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2010-08-18

察しの良い我が執事②~気になる俳優さんの本

書こうと思っている間に、気づけば、すっかり周回遅れもいいところになってしまった話題なのだが、かるーい読書雑感なので、遅くなってもいいかと開き直ってsweat02アップしておく。(いいわけがましい。)


半月前のことだ。
先だって、「ポルトガル人直伝のカステラ」を買ってきてくれた我が執事(夫)が、 続いて、ややフライング気味のサービスをしてくれた。

「これ、この前、本屋さんで探してたよね。渋谷で見つけたから、買ってきたよ。」
と、渡されたのが、これ。

大森南朋  『さもあらばあれ』




確かに、夫と一緒に地元の書店に行ったときに、新刊本のコーナーからタレント本コーナー、果ては写真集コーナーのセクスィー系棚にまで探索の足を伸ばして男性客の皆さんに迷惑そうな顔をされたのだが、その時は見つからなかったのだ。
夫に「何の本さがしてるの?」と聞かれて、「南朋さんの本が出たっていうから、どんな感じが、少しだけ見ようと思って」と答えたのだった。
後日、別の店で見つけて、興味があった父子対談のところはバッチリ立ち読み(←こらっ)したので、買わなくてもいいかもしれない…という気分になっていたのだが。

まあ、他のページは殆ど目を通してなかったし、くれるというなら喜んでいただこう。
と思って、「ありがとうheart01」と受け取ると、何故か夫はニッコリ笑って本を渡してくれた手を引っ込めず、今度は掌を上にして突き出すようにしたではないか。

「えっ…と…?」
「立て替えておいたから。」
「あー、そう……。」

頼んでないのになぁ…。
しかし、ボールをとってきて、褒めてもらいたくて仕方ない子犬のような目をされたら、邪険にはできない。
黙って代金を支払い、「よーーし、よーし。」とムツゴロウさんのように頭をなでてやったら、尻尾を振って喜んでいた…というのは途中からウソだけど。(爆)

さて、肝心の本については、ファンの方はとっくに熟読されているだろうし、私のような者が、今更紹介することもない。

大森南朋さんという俳優のお仕事ぶりが気になる、というレベルの人間(=私)が、ざっくりと目を通しての印象を挙げておく。


巻頭の写真には鷲津要素ゼロで、私は素通りだが、ファンの方は垂涎なのだろう。
これが鷲津の写真集だったら最低3冊は買うけれど…。

この方は、素の自分をメディアで晒すことは殆ど無い。
だから、本音や役者としての気構えみたいなものがチラリとのぞけるインタビューと親子対談が、とても興味深かった。

インタビューでは、時に飄々と、時に訥々と、はぐらかしたり核心を突いたりしているところが、映画『ハゲタカ』のコメンタリを彷彿とさせる。
しかし、なんといっても、父子3人の対談が楽しい。
父上・麿赤児さんの自由さにぶっ飛びつつ、南朋さんの意外な過去に軽く驚いたりしながら、笑いのツボを突かれまくり。
だが、対談の中で、私が最も強く反応したのは、麿赤児さんが「鷲津政彦」の名を口にされていたところであった。
なんだか無性に嬉しくなってしまったのである。
麿赤児という大きな役者に、鷲津政彦という人物が認められているような、虚実がごっちゃになっている喜び方である。
これも鷲津愛ゆえの反応らしい。(笑)


大森南朋さんという俳優さんの仕事ぶりに、ある作品(私の場合はハゲタカ)で瞠目し、以降、注目している…というような方であれば、一読されて損はないと思う。
なかなかお得な内容でっせ。(←なぜ似非関西弁?)

.。.:**:.。..。.:**:.。..。.:**:.。..。.:**:.。.

蛇足だが、この本をザッと読んだら、お気に入り俳優・堺雅人さんの著書

 文・堺雅人
 

  

を何回目かの再読をしたくなり、休日にじっくり読み直してしまった。

『TV Navi』誌に、.2004年12月~2009年1月に月に一回の頻度で全50回にわたって連載されたエッセイに、一部加筆したものだ。
超多忙の中、原稿を落としたことは一度も無かったそうだ。

毎回、一文字の漢字をテーマタイトルとして、進行中の仕事についての考えや思い出についてを中心に記されており、写真も添えられていてる。とっても素敵なheart02カラー写真も。
自筆原稿も忍ばせてある。
女子っぽい(笑)、愛らしく几帳面そうな字。味がある。

何度読んでも、堺さんの役へのアプローチの熱意と真摯さ、常に役者はどうあるべきか、演じるとはどういうことか、を探求し続けている姿勢、それでも決して“役者バカ”にならずに、様々なことについて多角的に考察する思考能力に、強く惹きつけられる。


堺さんが記しておられることを読んでいくと、堺さんは、五感で感応すること全てを役者としてのお仕事に繋げておられていることがわかる。
同時に、役者として経験される全てを、仕事の土台となる御自分自身にフィードバックされているのが、伝わってくるのだ。
しっかり地に足が付いていて、思考も行動も、自然と美しい軌跡を描いて廻っている。
その美しい軌跡の一端が、さらりと、かつ柔らかく品の良い文章として表現されているのだ。

実は、1年前に出版された直後に、この本を読んで、役者として、それ以前に人間として、品格ある佇まいが滲み出る堺さんの魅力に更に深く落ちたのであった。
時にはマニア'(オタク体質?)なレベルで苦労や努力をしても、どこか報われないところがあり(それは、彼が演じてきた役の多くにも通じるところがある)、そんな自分を面白がっている懐の広さも素晴らしい、と思う。

読むたびに、堺さんの文章家としてのセンスと力量に参ってしまう。
ちゃんと起承転結があって、平明で読みやすい文章と構成。
クスッと笑え、嫌みなく博識ぶりを滲ませ、柔軟に深く思索する過程が追える。
とても魅力あるエッセイだ。
堺さんのファンでない方にも、優れたエッセイとしてお勧めしたい。

こういう文章が書けたらいいなぁ~と憧れてしまうのだが、堺さんのように幅広いジャンルの本をたくさん読み、自ら進んで様々な体験をして、それらを自分の中に落とし込んで自分独自の言語に翻訳し、きちんと整理して引き出しに入れ、いつでも必要なものを出せるようにできるだけの容量と処理能力がなくてはダメなんだろう。
とほほ…。

堺雅人さんと大森南朋さんの本を読んで、感じたこと。
たぶん、あたり前のことなのだろうから、恥ずかしい気がするのだけれど、あえて書いてみると。

役者には、想像力と創造力、受容力と発信力、そして持久力と瞬発力が必要だいうことは素人にも理解できる。
そして、良い役者というのは、それらに加えて、役や作品世界に入り込む狂おしいまでの熱さと、自分を常に客観視できる徹底的な冷静さ、決して満足しない貪欲さと謙虚さ、更なる高みへの道を希求し続ける志を持っている人たちなのだ、ということがわかった。

お二人が火花を散らすような共演、見てみたい。

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コメント

こんばんわ。

南朋さんの本読まれたのですね。
これは大森南朋ファンブックなので鷲津及び
「ハゲタカ」好きの方は決定的に何かが違うwと思われる
でしょうね。

堺さんの本は読んでいないので比較はできませんが
美冬さんの感想を読むと
本を作る目的とスタンスの違いでしょうか。

あとは本人の持つ教養かなあと思ったり。

確かに2人がガチで共演するのを見てみたいかも。
「ゴールデンスランバー」では一緒に出てますが
共演とは言い難いですものね。

>locaさん

いらっしゃいませ~
コメントありがとうございます。


>>これは大森南朋ファンブックなので鷲津及び
「ハゲタカ」好きの方は決定的に何かが違うwと思われる
でしょうね。


そうなんです。
だからこそ、ますます役者・大森南朋さんの凄さを思い知った、というのが感想です。
そして、父上が最強ということですね。(笑)


堺さんの本は、ご本人の書かれたエッセイなので、.仰る通り、二冊の本の方向性は全く違うのですが、仕事に対しての考え方や人となりの一端も分かって、役者さんとしてのお二人に更に興味がわく、という点は共通しているように思えて、一緒に取り上げてみました。

いつか、がっぷり四つで共演していただきたいものですね。

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