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2009-10-04

映画「カムイ外伝」感想(追記あり)

映画「カムイ外伝」を観て来ました。

正直、もともと食指が動いていた映画ではありません。
「ハゲタカ」に心をワシヅかまれっぱなしの私は、特に好きな俳優が出ているとか、作品に興味があるとか、よほどの誘引力がなければ、「劇場に出かけてお金を払って観たい」とは思えないのです。

なので、この週末も、展覧会のハシゴてもしようか…と思っていたのですが、夫が強力に「カムイ外伝を一緒に観に行こう。」と誘ってきたのです。
「あんまり興味がないから、一人で行きなさいよ。」と冷たく答えると、彼は禁じ手を出してきたのですよ。

「僕が君に鷲津を紹介してあげたんだぞ。」

…確かに、アナタがジャンケンに勝ったから、私は鷲津と知り合えたんだけど…夫が妻に愛人をあてがったみたいな言い方は如何なものか…。coldsweats02

「ハゲタカ」の時のように、観るつもりが無かった映画が、ツボにジャストミートするということもあるかもしれないし…という期待も少し出て、結局、展覧会は来週に延期して、渋々、ついていきました。

週末の午後の半端な時間のせいでしょうか、郊外のシネコンの中程度のスクリーンで、観客の入り具合は3割程度。
客層は老若男女満遍なくという感じでした。


以下、簡単な感想です。
ネタバレは少なめです。
映画公式HPに書かれている範囲内でしかストーリーに触れませんが、念のため、折りたたんでおきます。
観にいくまで、何も知りたくない、観る前にツッコミ気味な感想など目にしたくない、という方は、引き返していただくことをお薦めいたします。
ネタバレOK、ツッコミOKな方は、続きをどうぞ。





まず、冒頭からラストまでで一番強く思ったことは、ナレーション(山崎 努の声はさすがに渋い。)だけで、作品世界の根幹を語ってくれちゃっていいのかい? というツッコミ。

私は原作を全部は読んでいないけれど、学生時代に漫画に造詣が深い友人達から「カムイ伝」を勧められた事が何回かあり、その度に、この作品に描かれている暗くて深いテーマを語られたものです。
だから、「カムイ伝」「カムイ外伝」に想いいれがある人には、納得がいかないのではないかと想像します。

カムイが、なぜ強くなることを求めて組織の一部となったのか、そして人間らしく自由に生きたいと願って組織を抜けて命を狙われ、逃亡と闘いを続なければならないのか、というこの作品世界の背骨というべき部分は、全てナレーションの簡単な言葉で説明されて終わってしまっています。
あくまでも、「外伝」の方だし、エンタテイメントだし、2時間ちょっとでは…という考え方なのかもしれません。
だとしても、階級社会、差別、殺戮、裏切りなどなど、重いテーマと、カムイが自由を求め続けるが故に、殺戮が繰り返される…という救いのない物語を、娯楽作品にするには、無理があったのでは…と首を傾げてしまいました。

ただ、俳優陣はさすがに良い仕事をされていたと思います。(なぜか上から目線sweat02

主演の松山ケンイチは、走って走って、の連続。
松ケンが、映像技術で超人的身体能力を持ち様々な忍術を体得した忍者に…という目で見てはなりませぬ。
アクションも頑張っているし、普段は冷静で心情を吐露しないカムイと、感情を爆発させるクライマッマスでのカムイを緩急つけて演じていたし、奮闘していました。
フンドシ姿も披露して、ファンの方には眼福?
私は全然何も感じませんでしたが。

脇役も豪華。
小雪は綺麗で洗練されすぎて、抜け忍で漁師の妻で3児の母には全然見えませんでしたが、これは彼女のせいてはないですね。
哀しい運命を背負った強い女を格好良く表現していたと思います。

漁師・半兵衛(小林薫)、私には、前半はカムイをしのぐ存在感に映りました。
屈託無くて無鉄砲で愛情深く、とても魅力あるキャラクターなのですが、行動の動機は分かったけれど、いくらなんでも、そこまでハイリスクな行動をするか?という疑問は拭えず…でもこれは彼のせいではないですね。

不動(伊藤秀明)は、ワイルドで格好いいんですが、あるシーンの彼の行動と台詞で、その先の悲劇が読めてしまい、う~ん…。
でも、これは伊藤くんのせいじゃない。

完全にイッちゃってる領主夫妻(佐藤浩市、土屋アンナ)は、キャラクターとしては、コワ面白いし、もっと描きこんでも良かったかも。
階級社会の頂点に居る人間の些細な気まぐれや染みついた差別意識のせいで、家臣や領民は悲惨な目に遭うということを表すにしては、ちょっと賑やかし的な存在に見えてしまいました。残念。

冷却期間をおかずに書いたので、ちょっと辛口というか、ツッコミが激しすぎたかな?

でも、せっかく、監督も脚本も人気のお2人だし、出演者も豪華なのだから、いろいろと残念ポイトが目についてしまって…。

深く考えず、アクションと海の美しい映像を楽しむには、悪くないと思いますよ。

それにしても、特に興味が無い作品に渋々と行った観客(=私)をひきつけてリピーターにした「ハゲタカ」の力の凄さに、改めて脱帽しました
結局、最後は「ハゲタカ」の話に戻るわけですよ。



【以下、10月4日 昼に追記】

===========================

別に大したことではありません。
単に、書き忘れをしていただけですが…。

この先には、ラストに関する記述があります。
記事冒頭のネタバレ少なめ…という説明から外れてしまいました。お詫びいたします。
ただし、結末には言及していません。

ラストシーンについて言及していて、更に、ちょっと毒を吐いてますので、多めに改行しておきます。
未見の方は、この先を、お読みにならないでくださいますよう、お願いいたします。

また、悪口っぽいことは読みたくない方も、スクロール厳禁、上に戻ってくださいね。良い子は見ちゃダメですよ~。

























作品の背骨となる、カムイがひたすらに自由を求め続ける思いと哀しみを、これまたラストシーンでナレーションで語ってくれちゃって、「最後の最後に、またやってくれたな!?」という気分になり、本当に残念でした。


ラストシーンで、観客一人一人が、カムイが自分が殺めた命、自分のせいで失われた命の重みを背負い続けて生きることを選ぶ苦しみと哀しみを思いながらスクリーンに集中しているときに、それを説明するって、どういう神経?
もしかして、監督は、観客のリテラシーを低く見すぎているんじゃないの?
劇中のヤバイ殿様みたいに「愚民」と思っているんじゃないの?

と、一瞬、ムカッときましたが、斜め前に座っているバカップルがいちゃいちゃしすぎていて、そちらに怒りの矛先がそれて、少し冷静になれました。

ううん、監督も脚本家も悪くないわ。
親切なだけよ。
……そう思うことにしました。


やっぱり、「ハゲタカ」のラストシーンは、素晴らしかった…。

それに、他のお客さんのことに気が散ったりしないくらい、集中していたしね。

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