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2010-06-05

今期、NHKドラマは税務調査にこだわる。(←大嘘)

この春、NHK土曜ドラマ枠で放映された『チェイス~国税査察官』

『ハゲタカ』や『外事警察』といったハードでシリアスな題材で人間を描く骨太な傑作を生んだ枠で、熱血国税査察官と冷徹な脱税コンサルタントが世界を舞台に頭脳合戦を繰り広げる話、ということで、期待していた。

結果、面白く見られたのだが、当初、期待していた向きとは違う方向にベクトルが向かい、あれよあれよと言う間に、びっくりするほどスゴイことになっていった。
ちゃんと緊張感はあるのだが、途中、ついつい「そういえば、『新撰組!』では江口さんが龍馬で麻生さんがお龍さんだった。」とか、余計な雑念が入ったりしたが、ま、そういう余裕をもって楽しめるドラマだったと言えよう。
『ハゲタカ』や『外事警察』では、観てるときに、そんな余裕ないもんなあ。
『外事警察』なんか、初回では、息するの忘れたくらいだ。(死にますってば。)
でも、そういうドラマは体に悪いから。(笑)
『ハゲタカ』だって中毒性が強くて、これまた体に悪いしね。
私なんか、禁断症状が相当にひどくて、おかけで肉体年齢が10歳は増えた。(笑)

さて、『チェイス』では、ラストの主人公・春馬のプロフェッショナルっぷりにシビレたが、なんといっても、真の主人公・脱税コンサルタントの村雲の強烈な存在感と、岡田以蔵といい勝負具合の不幸さに唖然呆然。
村雲を演じたARATAさんのことは、映画『ピンポン』でのイカしたメガネ男子以来、久々に拝見した。
深く大きな闇を内包しつつ、光を求め続けていた村雲と一体化していた彼の独特の魅力から目が離せず、主役の江口さんは気の毒なくらいだった。
もちろん、江口さんの熱演も、ワキを固める渋い役者さんたちも良かった。
まあ、なんと言っても、作品世界の80年代(かな?)っぽいバブリーな感じとか、(わざとだと思うけど)あざとくてベタな演出とか、「カリブの手品師」なんていう某大河ドラマのプロデューサーみたいなベタベタな言語センスとかに、「これはもしかして、ツッコんで欲しくて、狙ってやっているのか?」と思ったくらいだった。
いや、マジで褒めてるんですよ。
後半は、力技と飛び道具だらけだったけど、ツッコミつつも、ハラハラドキドキもしたし、安っぽくならなかった一因は、巧くて味のある渋い役者さんたちを要所に配してあったことかな。
特に、奥田瑛二さんが、私には印象深かった。
『白州次郎』での破天荒な父もよかったが、今回、酸いも甘いもかみ分けていて、くたびれているけど、完全には割り切っていないような、複雑な上司を味わい深く演じておられた。
この方、若いときはネチっこい感じで苦手だったのだが、現在は、いい感じにくたびれていて良い存在感があると思う。
……ところで、木村多江さんの薄幸オーラは、奥貫薫さんと双璧ですな。

この作品を、某お台場電波城あたりでやったら、チープでグズグズになっちゃって、目も当てられなくなったと思う。(決め付け)
けど、さすがに「皆様のNHK」が誇るドラマ部ですよ。
不思議な魅力のある異色作でした。
いろいろとお腹いっぱいになったけど、NHKがこういうの、作るんだってのもわかったしね。(笑)

さて、本稿は、『チェイス』の雑駁な感想を書こうとして、書き出したのではない。
ま、例によって、気づけば長くなっちゃった、てことなんスけど。(汗)

で、本題。
毎日、楽しみにしている『ゲゲゲの女房』の話なのである。

ご覧になっている方は御承知のとおり、現在、水木しげる夫妻は、赤貧洗うが如し、だ。
間もなく赤ちゃんが生れるというのに、ヒロインの嫁入り道具の大切な着物まで質入することに。
6月4日放送の第59回では、貧乏神にとり憑かれたような村井(水木)家に、なんと税務調査が!
水木さんの申告書に記載された所得額が低すぎるので、過少申告をしているのではないか?と疑った税務署員がやって来て、イヤミたっぷりにネチネチと「こんな低い所得で生活できるワケないでしょう?別に収入があるんじゃないですか?」と、半笑い顔で責め立てるのである。

働いても働いても報われず、河原のハコベを摘んで食すような節約生活をして、ついには妻の大切な着物まで質入して忸怩たる思いに沈んでいたところに、その言い草。
温厚な水木先生もブチ切れて、大量の質札を投げつける…。

ここで、無知は私は、「こんなに苦労している人からもむしりとろうとするのか…」と憤然とするとともに、税務官吏の水も漏らさぬ調査に驚いたのであった。
そして、そんなに赤貧生活だというのに、「なんとかなるさ」と頑張っている水木夫妻のおっとりとした逞しさに、感嘆するばかりだった。

一見、『チェイス』とは真逆の税務調査の話だったが、裏を返せば、税務官吏が申告書等の書類から疑惑を見つけ出し、地道に裏を取りながら調査していく姿を見せられた、という点では共通していたかも。
もっとも、『ゲゲゲ…』のほうの税務官吏には、全く好感が持てなかったけど。(笑)

ここで思い出したのが、大昔、私の実家で家屋の建て直しをした時のことだ。
無事に新しい家が完成してしばらくした頃、税務署員がやってきて、使用している材木等を検分していったそうだ。
現場に居た母によれば、ざっと屋内外を見て、「あ、こことここはヒノキを使ってますね。」とか恐ろしいスピートで見抜き、ざっと材料費の概算をはじき出したそうだ。
以来、母は、ことあるごとに「税務署員はすごい」と言うのである。(笑)
私も、2つのドラマを見て、ちょっこし、同感である。
『チェイス』のほうは、すごいの意味が違うかもしれんが。

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