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2010-06-16

『龍馬伝』第24回「愛の蛍」~はんなり度マイナス100の京女

今回のサブタイトル「愛の蛍」に、先週からビビッていた方も少なくないと思う。
私も、その一人だ。
『龍馬伝』のサブタイトルの、今回のような狙った寒さや、「海軍を作ろう!」みたいなキャッチーとかポップとは違う軽々しさは、ある意味、目玉になっている気もするので、鈴木Pの戦略成功かもよ。(笑)

今回は、大きな事件も進展もなかったが、蛍の儚い光に託された深い愛と祈りを情感たっぷりに描いた静かで美しいシーンが印象的な回だった。
血なまぐさい池田屋の後に、こういう回で、しっとり落ち着いて、今後の変転に備えるのも良いだろう。
まあ、いつものように、セリフで説明しすぎなところは気になってしまったし残念でもあったが。
特に、武市半平太の愛妻伝説の有名な逸話を、乙女さんが渡鬼ばりの長セリフで披露してくれた時は、唖然呆然ぜよ。
乙女さんは、すっかりNHK解説委員化(笑)してしまっているようだが、せっかく寺島しのぶさんを配しているのに、なんと言うもったいない使い方だろうか…と嘆息してしまう。
銀熊が怒るんじゃないか。(笑)
…予想はしていたが、第28回に向けて、武市半平太好感度upキャンペーン中!
先に落としておいて、切腹カウントダウンのタイミングで上げるって…計算ミエミエすぎ。
しかし、先に落としてしまったがゆえに、「武市さん嫌な人ね。キライです。」と拒絶反応を示す方も少なくないようだ。(特に若い女子)
今更、「以蔵に人斬りをさせたけど、奥さんには優しいんだよ。」みたいなことを言われたって、なんだか自分の身内対してだけ良い人みたいに見えるんじゃない?、なんて心配もしていたが、大森さんと奥貫さんの素晴らしい演技により、脚本のクサさも計算も全部ふっとんでしまって、武市夫妻が血の通った人物として深い陰影をもって浮かび上がり、この2人のことは全てが真実なのだとすら思えてくる。
やはり、この作品は脚本の甘えや薄さを、役者の演技と演出が補って余りある。
脚本家先生はラッキーぜよ。(笑)

しかし、しっとりした中で、しっとりもしっくりもしない主人公どす。
全48回放送予定の『龍馬伝』。
いよいよ半分まで来たわけだが、いつまで経っても主人公の腰が定まらない感じには、他人事ながら心配にもなるってもんです。
なーんか、肝が据わってないというか…。
…って、書き出したら、生意気な(いつもだけど)長文になるので、ここでは我慢(笑)。
主人公や武市半平太の描き方について思ったことなど、第二部終了後に気力が残っていれば、記事にしようと思う。


まずは、今回のカッコイイ2トップ。

冷徹な近藤局長 vs ドスの効いたお龍さんどす。

前回、幕末の大事件のひとつである池田屋事件を、長州中心の過激攘夷派の謀議シーンまでしか描かず、新選組が襲撃してからの凄絶な戦闘シーンはスルー、という画期的な演出方法には度肝を抜かれた。
だが、幕末ものの小説や映像作品に馴染みが無い視聴者は、置いてきぼりだったかもしれない。
実際、私の同僚のA嬢(帰国子女で近代日本史に興味極薄)は、先週月曜日のランチを一緒に食べているときに、「池田屋で、九州の言葉でしゃべっていた恰幅の良いオジサンが斬られてたけど、まさか、あれは西郷さんじゃないよね!?薩摩と長州ってケンカしてるから変でしょ?…」とマジメに心配して聞いてきたので、コーヒーを吹きそうになったくらいなのだ。
同席していた幕末マニアM嬢が冷静に、「あそこで西郷さんが亡くなったらパラレルワールドになっちゃうよ。あの人は熊本藩士で宮部鼎蔵といって…」とひとしきり教えてあげると納得し、「相変わらず、歴史的事実の解説が不親切なドラマねえ」と柳眉を逆立てていた。
「きっと次回、少しはフォローがあるわよ…」と根拠レスなことを言って宥めた私とM嬢であった。

果たして、前回の池田屋事件の戦闘シーンや亀弥太が逃げる場面がアバンタイトルでサラリと映され、弥太郎が新選組って何でせう?ということを一言で説明していた。
このサラッとドライな描き方がメチャメチャ素敵ぃ~。
『龍馬伝』の新選組はサブキャラで、各個人は無くて、組織でひとつのキャラとして血を通わせずに描くことができるから、強固にクールとスタイリッシュを徹底できるのだ。
それにしても、ニクイよ、このこの~。(笑)

アバンで流れていた襲撃シーンは、前回の謀議シーンとの続きで撮られていたようなので、前回の真鍋Dと今回の梶原Dが一緒に撮ったのか、事前にきっちり打ち合わせて編集したのか、あるいは脚本が良く練られていのか、私にはわからない。
が、このところ、流れが良い感じにまとまっているのは、ディレクター陣の総意をしっかりまとめたり、各回の演出をすり合わせるということを、しっかりやっているからなのだろうと推察される。
たいへんケッコウ。(どんな立場?)
っと話がズレた。

お龍さんが勤める宿屋「扇岩」に、御用改めに踏み込んで来た傍若無人な新選組・近藤局長とお龍のガンの飛ばしあい、迫力満点でゾクゾクした。
原田さんが喋って、地の大らかな好青年ぶりが滲んだらどうしようかと失礼な心配もしたが、さすがに、美人のお龍さんにデレデレもせず(笑)、眼に一ミリのスキも無い冷徹な新選組局長…カッコ良かった~。きゃーっ近藤さん、さすが調布のスターだよ!

近藤さんのブリザード視線を受けるお龍さんの豪胆さが、まーたハンパなく格好エエ。
「~どす。」と言ってても、はんなり度マイナス100くらいのドスの効きっぷりがナイス。
手に汗握る好勝負、引き分けどした。


急性熱血漢・龍馬くん

で、前回のラストからの流れで、隊列を組んでカッチョよく引き上げる新選組に「なめたら…なめたらいかんぜよ!」と殴りこみに行きそうな龍馬を止めたのは、頬かむりでプチコスプレした桂さんであった。
ここで私はうっかり、山科けいすけの『サカモト』を思い出してしまい、桂さんに止められた龍馬が「誰???」となったらどないしょーとアホな心配をしてしまった。
『龍馬伝』では、桂小五郎の自己申告どおり、池田屋にはいなかった説を採用した模様。
「実は現場に居た説」を採用して、屋根伝いに素早く逃げる桂さんの姿も見たかった気もするが。
次回以降、ホームレスから夜の蝶まで、“あらゆるものに身をやつした”コスプレイヤー小五郎が見られるのかしら。ワクワク。(なんの期待?)

とりあえず、お龍が奉公する「扇岩」に忍んでいった二人は、幕府のやり方に憤り、望月亀弥太の死を]無駄にはしない!と熱く確認するわけだが。
「長州は戦う!」と燃える男・桂さんは、まあ置いといて。
毎回、こんなこと言ってるのだけど)、龍馬と亀弥太が仲の良い幼馴染という前提が、私の中にはあまり出来ていなかったので、急に龍馬が「かめやたー」とワアワア騒いでも「ハア?」なのだ。
前回は、音尾さんの渾身の演技で、それなりの説得力はあったけれど、急性熱血漢・龍馬についていけない冷血な私であった。
さて、宿の主人夫婦の計らいで、龍馬はお龍さんの自宅に半日ほど匿われるのだが、ここでもスターのオーラを振りまいて、月琴を弾いて歌を披露し、皆に白米のおにぎりを分けて、お龍一家を悩殺(違)するのであった。
オープンマインドで屈託ない笑顔を見せるかと思えば、幼くして病で母を失ったことなどもナイーヴに語り、女子の心を掴むポイントを絶妙に突く天然タラシの龍馬に、微かに心を動かされ、それでも鉄壁のディフェンス力で龍馬フェロモンを防ぐお龍さん。
うーーん、コロッと参らないのが素敵です。
でも、微妙に揺れている感じが女っぽい真木お龍…私が惚れそう♡。


大殿様は何を恐れるのか?

極楽浄土図にスリよって、仏様に恐る恐る手を伸ばしたり、茶人を招いて一服の茶に感嘆の声をあげたり。
大殿様の御様子が、ちっくと妙です。
これが何を表しているのか、今のところ、私には分からない。
ただ、私には、容堂が怯えているように見えた。
容堂もまた、かつての半平太のように、もう引き返せない処に来てしまったことに慄き、今まで自分が流させた、そして、これから自分が流させようとしている夥しい血を思って立ち止まりそうになり、そんな自分と向き合うことに躊躇っているのではないか。
だから、仏に、一服の茶に、救いを求めているのではないか。
そんなことを考えてしまった…。
うーーん、深読みしすぎだのう。(笑)


今週の半様受難 ~

「それは、私に、死ねということだ。」  by 鷲津政彦

後藤ドS二郎の拷問は、ますます本格化。
新選組にも火盗改メにも負けないレベルを目指しているらしい。(嘘)
以蔵の苦痛に満ちた絶叫…
もう不憫というレベルじゃありませんよ。
目にするだけで、こちらも痛い。
拷問の様子を聞かされる武市先生の精神的ダメージは限界ぎりぎりに近づいている感じで…見てられないです…。
それでも耐える勤皇党の不屈の精神に業を煮やしたドS二郎は、すっかり放置していた弥太郎を脅して半平太のもとへ差し向ける。
ああ、なんて酷い男だ。
この、牢で格子を挟んでの半平太と弥太郎の対面シーン、両者が真に迫って凄みがあり、息を呑んだ。
上手い表現が見つからないのだけれど…真剣勝負、という感じ。
うん、そうだ。
竹刀でなくて真剣で一対一の勝負をしているみたいだった。
2人の表情を眼にして、声を耳にするだけで、鳥肌が立った。
富さんの健気さに心をうたれているる弥太郎は、彼らしく、自己中心的な振舞いの下に武夫妻に楽になって欲しいという真意を忍ばせる。
もちろん、半平太もそれを感じ取るけれど、屈するのは己が侍でなくなるということだと半平太は言うのだ。
それは、自分が自分ではなくなるということ
そんなことをして、富を悲しませることはできない、と。

捕縛覚悟で土佐に戻る決意を表明した時から、武市半平太の武士道一直線が続いている。
もっと早くから、こういう芯の在る人として描いてくれれば…(泣)
彼の言葉も、表情も、信念を貫くものの美しさに満ちている。
彼の美学は、裏を返せば独善的な面があるのだが、そもそも、誰であれ、己の美学を貫くことは独善的な行為だとも言えよう。
今時のおなごからみれば、自己満足みたいにも感じられる。
でも、富さんは、不器用で、己が譲れない線を曲げる事ができない夫を深く愛し、夫に最後の一瞬まで、彼らしく在り続けて欲しいと思っている。
それを夫・武市半平太に伝える使者が、和助に託した蛍なのだ。
…って自分で書いてて恥ずかしいなあ…でも、本当にそう感じたのだ。
『龍馬伝』版・電ボ三十郎…?(意味不明な方はこちら参照)

蛍のシーンは、美しく切なかったが、たった一つ、和助さんが渡した手拭を半平太が開いて蛍がふわりと飛んだとき、「和助さん、潰さないようにもってくるの大変だったろうな」と余計な心配をしてしまった。
蛍を目にした時の半平太の表情、特に眼の表情がとてもデリケートで、魅入られてしまった。大森南朋さん、さすがです。
半平太の表情を見れば、ふわふわとはかなく光る蛍が、確かに富さんの愛情と、無事でいてくださいという祈りを半平太に伝えたことが、言葉なんてなくてもわかったのだ。
夜の帳の下、土佐の岩崎家、京都のお龍の家でも、大切な家族への無言の祈りが満ちる。
そして…龍馬の無事を願う家族や、不思議な男・龍馬を警戒しつつ気になるお龍の思いをのせているかのように、蛍は伏見に向かう船上の龍馬のもとへ。
ここまで、情感溢れるシーンだったのに、龍馬が「亀弥太、おまえの命を無駄にはせんきに。」とかいう、それこそ無駄で無粋なセリフを言っちゃったので、台無し…。
しかも、この直後、蛍に誘われた龍馬くんに運命の出会いが!
そして、予告でなんだかマザコン龍馬がキモいことになってるし。
あーあ。

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