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2010-09-02

アールヌーヴォーのポスター芸術展@松屋銀座

会期が短いので、私には珍しくサクッと行って来ました。


『アールヌーヴォーのポスター芸術展』
松屋銀座 8階 大催事場
2010年8月25日~9月6日

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週末、それも昼間の銀座は久しぶり♪

Dsc04979

浮かれ気分で、和光の時計台なぞ撮影してしまった。
銀座を買い占めようとしている赤いハゲタカ一味に見えたかもしれない…ということは絶対にないだろう。
単なるおのぼりさんの婆にしか見えなかったはず。(当然)



松屋開店の10時を少し過ぎたところで入店。
まだ店内はガラガラ。
すっかり秋色に染まっているフロアをエスカレーターで上がっていき、8階大催事場へ。
チケットを買い求めて入場すると、まずはミュシャの代表作『ジスモンダ』がお出迎え。
円柱形のパリの広告塔に合わた細長いポスターで、間近でみると随分と大きい。
迫力がある。

これは、展示されているポスター全体に言えることで、ポスターって大きいと説得力・訴求力が増すんだなぁ~などと、基本的なところで感動してしまった。


チェコ国立プラハ工芸美術館、及びチェコ国立モラヴィア・ギャラリーから130点が出品されていて、見ごたえ満点。
シェレ、ミュシャ、ロートレックなど、有名どころのポスターが揃っている。
シェレは躍動的で明るく、ミュシャは優美でロマンティック、ロートレックは挑発的で退廃的で、さすが魅力たっぷりだ。


しかし、私の今回の主なお目当ては、ウィーン分離派展のポスターなのだ。
昨秋、日本橋タカシマヤで開催された『クリムト、シーレ ウィーン世紀末美術展』を鑑賞した。

その時に観たクリムトやシーレの作品のインパクトが強烈だったので、今回の展覧会に行ってみようと思ったのだ。

ウイーン分離派展第1回のポスターは、クリムト自らの作。

Pos

 グスタフ・クリムト
 第1回 ウィーン分離派展1898年


これが2枚並んで展示されていたので、「んっ?」と目を凝らすと、「検閲前」と「検閲後」となっている。
ちなみに、上掲は検閲前ver.
ギリシャ神話の、英雄テセウスが牛頭の怪物ミノタウロスを倒す場面が描かれていて、ミノタウロスは旧態依然とした画壇、テセウスは分離派を表しているということらしい。(図録の解説より)
それを、分離派の象徴アテナが見守っている。
ギリシャ神話に題材を得た作品の、どこがまずかったのか?
要するに、テセウスの裸体があからさまというのが検閲にひっかかったとのこと。
正直、イマドキの人間には、目くじら立てるほどでもないんじゃ…という気がするのだが…。
検閲後の、実際に使用された版は、不自然に樹木を配置して問題の(?)箇所を隠してある。

分離派展のポスターは、いずれもデザイン性が高くてオシャレで、全部欲しい!と思ってしまった。
その中で異彩を放っていたのは、第49回のシーレの作品。
一番奥で正面を向いて座っているのがシーレ本人。
シーレは、この展覧会で高い評価を得たものの、同じ年にスペイン風邪で亡くなった。享年28歳。

Pos02

 エゴン・シーレ
 第49回ウィーン分離派展  1918年


分離派展も、有名作家たちの作品も見ごたえがあったが、意外にも私が最もひきつけられたのは、様々な商品や観光を宣伝するポスターを集めたコーナーだった。
産業革命以降、大量生産・大量消費の時代となり、消費者の目をひく為に、多様な商品や娯楽の魅惑的なポスターがパリの街に溢れたという。
また、モータリゼーションの発達に伴い、観光地や鉄道会社・船会社などもポスターで集客を狙った。
各社・各業界とも、力の入ったポスター制作をしていたと思われる、オシャレで魅力的なポスターばかり。
また、絵柄から、当時の市民生活の様子も想像できるのも楽しい。


シェレ風、ミュシャ風、ロートレック風があったり、東洋趣味のものがあるのは驚かないが、浮世絵風…というより、浮世絵を模写したようなものもあり、浮世絵の影響力に改めて驚いたりもした。


ポスターの中から、様々なタイプの美女が、時に元気よく時に気だるげに消費や旅行を誘ってくる。
一見、何の宣伝かわからないような、何かの物語の挿絵のようなポスターもある。
先に絵を観て、後から何のポスターか確認すると、「へえー」という感じで、かなり楽しめた。
そんな魅惑的な美女全員、お持ち帰りしたい。(オヤジか?)


華やかで情緒に訴えるようなアールヌーヴォーのポスターの後に、アールデコを代表する作家、カッサンドルの作品が展示されていて、ロマンティックな作品が多い会場で強烈に輝いていた。

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 カッサンドル
 寝台特急北極星号  1927年


パリとアムステルダムを結ぶ寝台特急の広告だが、列車は描かれていない。
クールでスタイリッシュなカッサンドルの作風は、現代的だ。
この人は、ポスター作家というよりグラフィックデザイナーだものね。
かっこいいなぁ。これも、欲しい。


ポスター以外にも、当時のドレスや装飾品が展示されている。
華麗で精緻な刺繍やビーズで飾られた美しいドレスは、いくら観ても飽きない。
こんな時は女の子な私である。
なお、この展示は東京会場限定だそうだ。


展示最後近くに映像コーナーがあり、円楽師匠のナレーションで、大都市パリを彩った名作ポスターを紹介してくれる。
これも、分りやすくて宜しかった。

会場出口で、即断即決で図録を購入。
なぜなら、この図録が画期的なのだ。
作品部分は厚手の紙に印刷されており、冊子から外せるようになっている。
ミニポスターとして飾って楽しんだ後は、再び冊子に挟みこめる。
そして、透明のケースに入っているので、外したページが落ちることもない。
こうして、欲しいポスターを全部お持ち帰り♪(違)
上手く撮影てぎなかったので、画像が無くてすみません。

その目的を思えば、ポスター作品は、消費されるための短命な芸術、一瞬の華やかさを見せる花火のような芸術だ。
それが、こうして後の世の人間をも強くひきつける芸術となっている。
それだけの力のある作品ばかりだった。
そして、消費生活を担うデパートで開催された事にも意義があるのかもしれない…と思いつつ図録を手に会場を出た。

デパートの催事と思って侮るなかれ。
かなりの充実ぶりで、大満足。
お薦めです。

さて、私のお気に入りの美女(美少女)は、この2人。
王道ですけどね。(笑)

Jpb

 アルフォンソ・ミュシャ
 ジョブ  1896年

「JOB」はタバコの巻紙の広告
アンニュイな美女。
生き物のような髪と紫煙。
うーん、色っぽい。

Cat

 テオフィル・スタンラン
 ヴァンシャンヌの殺菌牛乳  1894年


鮮度が落ちやすい牛乳は輸送中に腐敗するため、都会のパリでは飲めなかったのだが、低温殺菌方法の確立により、パリでも牛乳が飲めるようになったとのこと。
お子様にも安心な牛乳、ということですね。
女の子も猫もとってもカワイイ。
ちなみに、モデルはスタンランの娘コレットと愛猫たちだそうだ。

「やっぱり牛乳は低温殺菌に限りますなぁ。」(by 野原しんのすけ)

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