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2010-03-22

半平太株は下げ止まるか?~『龍馬伝』第12回「暗殺指令」

よほど、私の感情が負の方向に行き過ぎて、マシンに影響を及ぼしたのだろう。
長々と思いのたけを書いていたら、保存する前に突然、ブログのエディタがあかくしなって、画面が真っ白に。
ほとんどの文章が消えてしまった。
辛うじて脳内に残っていた部分だけ、書き直してみた。
幸い、書く事で、自分の勝手な願望を膨らませすぎてガッカリした気持ちを整理できたと思う。
(本当か?)

今や、安心して見られるのは、弥太郎のシーンのみだ。
弥太郎は首尾一貫したキャラで、愛情を持って脚本が書かれているし、香川さんが完全に役を自分のものにされているので、安定感抜群。
可愛いお嫁さんをもらってデレデレだったり、爆笑ものの有り得ない馴れ初めだったりのベタな設定も、弥太郎だからOK。
龍馬との完全にかみ合わない会話も楽しかった。
あれは、両者が感情の入れ具合を相手に流されないようにしなからタイミングを合わせるのが難しいシーンなのではないかと素人は思ったのだが、さすがにお2人の息がピッタリ…って言っていいのかわからないけれど、良いコンビネーション!

龍馬への嫉妬を隠しもしない後藤象二郎は、土佐勤王党の敵になっていく人物としても注目していたのだが、演じる青木崇高さんが、期待通りに良い。
『ちりとてちん』では、貫地谷しほりさん演じるヒロインの夫になる若手落語家役だったけれど、さすがに後藤象二郎と千葉佐那が出会うってのは、大河的ウルトラCでもムリだろうなぁ。(笑)
深夜に弥太郎を訪ねてきて、いきなり龍馬暗殺を命ずるときの完全にイッちゃってる目なんか、凄かったぜよ。
今後、面白い活躍をしてくれそうなアブナイ後藤になりそう。期待大。
あと、全くの余談だが。
青木さんは某社のCMドラマでは、“元銀行員の伝説の敏腕ファンドマネージャー”に心酔する部下役ですよ。
『ハゲタカ』よりも『島●作』的世界観なんだけど(笑)
http://gyao.yahoo.co.jp/special/samuraix/




松陰先生の闘魂伝説継承者みたいな久坂玄瑞さん、師匠ゆずりの熱い御仁だった。
過激な攘夷派として名高い人なので、もっと尖っていてキレキャラ系だっりするかと予想していたが、純粋に国を憂えている真面目で素直な青年。
幕末は、こういう青年達がテロリストと、逆に彼らを捕縛する側として切り結んで凄惨な悲劇が繰り返されたわけで、そこがやるせない。
龍馬の、初歩的かつもっともな質問に、メリケンの経済的侵略の実態を久坂が分かり易く教えてくれる…というのは、視聴者向けでもあり、うまく出来ていると思う。
が、こんなことなら萩に来なくても、鷲津さん…じゃなかった、武市さんに教えてもらえばいいじゃん?とツッコんでしまった私であった。
ま、あれは入口であって、この後もっと深く教えてもらったり意見交換したということななんだろけど。
でも、やっぱり、いくら半平太が、取り巻きが大勢いて忙しいっていっても、龍馬ならば、What's攘夷?を武市センセイから直接に教えてもらえるのに、不自然だ、と思ってしまった。
武市としては、自分の攘夷思想に懐疑的な龍馬を他藩のオピニオンリーダーに会わせて納得してもらいたい、という意図があったということなのだろう。
史実では、龍馬は武市の使者として久坂の下を訪ねているので、そこを、攘夷思想に懐疑的な龍馬が自発的に久坂を訪ねて影響を受けたことにしたのは、なかなか苦労がしのばれる設定だ。(エラソー)
にしてもさ、龍馬ったら、沢村から聞くまで、あんなにディープインパクト(笑)を受けた松陰先生のこと、すっかり忘れちょったみたいに見えたけど…。
あちこちで影響受けすぎなのか?

さーて、いよいよ問題の武市半平太最終形への進化問題ですよ。

幕末事情に詳しくないので、大昔に読んだ龍馬絡みの書籍とか、幕末好きの友人たちの話での武市瑞山像から得た印象だけだが、『龍馬伝』を観る前に、私が武市半平太に抱いていたイメージは、情と理の均衡が加速度的に理のほうに傾いてしまった人、というものであって、クールな中に熱い魂を宿す男という人物像だった。
文武両道に優れ、書画にも才能があり、融通が利かないくらい真面目で高潔な人柄で人望が篤く、愛妻家で、おまけに長身の美男子、というパーフェクトさ。
そんなミスター・パーフェクトが、一方ではKing of 天誅という血塗られた暗黒面を共存させていく…というところが、クールで屈折した策士好きな私のツボを刺激するのではないかと期待していたのだ。
まあ、これは私の勝手な願望なので、そういう武市像でなきゃけしからん、とも思っていたわけではない。
極端な話、格好悪い半平太だとしても、そこに説得力とか厚みがあれば、それで良し、と思っている。

だが、私の悪いクセが出て、どんどん夢想してしまったのだ。
第1回では、龍馬よりオトナで、皆から敬愛される素敵な先輩とか兄貴みたいな武市さんで、酔っ払って龍馬におぶられてクウクウ寝ちゃって、仲人が酔いつぶれて申し訳ないから切腹するぅ!とかジタバタしたり…な萌え萌えシーンまであり(笑)、でも人格は下がらない、という実に期待値の高い半平太だった。
2回目も登場シーンは少ないけれど、自らの境遇を受け入れたうえで、龍馬の資質をいち早く見抜いて、八平さんに進言し、でも切ない佇まいを滲ませる南朋さんならではのデリケートな味わいがあったりと、相変わらず期待値が高かった。
そうやって気を持たされたから、先々のブラック武市先生への進化過程をどう描くか、優しい兄貴分の武市さんとどう結びつけて納得感を出すのか、とっても楽しみだつたのだ。
そんな勝手な思い込みをした自分がいけなかったのである。

みんなが敬愛するアニキ「武市さん」が、いつのまにか攘夷の旗を振る暴走集団の総長みたいな「武市先生」になっちょったことも、その他の「もしかして、薄っぺら男?」と疑わせる描きかたも、あれもこれも、全ては吉田東洋のオーガニックなダンサーキック
( http://www.min-tanaka.com/cgi-bin/page.cgi?main=5&sub=3 )
と、あの言葉を受けるためだったのだ。
やっと、わかった。


今週の武市株大暴落downなお言葉
「狭い了見でしか物事を考えられん癖に、自分の考えは正しいと思い込んじゅう。」( by 吉田東洋)


結局、『龍馬伝』における武市半平太の人物像は、攘夷に拠るようになってからは、そういうヒトだったのだよん、という着地点を想定して脚本が書かれていたと解釈するしかあるまい。
だから、攘夷、攘夷と言うようになってからの半平太は、なぜ攘夷一辺倒になっていったのかとか、なぜ武市道場に多くの門下生が集って武市を崇拝するようになっていったのかという中身や背景が伴わない、龍馬の単なる引き立て役の雑に描いた紙人形みたいな書かれ方をされることが多かったのだ。
だって、ちゃんとした中身も背景も持たない人間として決着させるつもりなんだから、脚本上でも空虚な書き方で正解なんだよね。

もちろん、演じる南朋さんは、脚本の行間の葛藤や逡巡をデリケートに表現していたし、演出家によっては、武市の人間性や背景を充填していたので、どうしても、「いずれ好転するから、ちっくと辛抱ぜよ。」と、無駄な期待をしてしまったのだ。
でも、この回で、武市半平太のブラック化、出来上がりぃ~なわけだったのよ。
救いのヒーロー・龍馬が他出している間に、龍馬が勧めたとおりに東洋のところに出向き、龍馬のマネをして“話せばわかるぜよ作戦”をした挙句、門弟の前で論破されるわ、さすがに足腰の鍛錬をしているダンサーならではの(違)キックを喰らって流血だわの赤っ恥フルコース。
超かっこ悪~。
プライドはズタズタ。
わーーん、龍馬さえいてくれれば…助けて~龍馬!ですよ。
いや、こういう展開でも別に仕方ない、いいですよ。
武市のブラック化は段階的に進んで来て、バイオレンス東洋の口と足の攻撃で最終ボタンにスイッチ入った!っていうことでも、いいでしょう。
けど、その後の処理が、数百人を従えるカリスマらしくない。
東洋たちが去った後、顔面血だらけで端然と起き上がり、低い静かな声で、「東洋には我らの忠心からの言葉は通じなかった。こうなったら藩を飛び越えて我ら独自で攘夷を実行するしかない。我か土佐勤王党が土佐の攘夷を先導するのだ。」(←土佐弁変換は各自でよろしく/笑)みたいなことを門弟達に、不敵な笑みを浮かべて言ったりすると超クールで良いよなあ、なーんて一瞬だけ期待したけど…。
実際は、ヒーヒー転げまわってましたのう。
いやいや、別にカッチョ悪い武市半平太だから許せないってわけじゃない。
それでもいいの、のたうちまわっても。それもアリ。
ここまでの過程で、(空虚な人間であっても)そういう人だと納得できるよう、きちんと描かれていたならば、だ。

『龍馬伝』自体が、新たな龍馬像を打ち出そうとしているそうなので、武市についても、ミスター・パーフェクトでなくても、格好悪くて卑小な男であっても、独自な解釈と創作意欲から生み出される、心と骨身のある人物として描かれているならば、受け入れられる。
だけど、龍馬の英傑ぶりを描くための背景として使うためだけに、雑にペラペラに書かれているように見える回があったから、どうも納得てぎない。

だけどさ…。
ダークエンジェル(違)武市が再登場した時に、「あー、もうこれは諦めよう。」と思いましたよ。
まあ、あれはあれで、虐待され続けた挙句に「これは僕じゃない、別の誰かが受けている辱めだ…」と半平太が念じすぎて、人格分裂…って精神状態を分かり易く表現しているのかも?と強引に解釈することもできる。
だから、龍馬が心配してすっ飛んできて入室したときには、すっかり落ち着いていて、静かに応対した表情を目にして、さすがに背筋が冷えるほど怖かった。
さすが南朋さんだ、と思ったけれど。
あのまま冷静に黒い微笑を浮かべて、静かな口調で龍馬に東洋暗殺を指示…っていう脚本の流れだったら、冷徹な黒いカリスマの誕生の瞬間として、それなりに、「ああ、こういうレベルでの表現ね。」と、思って冷静に受け止められただろう。
なのに、あの後で、またヒステリー状態。
武市は情緒不安定のまんまだ。
相変わらず、「助けてー龍馬!東洋にいじめられたよー!」と泣きついているように観えてしまう。
確かに、諦めた。
けれども、龍馬を持ち上げるために、武市が、リーダーの器でないのに、成り行きと、虚栄心や嫉妬心から組織のリーダーになった小さい男だという書き方をする限り、納得はできんぞ。
ブラック化の途中経過は、今更取り戻せないので、もう諦めるが、黒半平太にしたのなら、せめてこれ以上の安値更新は勘弁してあげて欲しい。
今後は、黒いカリスマとして、冷徹に謀略の道を進ませ、大物達との暗闘に苦戦し、やがて滅ぶさまをきっちりと書いてあげて欲しいものだ。
お願いします、脚本家のセンセイ。

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