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2010-01-13

小龍に会いたい男の前に立ちふさがる悪魔。

池袋の新文芸坐といえば、2009年11月23~24日に『ハゲタカ』を上映してくれた有り難い(笑)名画座である。
その際、新文芸坐のプログラムがなかなか面白いことを知り、時々、HPをチェックしている。
先日、1~2月のスケジュールを観ていたら、 「世界名作ア・ラ・カルト」と題するプログラムで、我が夫が愛して止まない映画が2月3日に上映されることがわかり、早速に彼に教えてあげた。
その映画とは

燃えよドラゴン

である。
(関係ないが、もえよ で変換すると 萌えよ になって自分でも呆れた。)

私の弟もこの映画が好きなので、結婚するまで実家に居た私は、弟につきあってテレビで何回も観て、結婚後は夫に付き合ってDVDで更に何回も観た。
合計で10回以上は鑑賞したはずだ。
『ハゲタカ』鑑賞回数がまだ1桁なので、現在、我が映画鑑賞回数最高記録作品なのだ。
もっとも、間もなく『ハゲタカ』にその座を譲ることになるわけだが…。

『燃えよドラゴン』は2年に一度くらいのペースで観て10回あまりだから、半年で何回も観た『ハゲタカ』には、まさに急性中毒といえよう。

「燃えよドラゴン」は、さすがにアクション映画の金字塔だけあり、何度みても楽しめる作品だ。
白いカンフースーツ姿のブルース・リーの名台詞 “Don't think. Feel !”が印象的な静かな導入部も、その後の展開も代表的なシーンも、だいたいは覚えているのだが、それでも、おなじみのテーマ曲を耳にすると高揚するし、ハラハラドキドキして、最後にカタルシスを得るエンタテインメント性の高さは文句のつけようがなく、闘いの後に残る空虚な感慨を含む余韻もあって、間違いなく名作だ。

ブルース・リーの、陰があって哲学的で静謐な佇まいと、瞬間的に爆発する圧倒的なパワーと、流麗にして鋭い動きは、恐ろしく切れる美しい日本刀を見るようだ。

そういえば、私は映画『ハゲタカ』初見時に、鷲津のことを鋭利な抜き身の刀のようだ…と感じたのだが、鷲津政彦とブルース・リーに通底するところがある、ということだろうか。
……ここで一つ僭越ながら忠告させていただく。
上の文をお読みになって、CLICが放った黒いカンフースーツ姿の多数の刺客を、バリッとしたスリーピース姿の鷲津が、ワンインチパンチで秒殺したり、「Achooo!」という気合とともに華麗な飛び蹴を決めたりしてアッという間に全員倒した後、ネクタイを軽く直して何事も無かったかのように足早に立ち去る…というシーンを想像してはならない。
(想像してしまった挙句、頭と腹を抱えて椅子から落ちそうになった人間からの忠告だ。bearing

勿論ふたりに通じるものは、己にまで刀の切っ先を向け続ける、その冷厳な精神なのであり、決してアクション方面ではない。

…話を元に戻そう。
イマドキのアクション映画と違い、ワイヤーもCGも無く、非常に優れた武道家であるリーの本物の誤魔化し無い肉体の動きだけなのである。
見ているだけで、その肉体のみならず、そこに宿る精神も極限まで研ぎ澄まされていることが見る者に明確に伝わってくる。

そんな彼の格好良さに、いちいちシビレることができる作品だ。
私は劇場で見たことが無いので、スクリーンで観たいとは思うが、平日に休んだり早退してまで行く(←ハゲタカを観るためにはやっていた。)ほどではない。

ブルース・リーをリスペクトする人々の数と熱意は大変なもので、ずいぶん前に、劇場で久々に上映されたときには、ファンが詰めかけて大行列している様子をTVニュースで取り上げていたのを覚えている。
今回はたった1日限りの上映だし、何回も観たいファンが押し寄せるから、『ハゲタカ』と『剱岳』の時とは比べ物にならない混雑のばすだ。
…ということを夫に言ったところ、彼は、私が『ハゲタカ』を観に行ったときのように、2本立てのカップリング作品と抱き合わせて観るしかない…と考えたのだった。

そこで、カップリングのお相手を教えてあげると、彼は愕然としてしまった。
いい年をしたオッサンをへたりこませた、その映画は

エクソシスト( ディレクターズカット)

である。
(ちなみに、弱虫の私は未だに全編通して観た事が無い。sweat02

こちらは、言わずと知れたホラー映画の金字塔だが、この組み合わせっていったい……?
両方とも世界的大ヒットでエポックメイキングな作品として評価されていて、1973年公開という共通点があるが、方向性が違いすぎる…。
この2本を続けて観るのは、なかなかヘヴィだろう。

朝一番の上映スケジュールを見ると、

  9:40 エクソシスト

 12:05 燃えよドラゴン

となっている。

うーーん、朝の9時40分に『エクソシスト』かぁ。
キツイ。
『エクソシスト』上映中に休んで、『燃えよドラゴン』に備えるってのは、内容的にも、かなり難しそうだ。
でも、観に行く人、多いだろうな。
ホラー映画マニアは多いし、席を確保するために9時40分からの「エクソシスト」から乗り込むブルース・リー・ファンも相当数のはずだ。
そう考えて、やはり早めに劇場に行って、悪魔祓いを済ませた後で ENTER THE DRAGON が最善だろう…という助言をした。

「そんなに混むかなぁ。12時5分のドラゴンからじゃダメ?」
「立ち見でも入れないかもしれないわよ。」
「えーっ、コワイのイヤだもん。ねー、一緒に行ってくれない?」

オッサンに上目遣いで頼まれても、可愛くもなんともないぞ。

「悪いけど、私もホラー苦手だし、この日は休めないし。」
冷たく言うと、夫は「えー、『ハゲタカ』に3回も付き合ってあげたのにぃ~」と恨めしそうだ。
そんなこと言ったって、『ハゲタカ』の初回は彼が誘ったんだし、2~3回目は、勝手についてきたはずだが。

しばらくゴネられたが、結局、一人で行って恐怖と戦うか諦めるか、まだ悩んでいるようだ。

この組み合わせは、当日の混乱を避けるために、大きな障害を設けて、数多の『燃えよドラゴン』マニアの中でも本当に肝の据わった人だけを招じ入れようという、新文芸坐の策略なのか!?

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コメント

こんばんは★
昨夜はやさぐれている私に暖かなお言葉をありがとうございました。

無事、本日鷲津をお迎えし、いきなりオーディオコメンタリー版で見てしまいました。
で、こちらに思わず書き込みです。

なんと、コメンタリーに“Don't think. Feel !”が出てくるではないですか!!!
すごい、美冬さん。
他にも燃えよドラゴンの話も出たので、こちらを思い出してちょっと盛り上がっちゃいました。
当分の間、忙しくなりますね、私たち(笑)

nanakoさん

鷲津様こ到着、おめでとうございますshine
いやー、さすが策士・鷲津。
ファンをハラハラさせますなぁ。wink
私も今日、オーディオコメンタリー版を先に観てしまいました。
大友さんが、とっても嬉しそうに語っているのが微笑ましい。
爆弾発言もあり(中延さんの気持ちとか/笑)、楽しいですね。
「燃えよドラゴン」の話が、例の大人気シーンのバックで語られて、おかしかったですね。大友さんもブルース・リーのファンらしい…。

>>当分の間、忙しくなりますね、私たち(笑)

そうですね~睡眠時間を確保するのが大変かも。
またまた鷲津に時間も心も奪われそうです。

こんにちわ。最初に「小龍に会いたい……」という文字を見たときは、「龍馬伝」の中でリリー・フランキーが演じる河田小龍のことかと思って、美冬さん、龍馬伝の先をずいぶんと突っ走っているんだなあ、と思ってしまいました(笑)。そして、「ハゲタカ」のコメンタリで大友Dの「Don't think,feel!」を聞いたときは真っ先に美冬さんのこの記事が頭に浮かびましたよ。coldsweats01

さて、ご存知だとは思うのですが、そして今さら聞いても多分お出かけは不可能だとは思いますが、今現在、早稲田松竹で「燃えよドラゴン」上映中です。1月22日までなんですけどね……。私も先週まではこまめに名画座をチェックして「ハゲタカ」がどこかで上映してないか結構必死で検索していたのですが、DVDが手に入っちゃうとつい怠けてしまって……。そんな訳で今さっき、この映画に気が付いた次第で。まあ、早稲田松竹もなかなかのラインナップですが、でも多分「ハゲタカ」は東宝作品だからここでは上映しないかな。
http://www.wasedashochiku.co.jp/lineup/schedule.html

tsumireさん

お忙しい中、わざわざ有益な情報をお知らせいただき、ありがとうございました。
早稲田松竹は
「ノーマークでしたね。」 (by 三島由香)
でございました。
私は行けなさそうですが、ブルース・リー・ファンの夫は、会社帰りに、李小龍の写真入Tシャツに着替えて観にいこうかな…とか言っております。
実現すれば、夜、ひとりで鷲津と遊べる(笑)時間ができるので、二重に嬉しいです。

>>リリー・フランキーが演じる河田小龍のことかと思って

さすがにそこまでは。(笑)
幕末の知識が足りないし、十代に読んだ「龍馬が行く」も、かなり忘却の彼方ですので…。
しかし、ピエールとかリリー・フランキーとか、カタカナが多い大河ですね。

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