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2010-04-11

『生誕120年 小野竹喬展』@東京国立近代美術館

先週末、お花見とセットで行って来た。
本日で会期終了だが、自分の感想メモとして記事にしておく。

『生誕120年 小野竹喬展』
東京国立近代美術館
2010年3月2日(火)~4月11日(日)
http://www.momat.go.jp/Honkan/ono_chikkyo/index.html#detail

Ono

お花見とセットで展覧会…の候補として、国立新美術館のルノワール展+ミッドタウンとどちらにするか、前夜就寝時まで迷っていたのだが、山種美術館で竹喬の絵を観て、この展覧会を思い出したのも何かの縁というか、流れだろうと思い、こちらを選んだのであった。
多数の素描も含め、展示内容がとても充実しており、かつキュレーターの方のセンスが伺える作品の配置で、作家への理解を深めながら作品を味わえて、素敵な時間が過ごせた展覧会だった。

美術館前の桜も満開だった。

Kindai2

開館間もない時間に入ったのだが、大盛況!
たいていの日本画の展覧会の傾向同様、比較的、高年齢層の客層だったが、かなり若い方々も来場されていた。
やはり10年ぶりの大回顧展だし、「奥の細道句抄絵」の10点が一堂に介するということで、混雑するのもしかたないだろう。
しかし、ぎゅうぎゅうに混んでいたのは導入部だけで、後は、順路に沿って断続的に出現する行列に並んだり空いている絵を先に見たり…と人垣がほどけていって、わりと自由にストレス少な目で鑑賞できた。
目玉の、「奥の細道」は行列が出来ていたが、じっくり見たい人は並んでじジワジワ進み、さらっとで良い人は、その後ろから少し離れてみる…という暗黙のルールが出来ていたようだった。
私も、「奥の細道句抄絵」がお目当だったので、行列に並んでじっくり近くから観た後、特に気に入ったものは引きえかえして離れて鑑賞。


【第1章 写実表現と日本画の問題】では、竹喬が師・竹内栖鳳から学んだこと、それをベースに試行錯誤しながら自分の描きたいものと自分の特質とに向き合って葛藤し、独自の表現を生み出していく過程が、展示作品を追って行きながら理解できるように構成されていた。
この時代の積み重ねや迷いがあって、画業後半の、あの画風が生れたのだと、改めて納得。


【第2章 自然と私との素直な対話】で、いよいよ、私が好きな作品がどんどん登場。
大好物オンパレードで、鑑賞する足も止まりっぱなしだった。
茜空の画家と称されるように、夕映えの空の作品がとても多い。
優しさと、過剰でない哀愁が、観るものの心にすうっと染み入ってくる。
夕焼けの空と雲の色の表現、その前にある木々の枝の色や線の変化による表現など、明解に見せて、実は繊細に細心に調和を重んじて饒舌すぎないように、観る側の心に静かに入り込むように描かれているところが、ニクイ。(妙な表現)

私が好きな作品のひとつ、『夕雲』。

Yugumo

まるで、満開の桜の木みたいだ。

竹喬の作品は、澄んだ色が美しく、構図に穏やかなリズムがあり、画題は心にしみこむような詩情ある風景で、全てにおいて破調が無い。
こんなふうに私の拙い文章で説明しようとすると、「なーんだ、まとまっちゃってて、つまんないんじゃない?」と思われそうだが、とんでもない。
晩年の連作「奥の細道句抄絵」に見られるように、色彩はより美しく明るく、対象はより簡潔に削がれ、ますます、真直ぐに観るものの中に自然に入ってくる。

Mogami

「暑き日を海にいれたり最上川」
この太陽の大きさ、色の帯のように表された空と最上川とその岸。

このように、「奥の細道句句抄絵では、取捨選択の目が更に澄んでいるようで、どんどん余計なものを捨て去り、身軽に自由になっていったように感じられるのだ。
自由といっても、奔放になったのではなく、清楚に温雅になっていったのだ。
こういう精神状態の老境に辿り着きたいものである。
…とか、あさっての方向に考えが飛んでしまうのだった。(笑)


鑑賞後、ロビーのグッズ売り場も大混雑。
ふと、「別棟のミュージアムショップにも同じものが売られているのでは」と気づき、ラッシュ時の山手線みたいな人混みから抜け出してショップに行ってみたら、大正解。
もちろん、こちらも空いてはいなかったが、ちゃんと品物を手にとって吟味して買い物ができた。
絵葉書、クリアファイイル等々、いろいろと買ってしまった…。
充実した良い展覧会をたっぷりと楽しんだ後だったので、お花見もより一層、存分に楽しめた。

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