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2009-09-21

「官僚たちの夏」最終回~ほんのり辛めにざっくり感想

と、いうことで、堺さんめあてで、結局は全回を視聴したドラマ「官僚たちの夏」が最終回を迎えました。
期待値が高かっただけに、正直なところ、諸々「惜しい」という想いがあります。
それでも毎回みていると情がうつるもので、ツッコミながらも、熱い男たちを応援しておりました。
今回は、ざっくりと全体の感想を。
いつもお子様向けカレー並みにボンヤリ甘口な私ですが、今回は、ちょっぴり辛めコメントがありますので、大丈夫な方のみ続きをどうぞ。
各俳優さんそれぞれに対する批評ではなく、あくまでもこの作品世界での印象なので、ファンの方には気にしないでいただきますよう、お願いいたします。
(原則、敬称略です。)

骨太な男のドラマ、それもシビアに官庁同士や政官の対立を超えて動いて行く高度成長期の経済産業政策の表裏を描く、ガツンと腹に響くドラマを期待していたのだが、なんとなく「アツイ」「ひたむき」だけが目に付いて終わってしまった。
体育会系とかヤンチャ系高校生の話ならば、それが魅力となる。
でも、これは国を左右する政治家や官僚の表も裏も更にその裏もある、ギリギリのせめぎあいの話。
情熱だけでは、説得力が足りないのだ。
主役の風越と彼に心酔する側近たち国内産業保護派が力を合わせて、対立する省内外の「敵」と戦う!みたいな、ちょっとシンプルなRPGのような図式になっている気がした。
あれだけ豪華なキャスト、それも登場人物多数なので、複雑な人物造形とか心理描写とかをしていると分かりづらい、時間が足りないということになるので、しかたない側面もあるとは思う。
だが、せめて省内での対立はもう少し、「敵」玉木一派にも理がある、というだけではなく、心情的に彼らにも同調できるように描くこともできたのではないか。
彼らにも日本をこうしたい、というビジョンがあるわけで、そこに説得力が足りなければ、ただの権力欲にとりつかれた机上の論理を振りかざす薄っぺらなキャリア官僚にしか見えなくなる。
対立する両者に理があるが、どちらに舵を切るかで日本の針路か大きく変わる、という局面を、情と理の対立だけで片付けているようにも見えてしまった。
国際化推進派の官僚で葛藤しているらしい描写があったのは、玉木だけ。
繊維局長室(うろ覚え)で、グラスを投げて割るというシーンで苦悩を表していたらしいが、私は「あとで秘書がたいへんじゃん」とムカッとしたくらい、冷めて見ていた。(自分が秘書的な業務をしていたことがあるので、ちょっとフィルターがかかっている。)
片山と牧にいたっては、同期の風越派の鮎川や庭野への男の嫉妬ムキ出しの人にしか見えない描き方で、これも残念。
片山は、最終回で少し変化があったけれど、急に「僕の理想を貫く云々」言われても、とってつけたような印象になってしまい、納得感が足りなかった。

政治家たちも、ステレオタイプすぎて、魅力が足りなかった。
佐藤B作が演じた通産大臣のボンクラぶりは、ベタもいいところで、あれじゃ、官僚依存政治になっても当然。時期が時期だけに、それが描きたかったのか?などと、うがった見方までしそうになる。

魅力と説得力ある人物像と対立の構図があってこそ、主役の風越が活きてくると思うので、これは惜しいとしか言いようが無い。
私は腹黒い人物、策士、戦略家に魅力を感じるので(だから鷲津にも興味を持ったのだろう。)、玉木一派には密かに期待していたのだ。
だが、玉木はどうしても腹黒くなれない。だって、善い人の船越が出ちゃうのだ。
私の好みの問題だが、彼の演技スタイルが、この役にはフィットしなかったので、地が透けちゃうのだろうと思った。
同様にクールで嫌味なインテリ・片山は、高橋克典が、只野の影から遠ざかろうとしてか、必要上に作りすぎて、不自然にみえた。以前も書いたが、もう少し自然なほうが、せっかくの高橋さんの魅力が活きて、片山が浮かなかったのではないか。
堺雅人と役が逆でも良かったのでは?
(たぶん、堺氏を贔屓するあまりの妄言、お許し下さい。)


そして、私が最も「惜しい!」と思ったのは、牧のブラック開眼が遅すぎて、しかも中途半端だったこと。(笑)
朴訥そうな中にアブナイ空気を孕んでいた牧が、黒く冷徹に塗り替わり、黒縁メガネの奥から、陰険な感じで視線を送ると、「よし、いいぞ、もっと黒くなれ~」と内心喜んでいたのだが、結局、黒さも冷徹さも何だか中途半端。
国策のためなら、代償があっても仕方が無いと割り切るにしても、その葛藤も描かれていない。
そもそも、彼の変節のきっかが心血を注いだ国内産業保護法案の不成立と、風越が自分より鮎川を次官候補に選ぼうとしている…ということだったらしいが、そんな醜い男のジェラシーが動機って…う~ん…。
せっかく(?)、ここ数年の私の「ベスト・オブ・黒縁メガネ」で不動の1位を続ける「奇談」の阿部寛に迫る勢い…というのは言いすぎだが(分かる人はいないだろう)、「ナイス・腹黒縁メガネ」に輝くのに、もう一歩というところだった。

主人公・風越とその一派も、やはりシンプルに熱い万年青年クループになってしまっていた感じ。風越の絶大なカリスマ性は、佐藤浩市の魅力も相まって、皆が風越ラブheart01となり、一人勝ちのモテモテっぷりで、これは微笑ましくもあったのだが、一方、外庁に出た人がおおっぴらに本省業務に首を突っ込んだりっていうのはどうなんだ?」とか、「せっかく特許庁改革に乗り出したのに、この後どうするのさ?」とか、画面にツッコミをいれることもしばしばであった。coldsweats02
庭野、鮎川についても同様。2人とも、そんなにナイスガイで、風越にマジheart01で、働きすぎで…もっとオトナになれよ…と歯がゆかった。
(完全に応援モード。)
彼らはある意味、官僚の理想像なのだろうけれど、若いときはあれでよいかもしれないが、局長までいって、誠意と熱さだけではなぁ。
幾度も苦い経験をしたなりに、もう少し複雑さを表す場面があれば良かった。
もう一点、惜しかったのは、通産省初の女性キャリア・山本が活躍してくれなかったこと。
むさ苦しい男ばかりじゃなんたから、華を添えましょう…というだけで置かれているみたいになってしまった。今より男女の壁が厚く高かったゆえに、彼女の苦労はたいへなものだったと思うのだが…結局、そこまでは時間が足りなかったのだろうね。

最後に、全体を通して感じたこと。
これは、最終回ラストで感じたことに収斂する。

最終回は、とにかく慌しく展開して、何も腑に落ちないまま終わってしまった。
牧と片山の心境も伝わらなかったし、風越と須藤総理大臣の想いの乖離もアッサリと通り過ぎてしまった。
心に残ったのは、ラストで風越が呟いたセリフ。

「この国はどうなってしまうんだろう。」←記憶が定かでないので違うかも。

戦争で多くのものを失い、誇りも希望も失った日本国民が、必死に努力して、ともに汗と血を流して豊かな国になった。
けれども、経済的に豊かになっても、その代償のように失われていくものたちが多かった。
それに気づかず、或いは気づかないふりをして過ごしてきてしまった時間は取り戻せない。
自分達の判断は正しかったのか、これで良かったのか?
「通産省なんか要らない。」といわれてしまった庭野と2人、心身とも傷ついて役所の前で仰臥する風越。2人が見上げる日本の空は、この先、どう移ろっていくのか。
自問自答する風越と庭野の胸に去来するものは、苦い想いと、もしかして全てが徒労だったのだろうか、という虚無感と日本の将来への不安なのではないだろうか。
そして、それは観ている私の想いにも重なるところがあった。

いろいろと書きましたが、全回みたということは、それだけこのドラマに惹かれるところがあったから。

まあ、堺さんに毎週会えるから、というのが一番の魅力でしたけどね。

長文にお付き合いいただき、ありがとうご゛さいました。happy01

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