェロモン垂れ流しな伊達男が、アルマーニかグッチのスーツを着てたりして…。
私の好みではヴェルサーチは勘弁ですけど…。
とか、阿呆丸出しで妄想した後、画面をチラと見ると…イタリアの資産家はそういうヒトじゃなかったです。sweat02


香港市場の活況や、中国の好調な経済、海外からの投資の好況で、「金融市場のアメリカ一極支配の時代は終わった。」と、中国の鼻息はますます荒い。
CLICが大打撃を被っても、他の金融機関は大丈夫だろう。(そりゃ当たり前)

好調なマネー市場に対して、実体経済は底這いのままだ。
湯水のように借金して欲しいものをバンバン買っていたアメリカ国民が、財布のヒモを固く締めている。
だいたい、雇用がもとらないのだから、買えったって買えない。
景気が悪ければ、中小の商業銀行が抱える不良債権は膨らみ、貸し倒れにならないよう自己資金の確保に走り、貸し渋りが始まる。
サンディエゴの地銀の融資担当者が、業績の振るわない融資先のホテルを訪ねるシーンでは、ちょっと「ハゲタカ」のドラマ第1話を思い出してしまった。
カリフォルニアの眩しい陽光が、かえって切ない。
「50年間、銀行で働いてきたが、こんなひどい状況は初めてた。」
この地銀のCEOの苦渋に満ちた表情が印象的だった。

番組のラストで、ピーター・コーエン氏が語った言葉は実に冷静なものだった。
「今は混乱の後の好調だが、長く続かない。この先は不透明だ。」
そういえば、番組中に、彼の笑顔はほとんどなかったような気がする。

マネー資本主義という絶対神の信徒たちは、転んでもただでは起きない。
大きな危機をチャンスに変えようと、したたかに資本主義の焼け野原で生き抜いている。
彼らの価値観は唯一無二。
利益の追求。
情<理<利 なのだ。

鷲津は、その絶対神の聖地=ウォール街で、その教えを徹底的に学んだ。
しかし、彼はマネー資本主義の神にひれ伏し帰依したわけではなかった。
彼の中には、マネー資本主義の理と利を重んじる面と、彼個人の精神的な芯としての情に篤い面があって、これがせめぎ合っている。

自らと取引先の双方を甘やかして、負の部分を見ないふりをして、見殺しにする。
そんな日本の銀行や、それを放置してきた日本に対する苛立ち。
でも、まだ立ち直れる可能性がある…と厳しく叩き直そうとする。
情緒的な表現をすれば、愛憎なかば、という感じだろうか。

だから、いつも苦悩に満ちた表情をしているのだ。
唯一無二のマネーの神を信じ、その価値観だけしか見えないアランが常に彼の隣に配されていたのは、その対比を見せるためかもしれない。
(生き馬の目を抜くウォール街のエリートなはずのアランの能天気な感じが、私はけっこう好きなのだが。)

二つの価値観、個人と組織…それらの間で揺れ動く複雑に多面的で多層な登場人物が多く登場するから、私は人間ドラマとしての「ハゲタカ」に魅せられたのだ。

そして、その中心にいて、最も複雑で最も眩しく、最も深い闇を内包する男、鷲津政彦に心を奪われたのかもしれない。

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