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2009-09-28

映画「ハゲタカ」感想(願望含有率高し)① 誘惑者の背中

初めて映画「ハゲタカ」を観てから3ヶ月あまり。
強く心を動かされたのは確かなのですが、モヤモヤは頭の中に降り積もるのだけれど、うまく整理できず、ひたすら鷲津ラブheart02のみ叫んできました。
正直、論理的に思考したり文章を書くのは苦手だし、観察力も洞察力も足りない。
分析? 考察? とんでもない! 無理無理無理。
でも、ぼんやりした人間なりに、自分がどうしてこんなに夢中になっているのか、私を惹きつけるものの正体を知りたいという想いもあります。
それをしたくてブログを《再生》したわけですから、何がしかの形で表したい。
しかし、最後に観てから2ヶ月近く経ってしまって、自己補完が混じっていたり記憶が飛んでいる箇所も多数。
何より、封切りから、これだけ時間が経過してでは、何も新しいことは書けない…という気持ちもあります。

でも、せっかくまた映画の鷲津に再会できたのですから、私を魅了した誘惑者を正面から捕まえることは無理でも、誘惑者の背中からそっと近づくことはできるかもしれない(弱気だ)…と思い、雑感を寄せ集めてみようと思います。
登場人物の心情についてボンヤリと感じたことを、ブログ再開前に初見時から少しだけ書き残してあったので、それらに今回の深谷で字幕版を鑑賞して新たに気づいたことや考えたことも追加してまとめてみることにしました。

初見時は話についていくのに精一杯、2回目以降は冷静さを欠いて、作品のスピード感と鷲津の誘引力に強く揺さぶられて、酔った様な感覚のまま、気づけばラスト近く。
今回は、少しは冷静に観られると期待していたのに、やはり「鷲津ぅぅぅ…」と邪念が入ってしまいました。
そんな風に、鷲津に偏重して観てしまうので、彼を軸にして、他の登場人物について思ったことも書いてみます。
何も目新しい事は書けないだろうし、願望が多く混じっていて、情緒的なので、感想といより妄想かもしれません。

自分の中にたまったものを一旦、吐き出す作業だし、自己満足ということで、見逃してやってくださいませ。

ネタバレ全開です。
ネタバレOKで、物好きな方は続きをどうぞ。

私の「ハゲタカ」世界を統べる男、鷲津政彦について、初見時に受けた衝撃(笑)を振り返りながら、私の思う(多分に妄想・願望を含有する)鷲津像について、改めて書いてみます。

“じゃ、行きましょうか。”

「ハゲタカ」のラストシーン。
広大な平野に伸びる一本道。
顔を上げ背筋を伸ばして歩み出す男。

ドラマ未見、予備知識ゼロ状態で、初めてこの映画を観た時、最も強く印象に残ったのがラストシーンでした。
終盤からラストシーンまでで、私は鷲津政彦という人がどういう人物なのか、自分なりに腑に落ちたように思えてしまったのです。
そして、そこで決定的に惚れてしまいました。lovely
(観るたびに、ここで最後のトドメを刺されるわけです。)

ドラマも見ないで何が分かったんだ!と自分でもあきれますが、この"最初の印象" が、今に至るまで、私の思う鷲津像の根幹を成しています。
もちろん、分かった気になっただけであり、相当の思い込みが入っているのですけれど。

初見時、南の島でやさぐれている鷲津が登場したときには、
「えっ!大森南朋って、こんなモッサリしたオッサンだったかな?」(南朋さんファンの方々すみませんcoldsweats01)
などと寝惚けたことを思い、同時に
「柴田恭兵は何故、この場所でこの服装?」という疑問のほうが鷲津なる人物への興味を上回ってしまいました。

しかし、すぐ後のグラスを叩き割るシーンの鷲津に、怖くて息苦しくなったのです。
そして、その怖さの正体を知りたい、と思い、「この人に何があったんだろう、この人はどういう人なんだう?」と強く興味が湧いたのです。
その一方で、「割れ物を投げちゃイカンよ…」と、ムッとしたんですけれどね。

鷲津が帰国して、空港の待合ロビーのテレビを見るシーンも印象深かった。
ボサボサ髪でどんよりして相変わらず「モッサリしたオッサン」風な鷲津(でも、この時のラフなスタイル、結構イイと私は思いますsign04)が、劉一華のTOB記者発表を見ると、明らかに顔つきや背中から発する「気」が変わる。
「あ、点火しちゃったのかな?」と思い、ドキッとしました。
でも、この後に本格的点火が待っていたのよね~~。
その後、私が勝手に「出陣前の御支度」と呼んでいる、私の特異なツボを押しまくるシーンで、「きゃっ」となりましたが、そういう邪念(?)は一瞬のことで、展開についていくので精一杯ながら、南朋さんの微妙な表情の上手さと、身体表現のキレのある美しさもあって、更に鷲津にひきつけられっぱなし。
鷲津の顔つき、全身から発する「気」は、どんどん精悍に、そして冷厳になっていく。
鷲津の行動・言動や他の登場人物とのやりとりを観ていくうちに、少しずつ彼に感じる怖さの輪郭が自分なりに見えてきたように感じました。
研ぎ澄まされた抜き身の刀のように鋭くて、気を散じれば他者も自分も傷つけてしまうことを自分で知っている人の怖さ、を感じたのです。
たぶん、この感じが、ラストで私が思ったことに結びついたのだと思います。
彼の放つ鋭い輝きには底知れない危険な魅力があって、気づけば、鷲津に相当のウェイトを置いて観ている自分がいました。(主人公なのだから当然ですね)
鷲津を魅力的に見せることにかけては宇宙一shineの大友さんの思うツボにすっかりハマっていく私。

由香や治との関係の詳細は、もちろん初見時には分からなかったけれど、どうやら彼は他者に深手を負わせて、その重い過去を負っているらしい…ということも話が進むにつれ分かって来たし、戦略家としての非凡な才能も見せつれられました。
だからこそ、暗いオフィスで一人、幼い劉が描いた赤い自動車の絵の写真を見つめる鷲津から滲み出る微かな葛藤の気配を、私のような鈍感な初見者でも感じ取ることができたと思います。

劉からの留守電を聞くシーンでは息をするのも忘れた(事実です)ほどでした。
そして、劉の生家と思しき廃屋で壁に描かれた赤い車の絵を見つめるシーンからラストまでで、完全に陥落。

ラストシーンで、ファンド・ビジネスの険しい一本道(と私は解釈してしまった)を決然と歩む鷲津を包むように、そして押し上げるように流れるBGMに陶然としながら、
「この人は、自分が真剣に刀を合わせて戦った相手の骨を拾って背負いながら歩いていく覚悟のある人なんだ!」
と思ったのでした。
(剣客小説の影響を受け過ぎかも?ちなみに私は時代小説好きではありますが歴女とやらではありません。)

最初に抱いた「この人はどういう人なんだろう?」という問いに、こうやって若干の妄想が混じった、自分の答えが出たわけです。
そして、この答えがハマった原因のひとつ。
ふつうなら、それでスッキリして終わりそうなものですが、このとき、恐ろしい鷲津マジックにかかったことに、私は気づいていなかったのです。

そう、これが私が鷲津中毒の「けものみち」に分け入るきっかけだったのです。

と、初見時は鷲津に対して思い入れも無く観たので、直感的にではあれど、かえってストレートに感想めいたことが頭に強烈に残ったわけですが…。
その後、遅れ馳せながらドラマを観て、更に鷲津熱が高まってしまったので、2回以降は、鷲津の言葉や表情や動きはもちろんファッションに目が行ったり雑念邪心で目が曇ったり視野が狭まったりて冷静に鑑賞できない。
小道具なんか私の目にはボケボケにしか映らないフィルターのかかりっぷりでした。

もちろん、ドラマを観てからは、深読みしたくなる台詞、モチーフのリフレインについてとか、小道具や衣裳にまで意味があるハゲタカワールドのルールというようなものが少し分かったので、ドラマと映画を交互に見ることで理解も深まったとは思います。
ただ、何しろ短期間でワーっと沸騰してしまったので、自分の思いとか解釈が散らかっているままです。
そろそろ冷静さが戻ったかな~と思っていたのですが…やはり、まだまだ修行がたりん。
今回もまた、事前にあれもこれもチェックしたい…と思っていたことが、鷲津を注視するあまり、ほとんど眼中に入らず。
うーん。

“おまえには何も見えていない。”
と、自分を叱責するのでした。
そして、やはり今回も、私の想う鷲津像は「初対面」の時と全く変わらず、心の中でまた
「鷲津、やっぱりアンタは武士の魂を持つファンドマネージャーだよ!」と叫んでいたのでした。
…こう思っちゃうということは、相当に妄想・願望が入っているのですよ。sweat02

ウーン、結局、鷲津ラヴを語っただけで感想になっていない。
続きは次回。
鷲津を単体で語ると妄想爆裂でエライことになるので、劉とセットで振り返ってみるの巻、ということにします。

しかし、これまた難題。
まとめられるのか?

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