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2010-04-26

『龍馬伝』第17回「怪物、容堂」~近藤容堂の酔拳が炸裂か

久しぶりに、アクセス解析で検索ワード傾向を見てみたら、びっくりするほど「武市半平太」絡みで検索して来訪される方が多い。
おそろしく偏っている内容の拙宅に、何の因果かたどり着いてしまわれて目がテンになっておられたかと思うと、申し訳ない一方、『龍馬伝』の武市半平太の祖母のポジションを勝手に主張している私としては、仮想孫の意外な(えっ?)人気が嬉しいぞ。

゜。°。°。°。°。°。°。°。゜。°。°。°。

今回は、久々に全体を通して楽しめた。
話が大きく動くわけではないなりに、無理を感じさせない展開でストーリーが転がり、美しさと個性が両立した映像や詩情あるSEも各シーンで堪能できたし、役者さんたちのニュアンスを滲ませた表情も生かされていて、最近、続いていたガッカリ感がなかった。

今回から演出に加わった梶原ディレクターは、『ハゲタカ』チームの訓覇プロデューサー&堀切園ディレクターと共に超硬派で辛口なドラマ『外事警察』で手腕を発揮されていたし、大河ドラマ『利家とまつ』、『功名が辻』や人気時代劇『陽炎の辻』も担当されていたそうで大河にも時代劇にも慣れていらっしゃるようなので、いつからご担当かな~と、期待していたのだ。
ところが、大森南朋さんご出演の『トップランナー』で紹介されていた撮影風景の中で、梶原さん(その時は、どなたか不明だった)が演出をつけている場面があり、何だか南朋さんの気持ちと噛みあっていないように見えてしまったので、ちっくと不安になっていた。
ま、ガッカリしたら『新参者』で、わがご贔屓の阿部ちゃんに癒してもらえばいいんだしさ…と、期待せずに視聴。
そもそも、前回から登場した勝センセイが、私は大の苦手なので、それだけでマイナスなのである。

が、杞憂であった。
ドラマをあまり観ない私ごときが、色々と心配なんかする必要なかったみたい。
初演出の回の、リハーサルのごく一部の映像だけみて、勝手な受け取り方をした私の短慮、誠にお恥ずかしい。
全体を通して、バランス良くアベレージ高い仕上がり。(って、また偉そうに…)
梶原さん、誠に失礼いたしました。

さて、今回はなんたってサブタイトルどおりに近藤容堂の怪物ぶりというか、妖怪パワーいうか、怪演が凄かった。
第1部の吉田東洋(田中泯)といい、第2部の勝テツヤといい、近藤容堂といい、『龍馬伝』のジイさんたちのパワフルさには圧倒されっぱなしぜよ。
もう、若いもんが吹っ飛びそう。
武市さん、このジイさんに睨まれちゃったらマジでヤバイっすよ。
そして、佐那さんと武市富さんの二人の女性の切なく美しい表情と清楚な佇まいが際立っていた。

ではでは、雑な感想を。

船上の龍馬
冒頭は前回のハイテンションすきて、私としては、ちょっと腰が退けた咸臨丸上の龍馬の続きから。
しかし、活気溢れる船員達や、ウエスタン風ムードがハマッているジョン・トータス・万次郎と龍馬の素朴なQ&Aなどの船上シーが続いていくうちに、気づけば“日本人”の若者達の熱気と希望が横溢する空気が濃厚に伝わってきて、何だか自分も元気になっていた。
それは、この時の龍馬の前向きで明るい気分にちっくと近づけたということだろうね。
珍しいことだ(笑)。
そのせいか、あるいはテツヤが抑え目にしていたからか、前回よりは勝テツヤに対する拒否反応は強くなかった。
でも、ダメなのはダメなんだけど。生理的嫌悪だからしょうがない。
そして、ラストでも咸臨丸上の龍馬。
冒頭とは対照的に、引き締まった表情で、前途は決して夢と希望に溢れる明るいだけのものではないという厳しい予感に満ちていた。
単純かもしれないけれど、この最初と最後の龍馬の対比が良かった。
ま、相変わらず弥太郎が龍馬の心情を親切に説明してくれるのだけどね。(笑)


必殺仕事人・以蔵の渇望
勤皇党内で疎外感をひしひしと感じる以蔵にとって、唯一の心のよりどころである武市先生との繋がりが感じられなくなっていくのが、なんとも痛々しい。
しかし、何時の間に&どーいて、以蔵が人斬りの秘匿任務(外事警察用語/笑)担当だという事が漏れたのか?
武市がろくに顔も見ずに、褒美として金をやるシーンなんか、もう涙が出そうなくらいに切ない。
武市が一言でも労いの言葉をかけて直に手渡ししてくれるだけで、以蔵の心痛は軽くなるのに。
それを分らない武市ではないのに、どうしてだろうか。
武市の心中も、いろいろと妄想してしまうのだが、もう完全に捏造モードなので、記事には書かないでおく。(苦笑)
それにしても、鷲津といい武市といい、南朋さんが背中越しに台詞を言うシーンというのは、その背中が雄弁で色香がある。
それ故に、以蔵の哀しさも強く伝わってくるのだ。
2人の言葉少ない演技の響き合いが素晴らしかった。
今後、武市と以蔵の愛憎がどう描かれるのか、見届けたい。
…ところで、以蔵クンてば、いつのまに可愛い彼女(?)を作ったのか。
もしかして、不憫萌えな女性をどんどん落としているのか?


武市夫妻悲劇の美しき序奏
イヤミな言い方をすれば、そろそろ武市半平太の最期に向けての下ごしらえ、ということだろう。
半平太が富さんにあてて書いた細やかな愛情に溢れた手紙や、扇子にさらさらと描いた絵などを使って、今までは微量に滲ませていただけの武市夫妻の愛を押し出してきましたよ。
半平太の以蔵への冷たい態度とは打って変わって、半年も単身赴任して寂しい思いをさせている妻を心配させまいとする優しいだんな様の半平太さん…この対比というか繋ぎ方が良かった。
そして、出番は少ないけれど、登場するたびに、そのデリケートな表現力に魅せられる奥貫さん演じる富さんの、健気で儚さと強さの双方を兼ね備えた武家の妻らしい佇まいが本当に素敵だ。
この先、この人の夫への一途な愛の強さが描かれていくんだろうなあ。考えるだけで、胸が痛む。
また、富さんが一人で手紙を読むシーンと武市が自室で手紙をしたためるシーンの室内の光と影が移ろう描写や窓の外に舞い落ちる枯葉の儚い美しさが暗示するものを思うと、胸に迫るものがあった。


弥太郎と坂本家の意外なコラボ?
久々に登場の坂本ファミリーのお食事シーン。
やっぱり、いつも良いですねえ。
家族全員で龍馬の現況を楽しく想像して膨らませていくところなんか、ほのぼのする。
そこへ、弥太郎が珍しく龍馬の消息を携えてやって来る。
この展開で、やや力技ながらも土佐の坂本家と弥太郎と江戸の龍馬が唐突感が少なめで繋がる。
そして、この後のサンプリング風なセリフとか、弥太郎は、思い切りやってくれてますよ、今回も。
香川弥太郎だから、これくらいやっても許されるんだなあ。
先週の『新参者』での抑えた演技とは対極。
さすがに出力調整自由自在だ。
そういえば、龍馬は何回も岩崎家を訪ねていたけれど、逆は珍しい。
起業侍(って言葉はあるのか?)を目指す弥太郎、目の付け所は良かったが、需要者層の経済事情まで思い至らなかったところが、残念であった。
三菱は一日して成らず。(爆)


さて、メインエピソードは二つ。

千葉佐那との別れ
凛々しく美しい佐那さんが帰ってきましたぞ!
前回までの重太郎先生とのコメディは楽しいけれど、ちっくと分量が多すぎたかも。
まあ、コメディ達者なお二人に、ああいうシーンをさせたい気持ちは分るけれど、私は凛々しい佐那さんの秘めた乙女心と健気な片思いというのをもっと観たかった。
佐那さんの剣に生きる凛々しく清清しい生き様と、龍馬だけを思って一人を貫くいじらしさが、貫地谷さんの涙をこらえた美しい笑顔からあふれ出るようだった。
それに答える龍馬も剣士らしい精悍さを湛えた顔になっていた。
佐那さんは、これから龍馬の面影を胸に抱いて生きていく。
うーーーん、彼女らしく清らかで美しい愛だけど、切なすぎる。
こうしてまた、女が龍馬を大きくする、ということらしいな。


近藤容堂の威圧感
今まで、チラ見せ(笑)で抑えてきた大殿様が満を持して、ガッツリと登場。
酔う程に明晰に鋭く冷徹になっているような容堂。
なんたが酔拳の老師みたいな……違うか。
座っているだけで、すごい威圧感。
そんな怖すぎる大殿様と、龍馬は直に対面!
離れて座している龍馬をも射るような眼力だ。ひ~~怖~。
容堂のすさまじい妖気と迫力に当てられ、「土佐では下士は犬猫同然」という発言を直に耳にして心中穏やかならないながらも、精一杯の標準語(って当時なかっただろうけど)で、武市をフォローする龍馬。
この場面、今までのように龍馬を上げるためのシステムとは感じなかった。
道は分かれても最も大切な友人であり、同じ下士としての痛みに耐え続けてきた半平太の篤い忠義心を、容堂に伝えたかったのだろうと思えた。

後日、何も知らない半平太は、上士に引き上げてくれたのは容堂の厚意だと思って感涙に咽ぶ。
だが、龍馬は容堂の冷酷さと底知れぬ恐ろしさを肌身に感じているので、ますます藩に対する気持ちが薄れていくのではないだろうか。
このあたり、国のため土佐のために攘夷を掲げ、亡命せずに最後まで土佐藩士として生き土佐藩士として死のうとした半平太と、身も心も藩を飛び出して独自の方法で日本を進化させようとした龍馬の対比につながっていくのだろう。

次回、容堂がどう動くか、恐ろしや…。
そして、予告映像のつなぎ方に、笑った!
サブタイトル「海軍を作ろう!」というのも、チャレンジングというか、どストレートというか、投げやりというか、なんというか…(笑)  

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コメント

こんばんは★
いつもながら読みごたえのある感想、ありがとうございます。
こうしてお邪魔すると、1話のドラマが何倍にも楽しめます♪

それにしても見ごたえあったし、おなかいっぱいになりましたね~。
特に半平太、よすぎ~~~。

>それを分らない武市ではないのに、どうしてだろうか。

そこそこ!不憫な以蔵に対してのあの仕打ち。。。おっしゃる通り、南朋さんのあまりにニュアンスのある演技故、何かあるに違いないとか妄想満開ですよぉ。。。
失礼ながら、美冬さんと感想が似ているので思わずニヤリの連続でした(笑)

>nanakoさん

いらっしゃいませ♪
やたらと長い雑感に、コメントをありがとうございます。
いやー、久々に充実した45分間でしたね。
いつもこうだと嬉しいのですが。

>>南朋さんのあまりにニュアンスのある演技故、何かあるに違いないとか妄想満開ですよぉ。。。

そうなんですよねっ。
深読みと妄想を誘う、罪な半平太でした。(笑)
深読みしたくなるくらいに、奥行きのある人物描写がされている演技とそれを生かす演出だったということですものね。そこが嬉しい。
私も、nanakoさんの感想・速攻編(←本編へのプレッシャーではないですよ/笑)を拝読して、「そうそう、それですよ!」と膝ポンの連続で、楽しませていただきましたよ。

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