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2010-04-20

『龍馬伝』第16回「勝麟太郎」~助けて!阿部ちゃん!!

「戻れ、元に居た場所に。それが賢明な生き方だ。」 (by 劉一華)

江戸城、松の廊下。
広く長い廊下の一隅で平伏する裃姿の武市半平太。
意気揚々と戻って来た帝の勅使・三条実美かわざわざ立ち止まって半平太に直に声をかける。
武市半平太の権勢を、如実に表す場面であろう。
なのに、その時、私の頭の中で、劉一華のあの叫ぶような台詞か再生されたのだった。
もちろん、半平太は、もう戻れないし、戻るという甘えをとうに捨て去ってしまったことは分っているのだけれど。
そして、これが彼の“運命”であったことも、後の世の人間である私は知っているのだけれども。
ならば、“賢い”半平太は、“君子不跟命争”であったということなのか。
なんと過酷な運命だろう。
なんて苛烈な選択だろう。


土佐では城に上がることも許されなかった彼が、帝の勅使の随行員として江戸城の松の廊下に上るまでになった。
彼は満足して有頂天だったろうか?
そうではないと、私は思う。
確かに、努めて冷静に振舞っている中にも、手中にした権力に酔わされている節も微妙に感じられるが、決して奢り高ぶって自分たちが土佐勤皇党を立ち上げた初志を忘れたりしていない。
攘夷を実行して日本を守るという旗を掲げているけれど、その旗を支えるのは、何百という泥と涙と血で汚れた無骨な手であることを、半平太はどんな時だって忘れていないと思う。
それらの手は、土佐の虐げられ続けた身分の低い者達の思いがこめられた手であり、それらの手が自分をこの高みに押し上げているのだ。
武市半平太は、自分を支え押し上げてくれる人々の思いを背負って行動している。
…そういう人物だから、何百という人々が彼を慕って集まり従っているのだ。
と、私は信じて彼を見守ってきた。
なのに、何だアレは!

自分より弱い立場の者を蔑むような台詞を半平太に言わせるなんて。
半平太を大勘違い野郎の小物として描いて、龍馬や突如として気概のある男になった長次郎を底上げするために、貶めるなんて…。
もう哀しくて辛くて、婆は倒れそうだったぜよ。
あの後、『新参者』で阿部ちゃんに会えなかったら、憤死していたかも。(泣)

まあ、半平太の婆様で黒半平太推進委員な私の深読み&妄想劇場の解釈(笑)は置いておくとしても、例えば、収二郎が長次郎にキツイ物言いをするのを、武市がたしなめ、押しとどめる、なんてのが、武市半平太の性格や勤皇党首領としてのポジションに相応しいのではないか。
半平太が自らの権勢に奢っているとしたら、尚更に長次郎なんかを相手にしたりしないだろうに。
雑魚(長次郎&洋ちゃんファンの皆様、失礼!)に突っかかるのは、半平太の役割じゃない。
そんなことまでさせて武市半平太を貶めたら、視聴者の心が武市から離れるばかりで、彼の悲劇的な最期を盛り上げて視聴率を上げようとしても、無理なんじゃないかね?

武市夫妻の別れのシーンで、スタッフが泣いてしまった…という話を目にして、この脚本の傾向だと、武市で泣かせるとなったら、今までの引きずりおろしなんか無かったかのごとく、武市半平太の人格高潔さとか愛妻家ぶりとか弟子達から厚く敬愛されている様子を前面に出してくるのだろうなぁ…とは予想できる。
でも、それだと、「自業自得じゃん。」という冷たい反応が多そうな気がするけどね。
それとも、脚本家と制作陣は、「泣ける純愛ドラマ」大好きな女性達が食いつくとでも思ってるのか。

「ふざけるなぁーッ!」 (by 鷲津政彦))

……話を戻すと、武市を引き上げるに当たっては、怪物・容堂とキレキャラ後藤象二郎が、またもや悪役っスか…。
容堂公は大物感や怪物ぶりが濃厚に出ているから良いとして、後藤さんは気の毒な描かれ方…。
関係者の方から苦情は来ないのか?


いつもは、なるべく良いことから書くのだが、今回は最初に苦情(笑)を長々と書いてしまった。
前回に続き、不愉快な感想ですみませんねえ。
が、愚痴らなきゃやってられん。


さて、『龍馬伝』第16回は、予想どおりに勝テツヤがまるっと全部いたたぎ!に近かい仕上がりだったぜよ。
あの勝をどう感じたかは、好みによりけりだろう。
勝が龍馬に自分で自分の考えを明確にさせる、というのは、ベタではあるけど(龍馬が発表した抑止力としての武装という考えも未来人的平和主義者な設定の龍馬の思想としてはいかがなものかと思ったが…まあ龍馬も未だ考え中だから仕方ないとして。)、うまくまとめたな、と感じた。

なんだかわからんが、とにかくLOVE & PEACEを説くヒッピーみたいな人になっちょったり、薩摩の山中に潜んでいる間に凄みのある傑物になったことにされてたりしていて、観ている側を完全に置いてきぼりにしていた龍馬が、勝の誘導によって自分の考えをまとめることができ、進路希望もめでたく決定(受験生?)して、今後の活動の方向がクリアになったってわけ。
めでたしめでたし。(苦笑)
もう、この脚本に充分に納得させろどうのとか言い気は無くなったし。
だって、それを求めるのは徒労だもん。

ただひとつ、忘れちゃならないのは
龍馬が勝の弟子採用試験に合格できたのは
武市半平太の口添え(!)のお陰

ということ。
ありがたく思えよ>坂本クン

肝心のテツヤの勝キャラは、覚悟していたほどテツヤ臭が出ていなかったので、携帯電話をテレビ画面に向かって投げつけて「ふざけるなぁーーっ」と怒鳴ったりする暴挙には至らなかった。
だが、あの気持ち悪い江戸弁を初めとして、とにかく、私はどうしても生理的に受け容れられなかった。
これは、もう理屈の問題でなく、どうにもならないので、勝テツヤがお好みの方には申し訳ないが、今後も私の拒否反応は変わらないだろう。
私としては、9時からの阿部ちゃんで上書きすることを心のよりどころにして、ひたすら我慢するしかない。(泣)

では、今週も good  job! !  を挙げて、空元気出しませう。

good千葉家の見事な連携プレー
一途に龍馬を待ち続けて、坂本家の家紋入の羽織まで作っていた佐那さんの乙女心がいじらしい。
突然の龍馬の再訪に喜び慌てて、手鏡をのぞいたりしてバタバタする佐那さんと、不器用な妹を応援するが恋愛方面では役に立たない兄・重太郎のおなじみのドタバタぶり、相変わらず楽しい。
このシーンは、スペシャル番組『龍馬を愛した女たち』でリハーサルの様子が流れていた。
スタジオで立ち会っていた大友チーフDは、渡辺さんと貫地谷さんの安心感のあるコメディ演技を、とっても楽しそうに笑って観ていらして、「じゃあ、こんな感じでいきましょう~」と、特に何も指示なしでサクサク進めておられていたのを覚えている。
お二人とも、こういうシーンはお手の物だし、軽い場面なので役者さん任せって感じだったのかな。
実際、リハの時と本放送で流れたシーンでのお二人の動きなどはほぼ同じだったと思う。
重太郎先生は、諦めずに龍馬に妹を大プッシュしていたが、妹のためだけでなく、自分も龍馬が好きなんだね。
そういえば、「僕は君が大好きだ!」って言ってたし。(笑)
そして、定吉先生までが出馬して、龍馬が春嶽様にお願いごとをするのを一家総出でサポートしてやる。
龍馬が敬愛し、龍馬を愛する千葉道場の一家は、龍馬にとって、江戸での家族に近い存在なのかもしれない。
次回は、佐那さんと龍馬が、最後の剣を交える。
加尾のことはどうでもいい(ひどい)私だが、佐那さんの凛とした女剣士ぶりと初々しい少女のような姿に惹かれるので、楽しみであり、切なくもあり。

lovelyい!春嶽サマ!!
松平春嶽役の夏八木勲さん…渋くて格好良すぎる!
大物らしい落ち着きと余裕、懐の深さを漂わせながら、龍馬に興味深げに視線をやったりして、いやーん、シビれるぅ。
私のようなオヤジスキーがバタバタ倒れていたに違いない。(笑)
あのシーンで、龍馬を見ないで春嶽サマだけ見ていたのは私だけだろうなあ。
品格ある大物に、夏八木さんはデフォルトだ。
『子連れ狼』の柳生烈堂や『富豪刑事』の深キョンのおじい様みたいに地位ある人物の強烈キャラ設定もハマるんだけど、今回はひたすら大物感を漂わせつつ渋く…。
でも、今回だけの登場かしら…。
もったいないなあ。

goodタナテツ、キターーー!なのぢゃ!
今、時代はタナテツ(田中哲司)だ。
某イ●テル(某になってない)のCMで、女子高生の娘と眉毛を共有したりマグロを撫で回したりしているだけじゃないのよ。
一橋慶喜を、行き当たりばったりな口先男というキャラ設定にしたようだけど、タナテツうまくハマッてますよ。
「日本を治めてきたのは我ら徳川じゃ!」
「徳川の安泰あってこその日本国の安泰なのじゃ!」
むふふ~あの傲慢で軽い口調も表情もナイスなのぢゃ!
今後も出番は少ないだろうが、もう1回くらいは、チラッと出るかな。
また弥太郎ナレーションが被せられそうな予感もするけどさ…。
でもでも、タナテツにも、お芝居させてあげてよー。
一方、将軍家茂を取り巻いて右往左往する重役達の中で、ひとり苦虫を噛み潰しているような春嶽サマが、またまた渋かった~。(しつこい) 

今週のthunder サプライズ
いつのまにか、江戸留学して勝の書生に納まっていた饅頭屋の長次郎さん。
その類まれな秀才ぶりが容堂の耳に達していたほどだそうだが、そのあたり、第1部に出てきたっけ?
すっかりボケたから、わしゃ忘れてしまうたわい…。
ま、そのうち「紀行」でも取り上げるんでしょ。
で、長次郎さんも、龍馬に負けずに唐突に気概のある漢に大変身だ!
第1部では、『ガラスの仮面』の観客みたいに、適切な解説をしてくれたり、情報提供してくれたりする役回りだったのだが、それは世を忍ぶ仮の姿だったのね…。
「わしにも志がありますきに!」と鼻息も荒く激高していたが、突然に“ココロザ歯(シ)”ってのが生えてきたのかしら?(乳歯かい)
いよいよ龍馬の盟友として重要人物になってくるわけですな。
凄いねえ。
なんか助走無しでブブカ(懐かしい)ばりの大ジャンプ!って感じだ。
でも、この人の運命も……(泣)

なーんか泣いたり呆れたりしてたら、お腹すいた。
人形町の人形焼、たべたいなあ。(笑)

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コメント

美冬さん、朝っぱらからおじゃましてま~す^^
小・中学生の頃は毎週見ていた大河。
こちらもほとんど見なくなって○十年。
久々にかなり回数多く見たのが堺雅人さんがお出になっていた時の『篤姫』だったのですが、今年の大河もけっこう見ています。

「それは・・・あなたですよ・・・」なんちゃって^^;
鷲津でない時の大森さんには無関心で、トーク番組以外は過去作を今だにほとんど見てない私ですが、「武市半平太は良さ気だなぁと」土曜日の再放送をチラ見していました。夫と入った居酒屋の女将さんが「わたし、大河は毎年見てるんだけど、今年の『龍馬伝』はあんまり・・・」とボヤいていたように、オープニングやグリーンがかった画面からして大河の伝統的イメージをガラリと変えてかなり斬新なので、中高年の大河ファンにはかなり抵抗があるみたいですね。

 私は武市に鷲津さんの面影を求めてチラ見していたので、本編に興味があったわけではないんですが、一応見ているので美冬さんの解説も読ませていただいています。そしたら本筋に関する興味も出てきて、このごろは大森さん登場シーン以外もほとんど全部見るようになりましたhappy01
それで、さっきの「それは・・・あなたですよ・・・」なんです。
これからどんどん武市さんは深みにはまっていくの?
見たいような見たくないような・・・sweat02
美冬さんの解説の方が楽しみかもです。
朝っぱらから長々と失礼しましたsweat01

>アンさん

いらっしゃいませ♪
早朝からお越しいただき、ありがとうございます。
長くて愚痴交じりの感想にコメントを頂戴できて、嬉しいですhappy01

>>「それは・・・あなたですよ・・・」なんちゃって^^;

まあ、私がアンさんのMr.シバーノですか!(違)
私の願望大混入の駄文がきっかけで、武市さんに興味を持って下ったと仰っていただけるなんて、勿体無いです。
ありがとうございます。
NHKと大友さんに代わって(笑)お礼申し上げます。

私も大河を第1回からずっと観るのは久しぶりです。
大昔に、『独眼竜政宗』を家族全員で毎週みていたのと、数年前の『新撰組!』くらいです。
『篤姫』は堺さんの家定公が御存命の間だけ観ていました。(笑)
『龍馬伝』は、大友さんが演出で佐藤直紀さんが音楽、南朋さんが出演というチーム『ハゲタカ』への興味で観始めて、幕末にも龍馬にも深い思いいれは無いんですが、気づけば武市半平太を応援していた感じでして…。
やっぱり南朋さんが入魂して作り上げている半平太に、どうしても心が傾いてしまうんですよ。

>>これからどんどん武市さんは深みにはまっていくの?

予告を観た感じでは、次回から運命が暗転して行きそうですね。
番組開始時の武市のキャッチフレーズが「悲運の革命児」だったかな?
まさにそういう運命が待っていると思われます。weep

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