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2010-07-27

踊らなくても面白い!~『総合診療医 ドクターG』

テレビ界で、総合診療医が注目されているようだ。

たとえば、7月からスタートしたTBS日曜劇場『GM 踊れドクター』 では、総合診療医をテーマにしている。
破天荒な設定とストーリーだが、主役・東山さんのキレのあるダンスと医療ミステリ(?)を楽しめて、まあまあ面白く観ている。
まだ始まったばかりだからなのか、ハジけたキャラと設定に頼っている感じがするので、もうひとひねり…とか、もっと整理したほうが良いかも…と思うところもあり、華のある役者さんを揃えているが、それぞれが輝いてくるのはこれからかしら、というのが私の印象。


前置きが長くなったが、本稿でご紹介するのは、ドラマではなくて、本職の医師たちが症例の再現VTRを観ながら模擬の症例検討会の中で、病名を鑑別診断していく過程を見せる、異色のバラエティ番組だ。

総合診療医ドクターG

放送日時
NHK BS hi  毎週月曜日 21:30 〜 21:59

再放送日時
NHK BS hi  毎週火曜日 7:00 〜 7:29
NHK BS 2  毎週木曜日 20:00 〜 20:29
NHK BS hi  毎週金曜日 12:00 〜 12:29
NHK BS 2  翌週月曜日 9:00 〜 9:29

(…ずいぶん再放送しますね…sweat01)

番組HPは こちら




単発のパイロット版を経て、この春からスタートしたとのこと。

30分番組で、内容を欲張らず、1件の症例についての鑑別診断にのみ的を絞って、コンパクトにまとめてあって見やすいと思う。
民放だったら、再現VTRを妙におどろおどろしく不安感を煽る作りにするだろうが、そうせずに、淡々と症状を説明していくのみ。
愛嬌はないが質実剛健な感じで(笑)、これが良いのだ。

素人には難解な病名が続出するが、そこは司会の浅草キッドやゲストが、うまく質問して、医師からの簡潔な説明を引き出してくれる。


医学知識ゼロの私のようなシロウトでも話についていけるレベルに噛み砕いてあるし、論点をコンパクトに整理しながら進行するために、エッセンスのみが抽出されて、討議もサクサク進むので、雰囲気のごく一部だけでも伝われば…的な超×3簡略版カンファレンス、という感じ。
よって、物足りなく感じる向きもあるかもしれない。
それでも、とても興味深くて、あっという間に時間が過ぎる。

第一線で活躍する現役総合診療医(番組内では“ドクターG”と呼ぶ)が、4名の研修医達に、実際にあった症例の再現VTR(患者の基礎情報、問診、症状、が描かれる)を観せ、疑わしい病名を挙げさせる。

そして、ひとつずつ、特徴的な症状や罹患しやすい条件などを検討していき、研修医たちが見落としているポイントに気づかせながら、段階的に正解に導いていく。
VTRの中には、ひっかけの情報も仕掛けてあり、研修医がトラップにひっかかっても、根気よく情報を取捨選択させ、必要な検査を考えさせたりしつつ、指導医役の「トクターG」は、若い医師たちを軌道修正して、自分たちで正解にたどりつけるように示唆する。
ドラマ「踊れドクター」のカンファレンス・シーンの地道ヴァージョン(?)とでも言おうか。
たいてい、最初は4人がバラバラの病名を挙げ、同じ症例を診ても、こんなに様々な答えが出るのか…と驚く。
多くの情報から、論理的に推理を進めていく様子は、名探偵や名捜査官のようで、確かにエンタテインメント性を加味してテレビ番組にしたくなるのも理解できる。


推理を積み上げ回答に行き着く過程を見るのが面白いのだが、面白いだけにとどまらず、私が毎回、感銘を受けるのは、ドクターG達が若き後輩達に贈る真摯な言葉だ。

毎回のまとめで、その回のドクターGから研修医たちに、
「患者さんの声を全身全霊で受け止めなさい。」
「全ての偏見や先入観を排除して問診にあたりなさい。」
「医師は素晴らしい仕事だと思うときが来るように、日々の精進を怠るなかれ。」
というような励ましの言葉が贈られる。
こうして字面で見ると、陳腐な精神論に感じるけれど、他者の命や人生に責任を持つ局面を数え切れないほど経験してきたドクターGが仰るから、実に重い。
ストレートで普遍的な言葉であり、医療関係者でなくとも、誰もが心に留めるべき意味のある言葉だから、私のようなダメ人間の心にまで響くのだろう。

私は、2年前に原因不明の体調不良に陥り、3ヶ月間は地元の総合病院を3軒まわって検査と診察を繰り返され、何人かの医師たちから、誠意ゼロの対応をされた。
やっと検査結果の一つの項目の異常に気付いた若い医師の計らいで、ある大学病院の専門医への紹介をしてもらって、半月の入院を経て、幸い軽快した。
あの3ヶ月間は、病院に行くたびに、医師の人を馬鹿にした態度に腹を立てるだけでなく、病への不安が膨らみ、医師全体に対する不信感がいっぱいになっていた。
最後に行き着いた大学病院では、担当医も看護師も、私のどんな些細な訴えにも親身になってくれたし、検査や治療のことも丁寧に説明してくれて本当に安心できた。
と、同時に、同じ病院と名のつく場なのに、こんなに違うのか…と愕然とした。

ドクターGの言葉は、ごく当たり前のことのように見えるけれど、その言葉を実行してくれている医師だけでははないことを、私は身をもって知っている。

だから、この模擬カンファレンスに参加した研修医の皆さんが、先達であるドクターGの真っ直ぐな言葉に誠実であり続けてくれることを期待する。

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