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2010年10月

2010-10-31

『バルビゾンからの贈り物』@府中市美術館

過日の記事(府中の森1で見つけた小さな秋♪)で触れたように、府中市美術館に行ってきました。
ちょっと時間が経ってしまったけれど、とりあえず、簡単な感想を。
 

Fuchu


府中市美術館開館10周年記念展
バルビゾンからの贈り物~至高なる風景の輝き

 府中市美術館
 開催期間  2010年9月17日~11月23日
 


同美術館創立10周年を記念しての展覧会。
日本の「洋画」の草創期の作家たちが大きな影響を受けたバルビゾン派の作品と、明治から昭和の日本人画家たちの風景画を、その影響がわかるように展示してある。

どちらかと言えば、地味で静かなテーマの展覧会なのだけれど、それだけに美術館スタッフの企画・プレゼンの力のこもり方や工夫がわかって、とても好感が持てる素敵な展示でした。
一枚ずつに、丁寧で詳細な説明文が添えて展示してあるのも嬉しい。

このところ、東京都庭園美術館×有元利夫の幸福な一体感、サントリー美術館×鍋島の多角的なプレゼンテーションの素晴らしさで、美術館と展示作品とテーマの相性や美術館の企画力・プレゼン力について感嘆することが続いたのですが、今回も府中の森公園内の美術館でのこの美術展、本当に良くマッチしているし、構成も分かりやすいように考えられている企画・展示だと思いました。


自館所蔵作品の他、国内外から多数の逸品の貸与を受けて、とても充実した内容でした。
クールベ、コロー、ミレー、テオドール・ルソーらや、印象派のルノワール、モネ、ピサロ等のビッグネームの作品をじっくり楽しむことができるほか、村山 槐多など、「この人の作品とここで会えたか!」という作家の作品との嬉しい驚きを伴う出会いもありました。
武蔵野の森の面影濃い府中の森公園にある府中市美術館で開催される意義が良くわかる、滋味あふれる良い展覧会だと思います。
風景画がお好きな方には、特にお薦めです。
そして、鑑賞前後には、府中の森公園を散策していただければ、作品と公園の木立や小道がリンクして感じられ、感動もひとしお。


私は特に夕景の絵に心惹かれました。
例えば、この一枚。

Yuichi

  高橋由一 「芝浦夕陽」 1877年(金刀比羅宮蔵)


かつて、東京の芝浦でこんな夕景が観られたのか、という驚きと、夕陽の色の温かみある美しさと、近景の小舟から想像される漁民の暮らしに心動かされながら、しばし見つめていました。
ちょっと哀愁もあるような。

風景画の醍醐味は、自然の描写だけでなく、そこに込められた情感に触れて共感する、というところにある、というのが私の勝手な解釈。
その醍醐味を味わえた作品でした。


それから、ちょっと嬉しいサプライズだったのが、こちら。

Yaju

 高島野十郎 「霧と煙のニューヨーク」1930年 (府中市美術館蔵)

いやー、高島野十郎を観られるなんて、予想していなかったので、ちょっと驚いてしまい、何度も作者名を顔を近づけてガン見してしまいました。
タイトルといい、なんだか渋い映画の一場面みたい。(笑)

私か訪れた日は、さほど混んでいなくて、一枚一枚をじっくりと鑑賞できて、更に気になった作品は戻って再度観ることもできたし、更には公園で緑も満喫できたし、大満足の半日でした。


同美術館を訪れるのは初めてでしたので、美術館自体についての感想も。
開館の1時間以上前に府中の森公園に出かけて、朝の散歩を楽しんだ後に入館。
広く取った窓から外光がたっぷり差しこみ、公園の緑が目を癒す、とても素敵な美術館でした。

1階ではワークショップや市民展覧会が開催されていたり、新進気鋭のアーティストの公開制作用のガラス張りのアトリエがあったりと、美術教育・普及を担う府中市のアートセンターの役割も果たしているのがわかります。
こんな素敵な場があるなんて、府中市に移住したい~~!


2階が企画展・常設展の会場。
1階カウンターでチケットを買い求めると、チケットの半券が栞として利用できると一言添えて渡して下さいました。
チケットの上部に小さな穴が開いており、カウンターの上には、その穴に通すためのリボンが配布用として籠に入れて置いてありました。
素敵なサービスです。
鑑賞を終えて1階に下りる階段前には、帰りのバスの停留所の位置を分かりやすく示した地図も用意してあって、なんて親切なんだ!


ロケーションやスタッフの皆さんの対応も含めて、気持ち良く過ごせる、魅力あふれる美術館でした。
また訪問したいと心に決めて、府中駅に向かう「ちゅうバス」に乗ったのでした。

撮影快調『天国からのエール』

相変わらず熱っぽくて、体調不良。
なのに、気晴らしがてらに、雨の中、電車に乗って買い物に出かけたりしてしまった。
だから、なかなかスッキリ回復しないのだが…。

昨年、インフルエンザの予防接種を受けた時にも、当日と翌日は微熱が出て頭痛がしたのだけれど、今年は、頭痛は軽いが背中に鈍痛が…。
歳をとって、季節の変わり目に体調を崩しやすくなったせいもあるかな。
いや、毎晩3時間くらいしか寝ていない生活が続いているからだ、というのは分かっているのだが。
だけど、自分の時間をまとめて取れない境遇だと、どうしても家族が就寝したあと、午前零時くらいからしか本を読んだりネット遊びしたりブログの下書きを書いたりがてきないのでね。
睡眠時間を減らして遊んでるわけだ。
最近は開き直って、「不良不健康ババア」と自称している。

そんな感じで、心身がdownwardrightしている私を励ましてくれるのは…。


2011年公開予定の映画『天国からのエール』のニュース

http://www.cinemacafe.net/news/cgi/release/2010/10/9296/


もう10日ほど前のニュースだけど、何度見ても、エプロン姿の阿部ちゃんの笑顔に励まされるわぁheart01

なんて書きつつ、実は『死刑台のエレベーター』は未見な私。 
オリジナルが名作なだけに、躊躇しているうちに、時間が過ぎちゃって。
狭いエレベーターに大きい阿部ちゃんが閉じ込められるっていうのは、かなりツボな気がするのだけど。(笑)
そんなレベルだから、ファンじゃなくて「お気に入り」とか「ひいき」とか称しているのである。

まっ、阿部ちゃんとは細く長くの付き合いで行きたいと思います。bleah

2010-10-30

『龍馬伝』第43回「船中八策」~第三の男×2

第43回の感想、断片的に書いてあったのだけれど、うまくつながらなくて。
気づいたら、もう土曜になっちゃったよ。
『十三人の刺客』みたいな濃厚本格時代劇映画を観た後だったので、『龍馬伝』が薄く感じてしまったのかな。
それに、インフルエン゛サの予防接種を受けたら、風邪のひき始めみたいな症状が出て、微熱が続いて体調がすこぶる悪いし…とか書いていたら、山崎努さんにジロリと睨まれて、「シンプルに言え。」と怒られそうだ……sweat01


てなわけで、まとめるのはあきらめて、断片を並べるだけにしておく。
…でも、結局いつもと変わらないな。(笑)



いよいよ最終回に近づいているぞ……と実感させられた回だった。
第一回から欠かさず観てきた(そして文句大目の雑感を書いてきた)者としては、ついにここまで来たか…と、感慨深い。
とか言って、『坂の上の雲』カウントダウンなんか貼り付けてる情の薄い私でもある。(笑)


今回は「船中八策」という、徳川幕藩体制を終わらせた後の国の仕組みの構想を龍馬が後藤と中岡に語るの巻…だった。
(要約しすぎ。)
面白かった、というのとは違うが、良くまとまっていた。(何様)


「船中八策」というのは、今風に言えば、アフター徳川体制の基本方針・基本理念を八か条にまとめたもの。
こういう観念的なことを、ドラマの中で説明するのって難しいと思う。
どうしても説明台詞が中心になってしまうだろうし、場合によってはテロップ等で補足したりするから、歴史バラエティの中の安い再現ドラマみたいになる危険性が高そうだと危惧していた。
しかし、『龍馬伝』では、これまで主人公・龍馬が、様々な人たちと交流して学んで来たこと、受け継いだ志の集大成+龍馬が第1回から信念として掲げてきた「憎しみからは何も生まれない」という三島由香の名セリフ…じゃなかった、母上の教えから生まれた八ヶ条、ということにしていて、分かりやすく、かつ感情にも訴えるようにまとめてあった。
なるほど、フクダセンセは、こういうところは巧みでいらっさるなー、と感心したぜよ。
それとも演出/編集の腕によるもの?


中岡に説明してくいシーンは、ある意味、第1部からのダイジェストにもなっていて、まるで走馬灯のようじゃござんせんか。
「いよいよまとめに入ったな…」という気分になった。
薩長同盟みたいに、龍馬が一人で考えたぜよ、というふうには流石にしていなくて宜しかった。
出演時間は短くても印象深い、闘魂抽入・吉田松陰先生や、猫屋敷の絵師・河田小龍先生のお名前も出て、嬉しかった。
でもなー、武市先生については、東洋様はその能力を認めてなかったはずだけんど?無理やり東洋様とセットにしてないか?と、ちっくと首をひねったが。
武市さんの名前を安易に出すなや!なんて思ってしまうのは、私がひねくれているせいだろう。
龍馬が武市さんのことを大切に思っていてくれると素直に喜んでおこう。
だって、龍馬最後の日まで5カ月だものね。

思想・観念的な硬い題材が中心になっている回なので、動きを出すために、新選組と立ち回りさせたり、二枚目四十代男子たちに筋肉を披露させて相撲とらせたりしたのかしら…なんていうことも思ったり。


しかし、登場のたびに、中岡慎太郎の存在意義って…と思ってしまうような扱いだな。
相撲とりながらの、あのやり取り。
船中八策を読みながらの、あの龍馬大絶賛ぶり。
うーーん、どうでしょう。
鈴木CPは中慎は龍馬のライバル、と仰ったが、ライバルというには地位が違いすぎるな…。

都合の良い男にされてる気がするぞ。
なんちゅうか、単純でアツイ男にされてる気がね、するんですな。
せっかく上川さんが演じているのに勿体ないっていうか。
あら、また文句になってしまった。すみませんね。




では、その他、印象に残ったこと。




龍馬からの手紙に「はいheart04」とか「京女に京土産買うてどないするの…。」(←不正確)とか反応するお龍さん、めっちゃカワイイ~♪
『SPEC』第3回の京女の托鉢僧じゃないけど、京女っていいっすね!
(完全にオヤジ化。)
微笑んだ後、寂しげな表情になるのも、女っぽいっす…。
龍馬にだけは、はんなり京女なお龍さんなのね。


四侯会議。
久々に私のお気に入り・松平春嶽さまがご登場heart04
相変わらず渋くて素敵。
春嶽様が映らないかということに気が向いてしまって、マユナシも虫歯容堂公も、私には薄く感じられてしまった。
いかんいかんいかんいかーーーん!!


後藤様のお買い物moneybag
弥太郎に黙って、銃器や船を購入って…。
つまり、象ちゃんたら、龍馬と共に大政奉還を推し進めると同時に、すでに武力倒幕に転ぶ場合の準備も密かに考えていたってこと?
切れ者で喰えないやつだから、ありえるね。
いや、情勢が激動する幕末は、二枚腰、三枚腰の喰えないヤツじゃないと生き残れないから、藩の政を預かる参政としては当然か。


スリーダイヤの始まり。
グラバーに教えを乞い、カンパニーのトップになっちゃる!と鼻息も荒い弥太郎。
資本主義のなんたるか、を実地で学んでいくことになるわけですね。
金儲けのためなら戦になってもいいのか? ってのは気になるが。
弥太郎もまた、新たな日本の仕組みを彼のやり方で創り上げる一人となっていく、ということだろう。
グラバーさんが熱く語る場面も、なかなか良かった。
ティムさん、すっかりグラバーになりきってますよ。


ペコちゃん後藤と子犬陸奥。
京へ上る夕顔丸の船上で、後に「船中八策」と呼ばれる文書(の下書き)を書いている龍馬のもとに、転がるようにやってくる陸奥くん。
相変わらず、龍馬の前でては子犬ちゃんだ。
キラキラお目目で一生懸命に龍馬を見つめて、「ねっねっ、ボク頑張ってるよーーボクのこと構ってー!」という顔をしてるんだもん。
キュンキュンいっている陸奥を適当にあしらって、龍馬が甲板に走っていき、後藤に船中八策草稿を見せるんだが。
書面を読んでいる後藤の顔つきが凄い。
目をカッと見開いて、ペコちゃんみたいに舌を出しとる。

この文書に凄い勢いで集中して、内容を素早く評価しつつ、これを書いた龍馬の先進性に驚きもしている。
後藤の頭脳と感情が高速稼働中って感じの表情と動き。
ムネムネ、すけーよ。
それに、またモミアゲ伸びてるし、顔が大きくなってるし…。
青木さん、クランクアップ後に元のスリムな二枚目に戻すの大変そう…。
いや、人様の心配するより自分の増量分をなんとかせいっちゅうセルフ突っ込みしてしまいますけどsweat02
それはともかく。


一心不乱に読み終えると、龍馬に「もっとキレイな字で書き直さんと、大殿様には見せられん。」と言うのだ。
この、ちょっと持って回った言い方が、後藤の性格と心情を表していて、よろしい。(笑)
決して、「サカモト、おめーすげーな!」とは言わんのだ。
ほんと、象ちゃんらしい。
そして、船室にかけ戻る龍馬を見送る表情は複雑だ。
「こいつ、トンデモないことを考えやがる。」とでも思っているのか。
で、龍馬の後を尻尾振ってついていく行く、キラキラお目目な陸奥くん…。

ところが、せっかく都に来たのに、後藤を呼び寄せた容堂公が、土佐に帰っちゃったっていうのだ。
後藤も龍馬も、言葉もない。
ここでの両者それぞれの表現が、また良かった。
座敷に踏み込み、カッと空中を睨む 後藤。
しずかに瞑目する龍馬。
やはり、怒鳴ってばかりの頃より、二人ともオトナ(当たり前)で深みがある。


がっくりきたところで、陸奥くんに促されて、海援隊京都支店のオフィス「酢屋」を観に行くことに。
お酢の醸造元でもお酢を商っているお店でもなく、材木問屋なんですと。

お尋ね者の龍馬は、木戸さん直伝のコスプレ(違)で陸奥くんと一緒に京の町に出る。
二人とも意外と似合う(笑)
しかし、桂小五郎ほど役に成りきれていなかったらしく(爆)、あっさり通りすがりの新選組に発見されてしまうのよ。
てか、なんどすか、通りすがりの新選組って。
相変わらず、また新選組3トップが揃って市中見回りしてますし。
『龍馬伝』では記号みたいな存在だから仕方ないけんど…。
うーーん、相変わらずヴィジュアルは格好良いのだが、何気に弱い。
でも、龍馬に「近藤さん、もう止めませんか。」とか言われて、近藤局長が「おまえを斬るのが俺の仕事だ!」という一言は格好良かった。
近藤さんびいきの私としては、ちっくと嬉しかったけど、龍馬暗殺犯候補ってわかりやすくするために、ストーリー的に必要ないけど出したのかな?
『新選組!』では、暗殺直後に駆けつけた近藤たちの行動を、うまく「新選組犯人説」の証拠とすりあわせて説明をつけていて、さすが幕末ラヴのミタニンだったけど、さて幕末愛が薄そうな脚本の『龍馬伝』では、暗殺現場の描写はどうなるんでしょ。
脚本はともかく、大友さんの演出が楽しみですよ。


薩土盟約の場面。
龍馬が言うところの、「土佐と薩摩の知恵比べ」、いったいどっちが勝ったのか?
まずは、両者が「褒め殺し」作戦で、様子をうかがう。(笑)
続いて、象ちゃんの先制パンチ。
「戦いうがは、するぞするぞと脅しをかけて、最後まで一本の矢も放つことのう相手を降参させる。それが見事な勝利いうもんですろう。」決まった!
しかーし。
腹黒い老獪な薩摩勢は、大政奉還と武力討幕のどちらにも足を掛ける作戦。
なんか、薩摩のほうが一枚上手かも?
西郷どんの「大政奉還にのっても良い」の発言に対する、小松様と中岡慎ちゃんの「えっ聞いてないよ!」な表情が気の毒。
それにしても、『龍馬伝』における薩摩の描かれ方は、やっぱり気の毒だ。

えーーと、話の流れが行ったり来たりですみません。
熱で頭がぼーっとしてるので、許してつかあさい。

それから今回は、第3の男が登場しましたな。
薩摩の第三の男、大久保ミッチー。
違和感なく、溶け込んでましたね。さすが。
しかし、汗ばんでたり怒鳴ったりって、ミッチーのイメージに無かったので、不思議な感じだった。
でも、ミッチーの魅力あふれる怜悧そうな鋭い目線とか、たくらみ系のキャラで、ブラック風味な感じが良かったです。


そして、もう一人の第三の男は、藤吉。
この人が出てきて、「ああ、いよいよか…」と思っちゃった。
皆さんご存知だろうし、史実だからネタバレにはならないけど、念のためぼかして書いておきますが、この人は最終回で第3の男になる予定ですよね?
せっかくちゃんこ番という設定なんだから、龍馬たちが相撲で筋肉をサービスするシーンよりも、藤吉がおいしそうなちゃんこ鍋を作る場面を映してくれたほうが、私は嬉しかった。(食欲ありすぎ。)
『鬼平犯科帳』とか『剣客商売』みたいに、食通キャラが解説したりして。

2010-10-28

『龍馬伝』~暗殺実行犯はマシャ兄のファンで弥太郎の血縁者。

皆さま、すでにご存知かと思います。

『龍馬伝』公式ホームページで本日、公表されましたね。



龍馬暗殺実行犯・京都見廻組の今井信郎を演じるのは、 
市川亀治郎さん


詳細⇒ http://www9.nhk.or.jp/ryomaden/news/cast/index.html



『風林火山』での武田信玄以来、NHKとは密な関係を保っていらっしゃいますね。

亀治郎さんの談話によれば、福山さんの大ファンだそうです。
福山さんは、本当に男性ファンが多いんですよねー。
同性に好かれる男こそ、男の中の男、と言います。
さすが、福山龍馬。


従兄の香川照之さんとも初共演だそうで、これも楽しみです。
亀治郎さんも香川さんに負けじと意欲的にお仕事の幅を広げていらっしゃいますが、私はやっぱり時代劇の亀治郎さんが良いと思っています…。



おまけ。
鈴木CPが「今井はラスト・サムライ」とか仰ってますけども…。
映画『十三人の刺客』みたいな本格時代劇で、滅びゆくサムライの哀しき美学っていうものを見せつけられた後なんでねえ。
ふうん、あっそー、ってかんじです。

2010-10-26

身の丈に合った多角化なのか?

最近、どうでもいいことなのに、なぜかヒジョーに気になることがある。


私の住居は最寄駅から少し離れている。
徒歩で20分くらいなので、朝は歩いて行くのだが、帰路は夕食の材料とか日用品などの買い物をして荷物が増えるので、バスに5分ほど乗る。

で、何がそんなに気になるのかと言えば、バスが駅前から発車する時に決まって流れる車内広告放送の内容が、気になって仕方ないのだ。
内容が間違っているとか、一発ギャグとか、そういうことではない。

 
私が気になっている放送の広告主は、駅の近くにある印鑑・印刷物の作製・販売をするお店。
フランチャイズ制をとっている印鑑・印刷ビジネスの会社の店舗である。
フランチャイズなので、ある程度はオーナーさんの自由に業務展開しても良いらしい。


で、以前の放送では

「ハンコ、スタンプを豊富に取りそろえております。名刺やチラシ・パンフレットなどの印刷もお任せ下さい!」

みたいなことを言っていたのだが、最近、ふと気付くと内容に変化が。

「……名刺やチラシ・パンフレットなどの印刷のほか、
合鍵、金・プラチナの買い取りも お任せ下さい!」


……業務内容が急に増えてますけど。
つーか、金・プラチナの買い取りって…。
異業種参入も甚だしくね?
大丈夫か!?
本当に「お任せ」しても、ええのんか?(←なぜか似非関西弁)

とか、毎晩、バスの中で心配になっとるわけですよ。

私は、このお店の関係者でもなんでもない。
お店に入ったことすらない。
なのに、なぜに気になるのか。


恐らく、『ハゲタカ』のせいだろうな。
鷲津政彦は、身の丈に合わない多角化をする経営者に対してビショーに厳しい。

例えば。
映画では、梅干し料亭会談でアカマの古谷社長が「トータル・ソフト産業…」云々抜かしたら、内心で「こいつダメ」だと瞬殺したらしく、前かがみになってしばし沈思黙考した後、悪そうな(私の主観/笑)必殺の上目遣いで
「お引き受けしましょう。」
に至るわけですよ。
つまり、私の勝手な推測では、鷲津は初対面で既にアカマの経営者の入れ替えありきでホワイトナイトを
「お引き受けしましょう。」だったわけ。
そういうこっちゃ。

ドラマの、西乃屋の件でも、サンデー・トイズの件でも同様。
大空電機だって、肥大化の弊害で“大男、総身に知恵が回りかね”状態に陥っていたわけだし。
基幹事業にあるべき軸足がフラフラとあちこちにブレるような、きちんとした戦略無き多角化には容赦なく喝!を入れる鷲津なのである。

そんな鷲津の影響により(こじつけ?)無謀な経営多角化には、ちと敏感な私。
突如として、ハンコ・名刺ビジネスから手を広げてしまった地元のお店の今後が気になっている今日この頃だ。
(規模が小さい話だが…。)


ド素人の婆さんから、要らぬ心配をされているとは、お店のオーナーさんは夢にも思っていないだろう。(笑)

2010-10-25

映画『十三人の刺客』

映画『十三人の刺客』を観て来ました。

公式サイト⇒ http://13assassins.jp/index.html

観たいと思いつつ、なかなか時間を取れなくて、気づいたら10月下旬。
封切りから一カ月になろうという時期だ。
こりゃまずい。

「終わってしまうぞ!!」 by アカマ自動車社長・古谷隆史

と慌てて、この週末に地元シネコンにて鑑賞して参りました


で、上映前の予告に反応。
『武士の家計簿』の予告は、本編映像なし、つまり堺雅人さんが映っていないので少しガッカリ。
『最後の忠臣蔵』の予告で、『十三人の刺客』でも主演の役所さんが登場。
いやー、本当にお忙しい。
斬って斬って斬りまくったり、黒木メイサに必然性を熱く説いたり。
というくだらないネタは置いといて。

内容】
片岡千恵蔵主演、工藤栄一監督による集団抗争時代劇の傑作を役所広司主演、三池崇史監督でリメイク。江戸時代末期、罪なき民衆に不条理な殺戮を繰り返していた明石藩主・松平斉韶の暴政を訴えるため明石藩江戸家老・間宮が切腹自害する。この事件を受け、幕府内では極秘裏に斉韶暗殺が画策され、御目付役・島田新左衛門(役所)がその命を受ける。新左衛門は早速刺客集めにとりかかるが、彼の前に斉韶の腹心・鬼頭半兵衛が立ちはだかる。斉韶に稲垣吾郎、鬼頭に市村正親のほか、山田孝之、伊勢谷友介ら豪華俳優陣が集結。
(映画.comより)


この作品についての世の中の評判はどうなのか、実は未だ知らないのだけれど、自分としては観て損はなかった、と思えた。
ツッコミどころは幾つもあったけれど、テンポや勢いでさほど気にならなかった。
暴力シーンや下ネタもあったが、そういうのが苦手な私でも、なんとか許容範囲だった。
ただし、物語の「そもそも」に必要なので仕方ないのだけれど、目を覆いたくなる残虐なシーンが幾つもある。
正直、「ここまでやらなくても、殿様の残忍さは表現できるんじゃ…」と弱虫の私なんぞは思ってしまうような場面も、一つや二つではなかった。
冷血非道な悪役に果敢に挑んだ稲垣吾郎さんの熱心なファンの方々にとっては、踏み絵的な作品かも…と思える箇所も多々あった。
そういうシーンは観たくない、不快そうだ、と思われる方は避けた方が良いかもしれない。


ここからは、ネタバレと、微量ではありますが、肯定的でない意見も含みますので、折りたたんでおきます。
公開から約1か月経過しているし、かなり粗い感想ではありますが、ま、念のため。
ネタバレも文句(ぬるいけど…)も大丈夫、という方は駄文・長文をお覚悟の上(苦笑)、先へどうぞ。

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2010-10-23

『スコラ 坂本龍一 音楽の学校 特別講座』間もなくスタート

最近、物忘れが加速度的にひどくなっているので、備忘録を兼ねて記事としてあげておく。
メモを兼ねているので、ざっくりしてます。(いつもですけど…)


今年の4~6月に、NHK教育テレビで12回にわたって放送された

『スコラ 坂本龍一 音楽の学校』
 (番組HP⇒ http://www.nhk.or.jp/schola/ )


の特別講座が、今度の日曜日から教育テレビで放送される。




白熱教室JAPAN
スコラ 坂本龍一 音楽の学校 特別講座


 NHK教育
  10/24(日)・10/31(日)・11/7(日)・11/14(日)
   いずれも 18:00~18:58 


春の本放送の内容などについては、上記の番組HPをご参照いただきたい。

今回の特別講座の第2回~第4回は、春の放送を編集したものではないかと思われる。

ブログで話題にしなかったが、私はこの番組を初回放送+再放送で一通り観た。
(初回放送時、「J.S.バッハ編」は見逃してしまった。)
勿体無いことに、録画していなかったので、今回、コンパクトに補講(笑)を受けられるのは嬉しい。

特に楽しみなのは、7月に京都造形芸術大学で行われた公開講座の様子をまとめた第1回。
 詳細は⇒ http://www.nhk.or.jp/fm-blog/200/63132.html



本放送の講義内容は、音楽に詳しい方にとっては初歩的な歴史や理論を中心とした内容だったけれど、私は音楽についても、本当に何も知らなかったり、殆ど忘れているような人間なので、とても興味深く楽しく学べた。
それに、教授(坂本氏)やゲストの皆様の知性溢れるナイスな枯れっぷりが魅力的だという、オヤジスキー視点の楽しみもあった。(笑)

特に、YMO+ピーター・バラカン氏という豪華ラインナップの「ドラム&ベース編」には、見事にやられた。
自在な即興演奏を交えつつ、静かに分りやすく説明してくださり、まさに達人。
渋くてスタイリッシュな、進化し続ける超一流オジサマの魅力がダダ漏れだった。

細野f晴臣さんと高橋幸弘さんが、それぞれに影響を受けた先達の演奏について実演を交えて(教授も加わり、自然にセッションぽくなるところが、またカッコイイ!)語ったパートや、細野さんがミュージシャンの「老人力」について味わい深く語るところなんて、本当に素敵だったwink


坂本龍一“教授”によるスタジオでの講義で、学ぶ喜びを味わえたし、豪華メンバーによるスタジオライヴが楽しめる贅沢さも堪能できた。
教授が、母校の小学生に“音を楽しむ”ことを、体感させながら伝えていくワークショップの様子も素晴らしかった。


特別講座も、期待している。

…うーむ、日曜夜は『龍馬伝』もあるし、忙しい……sweat01

2010-10-20

エンケン、オフ会デビューを語る。

エンケンとは、俳優の遠藤憲一さんのことである。

『ハゲタカ』ファンには、アカマ自動車の古谷社長でおなじみだ。

現在、朝の連続テレビ小説『てっぱん』でヒロインの父を演じているのをはじめ、テレビドラマ、映画、舞台、そしてCM等のナレーションにひっぱりだこだ。
長身で眼ヂカラのあるコワモテなので、かつては、そのスジの方とか刑事など、厳つい役が多かったようだが、今や“良いお父さん”役も増えている。

阿部寛さんと共演した『白い春』では、血の繋がらない娘に深い愛情を注ぐ実直なパン屋さんがとっても良かった。
阿部ちゃんとの大男ツーショットだと、画面に圧迫感があったが。(笑)

とはいえ、『ハゲタカ』以降に増えたと察する大企業の社長や役員、そして警察幹部などなど、怖い顔(…ごめんなさい)と威圧感を生かした役どころの印象が強い。
昨秋の『外事警察』での、警察庁警備課理事官・倉田は、とにかく見た目も醸し出すものも怖かった。
異常に(笑)暗いオフィスで、思わせぶりに座っているだけで怖かった。
主人公・住本に向ける冷たく威嚇するような微笑なんて、背筋が凍ったほどだ。
しかし、怖いだけではない人だということが終盤に分るのだが。
…『外事警察』の話はこのへんで止めておこう。(笑)




さて、そんなコワモテのエンケンのもう一つの顔を見る機会があった。


『わんにゃん茶館(カフェ)』
http://www.nhk.or.jp/wannyan/index.html 

NHK BS-2
  毎週 火曜日 20:00~ (再放送あり)



に昨日(10/19)ご出演されたのを拝見したのである。

『てっぱん』のプロモーションなのだろう。
大変だなあ。

この番組の宣伝スポットは目にしたことはあるが、実際に観たのは初めて。
タイトルから想像できるとおり、ゲストがご自慢の愛犬・愛猫を伴って出演し、MCの黒田知永子さんや青井アナと、“うちの子”談義に花を咲かせるという、トークを中心とした番組だ。
黒田さんがカフェの店長で、青井アナがアルバイト店員という設定らしい。
美しくセレブ感あふれるマダム黒田にお仕えする頼りない草食系男子の青井くん、のように見えなくもない(笑)構図は、番組のターゲットである、ペットを愛でる優雅な主婦層を狙ったものだろうか。
とか、余計なことを考える私は、完全にターゲットから外れているのである。(笑)

ペット好きが集うカフェという設定なので、お洒落でありつつ温かみがあるイメージでまとめたセット。
そんなラブリーなカフェに、愛犬を伴って現れたエンケン氏。
……若干、浮いている…気がする…ような…。

番組のお約束だそうなのだが、まずはお好みのドリンクを注文。
意外や、「甘酸っぱいheart01飲み物」をご所望に。
エンケンの口から、甘酸っぱいという単語が出る…このギャップ。

リクエストに応じて出されたのが、「ハイビカス・サンライズ」なる美しくておいしそうななアイスティ。
見た目もオシャレなドリンクを、ややぎごちなくストローで飲むエンケン…。

「お酒も甘酸っぱいものが好きなんです♪」という発言に、
「まさか、甘いカクテルとか言わないだろうな…」とドキドキしていたら、「レモンサワーとか」とのことで、ホッとした。(なんで?)

さて、居心地よさそうなソファに収まったエンケン氏のお供は、愛犬・まめちゃんとエレキくん。

エンケンの愛犬というから、ドーベルマンなんかを想像してしまうが、白くてフワフワでお目目くりくりのマルチーズですよ!
両手に小さなマルチーズを抱きかかえて満面の笑みを浮かべたエンケン。
ちょっと怖いかも…。

犬が苦手だったというエンケン氏が犬を飼うようになったいきさつの愛妻話からはじまり、様々なエピソードを語る表情、合間にまめちゃん(エレキくんは早々に付き添って来られた奥様のところへ行ってしまって、フレームアウトbleah)をいとおしげに撫でる手が、とっても優しい。


さて、奥様のご希望で2匹と同居し始めたエンケン。
ある日、奥様から
オフ会に行くから付いてきて」と頼まれ、なんのことか不明なまま、愛犬たちとともに車に乗って、とある公園へ。
促されるまま下車すると、あっという間にマルチーズを連れた人々が集合してきたというのである。
呆然としていると、「あ、まめちゃんとエレキくんのお父さんですね!」と次々と声を掛けられたというのだ。
「いや、俺、お父さんじゃないし…」と思いつつ、何が何だわからず、ボーツとしていたという。

これは、奥様がネット上で交流されているマルチーズのオーナーさんたちの「オフ会」で、初対面の方ばかりだったそうだ。

なるほどー、どんなジャンルにも「オフ会」というものがあるんだなぁ…と、妙なことに感心した私である。


7匹の子犬を出産したまめちゃんを労い、老境に入ったまめちゃんたちに、一年でも長生きして欲しいと語るエンケン氏。

【わんにゃんキッチン】というコーナーでは、嬉しそうに鉄板(ここでも宣伝だhappy02)で犬用のパンケーキ「てっぱんケーキ」(←オヤジギャグ?)を焼いて、笑顔全開で甲斐甲斐しく2匹の口元へ運ぶ。


奥様と小さな“家族”達のことを目元を和ませて語るエンケンの厳つい顔は、愛情深い「お父さん」そのものだった。



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再放送がありますので、ご興味のある方は、ぜひどうぞ。
上記記事では触れなかった遠藤憲一さんの愛犬エピソードや、他のコーナーも楽しめると思います。

 10/20(本日) 23:45~
 10/25(月)   9:00~




遠藤憲一さんご出演回の放送内容概略
 ⇒ http://www.nhk.or.jp/wannyan/schedule/index101019.html

dog可愛い愛犬を抱いて満面の笑みのエンケン氏の写真と、ドリンクのレシピ、わんちゃんたちに振舞われたおやつのレシピも掲載されてます。

2010-10-19

府中の森で見つけた小さな秋♪

週末に、府中市美術館で開催中の『バルビゾンからの贈り物展』に行って来た。
ぐずぐずしているうちに、美術展の感想を幾つも溜めこんでしまっているのだが、今度こそ早めにアップしなくては…。
ということで、展覧会の感想はまた後日sweat01
評判通り、滋味あふれる良い企画であった。

そして、たっぷりと様々な美術展のチラシも頂戴して来てしまった。
あれも行きたい、これも観たい…で悩んでいる。
今秋はきたい、行かねばならない展覧会が多すぎて困るなぁ。



さて、府中市美術館があるのは、広大な府中の森公園内。
せっかくの秋晴れの天気予報に、美術館開館前に公園で朝の散歩を楽しんでから美術鑑賞と行こうじゃないか!と前夜に決めて、朝早く張り切って出かけた。

京王線府中駅から30分ごとに出でいる府中市のコミュニティバス「ちゅうばす」に乗っていくのが便利。


早めに駅に到着したので、バスの発車時間まで近くの大国魂神社に足を延ばしてお参り。
広い境内には大きな樹木が生い茂り、静かでいい雰囲気。
なんと、御鎮座1900年だそうですよ!

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可愛い「ちゅうバス」は、全区間100円。

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狭い住宅街の道を、小回りのきく車体で縦横無尽に走っている。

府中駅から府中の森公園まで10分足らず。
9時前の公園は、歩く人、走る人、犬と散歩の人、ベンチに座って本を読んでいる人、スケッチする人、持参のおにぎりを美味しそうに頬張る人……と、皆さん思い思いに武蔵野の森の姿を残した公園での時間を楽しまれていた。
いいなあ、こんな公園が御近所にあって。






巨大なキャベツと白菜!
誰が落としたんだ!?

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…イスでした。
遊具広場にありました。
他にも茄子などがあった。楽しい~♪

ベンチでおしゃべり中のお二人。

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この後ろの木の下で、太極拳(?)をしておられるグループがいらした。
どこの国のどこの町でも、朝、太極拳をする人々を見かける。
さすが中国四千年のパワー。



少しずつ、そっと色付いている植物たち。

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秋の空。
もこもこ。
羊雲。

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2010-10-18

『龍馬伝』第42回「いろは丸事件」~紀州踏んだり蹴ったり

ちっくと違う番組の話に寄り道から。

『龍馬伝』第42回を見終わって、食事の後片付けをしていたら、夫が観ているNHKスペシャルの音声が聞こえてきた。
引寄せられるように、片付けを早々に済ませ、テレビの前に座った。


NHKスペシャル 『貧者の兵器とロボット兵器』

アフガニスタンでのタリバンの自爆テロの悲惨さと、対する米軍のロボット兵器投入を描いたもので、非常に重く、やりきれない内容であった。
内容もさることながら、私がついつい(?)最後まで観てしまったのは、全編に流れるナレーションにひきつけられたからだった。
淡々と、やや平板に“憎しみの連鎖”が生む悲劇を語る声。
田中泯さんの声であった。
決して過剰にならずに,、静かに語られるので、現実味と重苦しさが増した。
やはり、天才じゃき。(違)

・‥…━━━☆・‥…━━━☆・‥…━━━☆

さて、本題。
今回も面白く観られた。
でも、時間が無いので、いつも以上に粗い感想です。


龍馬の有名なエピソードのひとつ、いろは丸事件に一回を費やし、龍馬の交渉術の巧みさと、したたかさを前面に押し出していて、坂本龍馬ファンも納得の出来だったのでは。

海援隊だけでは歯が立たない相手なので、後藤を引き入れて彼の政治力を利用し、会計担当の弥太郎の頭脳と負けん気をフル回転するよう追い込み、情報発信や世論操作を行い、理論武装もきっちりしたうえで、裁定者として第三者の権威も味方につけるなど、鮮やかな手腕。
もちろん、実は衝突事故では、いろは丸に非があった説もあるとか、龍馬たちが賠償金を水増し請求するために積荷に金4万両があったと虚偽申告をしたとか、薩摩がかなり後押ししたとか言う事情はスルーしていた点は、史実至上主義の方にはご不満だろう。
でも、大河ドラマはドキュメンタリーじゃなくて史実を下敷きにした創作だから、今回みたいに面白くて流れもスムーズで納得感があれば、良いと思うけれどねえ。
まあ、弥太郎びいきな私としては、どうせ弥太郎が賠償金をふっかける役回りこするのなら、もっと弥太郎の有能さと奮闘を丁寧に描いてあげて欲しかったと思うけれども。
なんだか、ずっと怒鳴ってバタバタ歩いているだけで、彼の力量と活躍が伝わらず、龍馬と後藤の力だけで紀州藩から賠償金をせしめたように見えるんだもの。気の毒。


今回は、交渉場面が肝で、役者さんの微妙な表情と動き、加えて演出効果で駆け引きを語らせなければならない。
龍馬、後藤、紀州藩・茂田については、そのように描かれていたのだけれど、あまりに他の人たちが怒鳴ってばかりなのが勿体無かったと思う。

その中で、龍馬は終始どっしりと落ち着いて低い声で語り、時には不敵な笑みを浮かべたりして、すっかり貫禄が出ていた。
最終交渉の場で、エゲレス海軍提督(この人まで怒鳴ってましたけど…)を連れてきてくれた後藤に目礼し、後藤もアイコンタクトを受けたところなんかも、双方が胸襟を開いていないながらも共闘関係を冷静に認め合っている感じで良かったと思う。
龍馬も後藤も、周囲がうるさい中、格が違うぜよな感じをかもし出していて頼りがいがあった。

とはいえ。
清風亭の時といい、龍馬が一足飛びに大した男に成長した姿を突然に見せられると、唐突感や違和感がある。
展開がスピーディーでうまく流れてまとまっていたので、観ているうちに、「ま、いいか。」とは思えたが。

でも、龍馬に商家の血が流れているとか、長崎商人のしたたかさから学んだとか、多くの大物と面談して自身も成長したとか、そういう薄い伏線を見ている側が思い出して各自で補完するだけでは、やっぱり突然の策士ぶりは、「どうして急に…」と思ってしまう。
第3部で「Nagotiator」と銘打ったわりには、熱意と勢いだけの交渉(というかゴリ押し?)ばかりだったものだから、龍馬の交渉力については、助走無しでの大ジャンプの感じが否めない。
ま、時間が足りないし、とにかく、ラストに向けて、主人公を盛り上げないとね。
龍馬は、皆の“希望 hope”だそうですしね。



さて、『ハゲタカ』ファンの期待を背負ってご登場の飯島、いや紀州藩勘定奉行・茂田役の中尾彬さん。
アキラ・ナカオの必須アイテム、マフラー巻いてましたなcoldsweats01

紀州の梅干しをしゃぶって料亭の座敷で待っているということはなく、「紀州藩は賠償金として八万三千両を用意した。口出し料込みの大判振る舞いや。」も無しでした。残念。(当然だ)
そりゃ、口出し料込じゃ、象ちゃんが本性出してキレますがな。

飯島色は薄くとも、登場するだけで画面に重厚さと緊張感が出て、さすがの存在感という点は、『ハゲタカ』同様の中尾さん。
単なる態度デカイおっさんじゃないのよ。(すみません…)
セクスィーヴォイスも炸裂ざんす。
中尾さんが時代劇に登場、しかも成敗される役職ナンバー1の勘定奉行役だなんて、ものすごーく悪そうで(違うって)、渋くて良いです~。
しかし、大藩とはいえ、勘定奉行クラスであの濃厚さ、重さ。
殿様クラスでも良いのに~。
今後の出番はあるのでしょうか。
もっと観たいわ…。

それにつけても、茂田様以外は、予想通りに紀州の皆様が絵に書いたようなアホで小物な悪役。
龍馬がヒーローの作品だし、『龍馬伝』ではなんでも白黒、善悪、にしたがるし、龍馬に敵対する者は価格破壊されるから、ある程度は仕方ないけれど、ちょっと明光丸の皆様が安すぎる悪じゃございませんか。
徳川御三家の大藩であることを笠に着ているというのは当然の設定としても、全般的に諸々安すぎる。
“腐った幕府方”を強調したくて安くアホに描いているのだろうけど、龍馬が命の危険を感じながら厳しい交渉をする大きな相手として、あれじゃなあ…。

この先、幾つもの巨大な影に追われ、呑みこまれそうな龍馬の闘いを描くなら、正体不明の相手の不気味な怖さを静かに描くほうが有効な気がするけれど。
その敵の一角である紀州藩を、安くしちゃってガッカリ。

なんたって、最後の立ち回りで脱力。
なんすか、あれは。
お安い娯楽時代劇かい。
坂本龍馬といえば、海辺に立っている姿が格好いいというのがデフォルトだから(笑)、二時間ドラマよろしく海を見下ろす崖っぷちに立っているのは別に良いんですよ。
強風の中で贔屓の芸子と密会したり酒を飲むのも、意味が分らないけど、作戦に一役買ってくれた御礼を言うためと理解もしよう。
だけど、そこへ紀州の覆面侍、それも某官房長官が流行せたらしい(違)“柳腰”ならぬ、へっぴり腰の連中に襲撃されるって、どうよ。

紀州といえば、吉宗のお庭番・根来衆はどうした!?
ってのは置いといて(自分が娯楽時代劇の見すぎ…)

なんで自分たちで襲撃するかなー。
普通、もっと「才谷梅太郎」の身辺を調査してから、抹殺の手段を考えるんでないかい。
せめて金で人を雇うくらいのことはせんのか。


…あら、また突っ込みモードになってしまった。

さて、土佐藩の別働組織(?)の海援隊が紀州藩との交渉に勝ったのを受けて、いよいよ、容堂公が動き出すらしい。
次回以降、京都でコッテリ濃い面々により、腹黒い政治的駆け引きが展開されるのだろうか。楽しみ。

次回は船中八策。
実は中岡慎太郎が発案者説も有力だけれど、もちろん『龍馬伝』では、龍馬が全部一人で思いついたことになってるに決まっちょるだろうな。



そして、次回のお楽しみ、ミッチーshine登場。
薩摩の頭脳こと大久保さん、いきなり龍馬暗殺指令者候補として登場っぽいですがな。
ミッチー+薩摩弁がどのような感じかも気になります。
新選組も再登場らしいし、いよいよ龍馬を消したい人々が出揃ってきましたね。

龍馬最期の日まで6ヶ月。

2010-10-17

ランチ@はん亭(新丸ビル店)

休日に、皇居東御苑やら日比谷やらを無計画にぶらぶらした後、ランチを新丸ビル内で。


週末昼時の丸ビル・新丸ビルは、ひどく混んでいる時と、ガラガラの日がある。
歳をとると気が短くなるので(笑)、行列fはノーサンキュー。
そこで、同行の友人が、お店を見つくろって予約しておいてくれた。



はん亭 新丸ビル店
 新丸ビル 5F

Hantei01

友人は、根津の本店に一度だけ行ったことがあるそうで、その時は渋い木造の趣ある建物が素敵だったし、串揚げのコースも美味しかったとのこと。
新丸ビルのお店は初めてだが、ネット上のレビューも悪くないようなので選んでみたと言っていた。

予約した11時30分少し前に5Fレストランフロアに上がってみると、かなり空いている模様。
なんと、週末の昼はいつでも大行列の 「AW Kitchen」 の前にすら、人がいない!
二人とも、初めての光景に、ちょっとびっくり。(オオゲサだ)

目指す「はん亭」に入ると、大きな窓から東京駅舎が良く見えた。
しかし、現在は改修工事中。
私たちは、東京駅の真前のテーブル席。
テーブル席は窓に沿って配置されているので、あの赤レンガ造りの駅舎が再び現れたら、素敵な眺めを楽しめそうだ。
後は、カウンター席で、こちらは窓に背を向けて座るようになっている。


席に案内されて間髪を入れず、お茶とお絞りが出され、次いで、メニューを見せられながら、2種のランチメニューの説明を受ける。
こなれた一連の流れに感心しつつも、ちょっとせかされている気分。
(ちょっとだけ、ね。)
 

そうこうしているうちに、予約客がどんどんやって来た。
席が7割程度は埋まっていたろうか。


お昼のメニューは8種類の串揚げのコースと、海老クリーム春巻き(だったか?)のセットメニューの2種。   

「四季彩串揚げ8種コース」 ¥2625  をお願いした。

写真は無いが、まず前菜として、無花果と生ハムにクリームソースをかけたものが出た。
特に期待せずに食べてみたら、これがなかなか美味しかった。
無花果のねっとりした食感は勿論のこと、生ハムの塩気で甘さが増して、無花果好きにはたまらない。
一口だけなので、もっと食べたくなってしまった。(笑)


続いて、串揚げと共に頂く生野菜。
キャベツと、キュウリ、大根、紫人参のステイックがついていて、こちらは自家製の辛味噌をつけていただく。

串揚げは2種ずつ出される。
調味料は、ポン酢、ソース、レモン、塩。
味がついているものについては、出してくれるときに、そのまま食すように勧められる。
皿が空くと、フロア担当のスタッフが素早く気づき、すぐに揚場に通しているので、テーブル席でも、良いタイミングで串揚げが出てくる。


串揚げは、いずれもカラリと軽く揚がっていて、アツアツを頬張ると、素材の味と香りが口中に広がる。
最初は、海老の大葉巻と豚&ネギ。

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その次が、秋らしい2串の、秋刀魚と栗。

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秋刀魚に乗っているのはキュウリソースったかな…?
そして、何といっても栗が美味しかった!
丸ごと1個の栗に、そうめん(?)の衣でイガを表している。
見た目も可愛いが、ホクホクした栗の甘さが楽しめて、幸せ一杯。
この後、茄子のポタージュが前菜その2(口直し?)として出て、後半4串へ
風味豊かな牛肉&ゴボウ、モチモチがたまらない生麩&胡桃味噌。
最後は、アスパラ1本と大きいホタテ。

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締めは、ご飯と赤だし、または、海苔たっぷりのだし茶漬けから選ぶ。
もちろん(?)、お茶漬けを。
香り高い海苔が山盛り乗ったお茶漬けは、テーブルで熱い出汁を掛けまわして出してくれる。
海苔が香ばしく、サッパリして、串揚げコースの締めにぴったり。
最後に、シャーベットとコーヒーが出て、終了。



前菜やスープも含め、コース全体で、様々な味・食感・香り・季節感、が楽しめるように考えてある。
一品ずつがいずれも美味しく、サービスもキビキビしていて全体に好印象。
串揚げ店には滅多に行かないが、こちらには、いずれ夜に伺って、ビールや日本酒と共に、もっと色々な種類の串揚げをいただいてみたい。

御馳走様でした♪

2010-10-14

明治生命館

丸の内~日比谷界隈 気まぐれ散策シリーズ(いつの間にシリーズ化?)第三弾、いちおう完結編(笑)。

第1弾: 皇室の文庫@三の丸尚蔵館

第2弾  日比谷公園で階段を上ったり、マニアの祭に驚いたり



日比谷公会堂で鷲津が登った階段を踏みしめたり眺めたりしてご満悦の私と、それを生暖かい目で見守ってくれた(というか、ワケ分らんけど一応つきあってくれた)友人Kの2名は、偶然に鉄道フェスティバルに遭遇。
これまでの人生で経験したことがないくらい、一度に大量のチェックのシャツを見て、唖然呆然。
どうして鉄道マニア男子は、オトナもコドモも、チェックのシャツを着用するのだろうか。
そして、最近流行りらしい鉄子らしき女子も、チェックのシャツ……。
何か掟でもあるのだろうか。
てなことを話しつつ、また皇居お壕沿いに丸の内方面へ戻って行く。
東御苑から日比谷公園に向かう時は、お壕側の歩道を行ったので、今度は反対側の歩道を行くことにした。
このあたりは、道路も歩道も広いし、休日の午前なので人も車も少なくて、気持ち良い。
あいにくの空模様なのが残念だった。


ぶらぶら歩いていると、古典的で重厚なr姿の明治生命館の前に、「見学入口」という立て札が出ていることに気づいた。
土日は、重要文化財である明治生館(1934年竣工)の一部を一般公開しているのだ。

私は、明治生命館に少しだけ思い出があり、かつ、映画『ハゲタカ』絡みの建物としても興味があるので(後述)、是非とも見学したいと思った。
古い建物(←雑なくくり)が大好なKも賛同し、昼食後に日比谷に戻る途中に寄って行こうということで即決。
思いつきで行動しているので、馬鹿馬鹿しい効率の悪さだが、まあ、こういうのも面白い。

ついでながら、明治生命保険を設立したのは岩崎弥太郎。(1881年)
どうりで、三菱村の異称がある丸の内、お壕前に威厳たっぷりに建っているわけだ。(笑)
(※Mitsubishi.com 「岩崎弥太郎年表」には“設立を援助”とある。)


昼食を済ませた後、待望の(?)明治生命館へ。

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※詳細⇒ 明治生命館 一般公開案内


見学入口(だったかな?)と立札がある自動ドアから恐る恐る入っていくと、中には警備員さんが立っていらして、「見学ご希望でしょうか?」と声を掛けてくださった。
そして、2階に見学受付がある旨を教えて下さり、エレベータに誘導。
なかなか感じが宜しい。(偉そう。)

2階でエレベーターを下りると、小さな受付カウンターがあって、そちらで見学者バッジとリーフレット、そして明治生命館と新しい明治安田生命ビルが一体になっている複合施設「MY PLAZA」の案内を渡され、後は順路に沿って勝手に見学して宜しい、個人的使用であれば写真撮影も(もちろん常識の範囲内で)OKとのこと。
廊下を進むと、契約者相談カウンターが並ぶ1階を見下ろす吹き抜けを囲む回廊に出た。
回廊部分の天井は低めだが、おかげで天井や柱のレリーフがよく見える。
なんともゴージャスだ。

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回廊沿いに、かつての応接室、会議室、食堂などが公開されている。

木材をふんだんに使用した、どっしりと重厚な内装。
一部の家具も、かつてのものが展示してあるそうで、繊細な象嵌細工を施したテーブルなどもあっだ。
 また、1階ロビーにも、美しい木のベンチがあった。

こちらは食堂。役員専用だったのではないだろうか。
緩やかなアーチを描く梁には、ブドウと蔦の細かいレリーフが。

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また、資料展示室では、明治生命館の設計・建築に関する情報のバネル展示や、設計図等の資料や明治生命館の立体画像、非公開の講堂や屋上等のヴァーチャルツアー画像がデジタル閲覧できる。
ここも、特に係員はいなくて、自由にPCやタッチパネルモニタを操作して誰でも簡単に閲覧できるようになっている。
建設当時の土木作業の記録映像がインスタレーション風に流れていて、これも興味深かった。

見学者は、我々のほかに数組だけの様子。
好きなだけじっくり見学できて、なかなか贅沢だ。
2階を見終わると、順路は1階へ。

先ほど、吹き抜けの回廊から見下ろしていた赤っぽい市松模様の大理石の床に立ち、どっしりと太い大理石の柱やレリーフを施した天井を見上げると荘厳な雰囲気に包まれる。

しかし、平日は、「お客様相談センター」として機能している場所だが、見学日はがらーんとして、ちょっと寂しい。
一回りしていると、なにやら札が立っている。
近づくと、床の大理石にアンモナイトの化石があり、その場所を示した札だった。
化石は確か3箇所ほどあった。(記憶が定かでない)


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これで一般見学コース終了。
見学者バッジを返却して、警備員さんや、係のお嬢さんに丁寧に「ありがとうございました。」と見送られ、こちらも精一杯の笑顔で(通常は鷲津なみに無愛想な婆さんだ。)御礼を申し上げて退場。

無料で戦前日本建築の傑作のひとつと言われる明治生命館を、ゆっくり見学できて、良い時間を過ごせた。
このような建物を一般に公開してくれて、ありがたいことだ。


この先は蛇足です。
『ハゲタカ』に興味の無い方、そして、その逆の『ハゲタカ廃人』と自称・他称される方は、スルーしてくださいませ。
私同様の、『ハゲタカ』ビギナーの方で、瑣末で、超周回遅れの話でもハゲタカについてになら何でも読んでやろうかな、という奇特な方が万一、いらしたら、どうぞ…。


・‥…━━━☆・‥…━━━☆・‥…━━━☆




大昔、私は学生時代に、この建物内でアルバイトをしていたことがある。
このビルが改修されるずっと前のことだ。
確か、地下の通用口から出入りしていて、上のオフィス階に居たので、1~2階部分に立ち入ったことは無かったと思う。

記憶に自信がないが、当時は2つの社員食堂などがあったと記憶する地下階は、現在は、パーティ等にも利用されるクラブレストラン『センチュリーコート丸の内』(一部会員制)になっているとのこと。

そして、その中には、映画『ハゲタカ』の撮影に使用されたラウンジがある。
(※特典DVD: 未公開映像 シーン52)
「料亭の近くのどこか」とあるが、シーン冒頭に、しっかり『Century Court』と、施設名が映してある。(笑)

しかし、残念ながら、平日夜のみの営業なので、今回は鷲津が足を踏み入れた場所の上の階に行っただけで満足した。(笑)


なお、この未公開シーンで、鷲津が芝野センパイの熱い語りに無愛想に返答していたり、二人ともゴルゴ13ばりの「………」だけの状態で(分かる人には分かる/笑)、不味そうに酒を飲んでいた、大理石の柱が印象的なラウンジは、「Bar MARBLE」の“メンバーズ・ルーム”、つまり、会員制施設だそうだ。


食べログの記事を拝見すると、メンバーズルーム以外のエリアは、入店時に記帳すれば非会員でも利用できるらしい。
そして、雰囲気もお酒も素敵なのだそうだ。
鷲津が座った場所には入れずとも、彼が居たのと近い空間で美味しいお酒を楽しめるなんて、魅力的だ…。(←バカにもほどがある。)

しかし、お洒落や優雅と対極にある生活を送り、平日の夜に寄り道が難しい片田舎在住の勤労主婦には、ちっくとハードルが高い。
が、また今回のようにフラフラと気まぐれに歩いている途中で、行くチャンスが転がっているかもしれない。

2010-10-12

『龍馬伝』第41回「さらば高杉晋作」~恐るべしリョーマ菌によるソウルメイト病

薩長同盟の裏書の実物を見て間もないタイミングで『龍馬伝』を観たのであるが、相変わらず龍馬に対しては余所余所しい気分のままだ。
たぶん、“龍馬最期の日”を迎えても、主人公への私の心は離れたままなんだろうなあ。
冷たいヤツだ。(他人事みたい。)

今回は、“龍馬のソウルメイト”高杉晋作の最期。
鈴木CPの“ソウルメイト”発言を読んで以来、なんとなーく、予感はしていた。
そして、『馬関の奇跡』の回の台詞を聞いて、武市さんの最期に続いて“龍馬が起こす奇跡”についてのヤハイ予感もしていたのだが。
当たっちゃった。

と、ここで野暮な疑問。
前から気になっていたのだが、労咳(結核)は空気感染するし、当時は不治の病。
農民たちには近づくなと言っていたけれど、木戸さんや龍馬は、あんなに近づいても大丈夫なのかしらん…。
なんて気になってしまった。


さて、視聴者それぞれが今回をどう評価するかは、ソウルメイトな二人の描き方、魂の継承?に入り込めた否か、これに尽きると思う。

高杉の無念、木戸の苦悩。
とても切なく痛ましく、胸が締め付けられるようではあったが…。
ここに龍馬が食い込んできて、「えっなんで…」という気分になってしまって、私には違和感が残った。
これは、私が龍馬に冷たいから、だろうか…。


余命いくばくもない高杉の姿を、気遣わしげに見つめる木戸。
何もできない自分が歯がゆく、気丈に振る舞う高杉が痛々しく、どんなにか苦しいだろう。
そんな木戸の心痛が伝わる谷原さんの静かな表情。
やっぱり谷原さん、いいですねえ。



そこへ龍馬がやってくる。
大政奉還を巡る意見が対立して、木戸が思わず席を立った時の、「僕の遺言だと思って…」という高杉の言葉にはドキっとさせられたけれど。
立ち去った木戸を龍馬が追いかけての会話に、うーん…。

「高杉さんが見たいのは桜じゃなく、新しい日本です!」(不正確)みたいなことを言ったときには、思わず「えーー」とブーイング。
高杉さんのソウルメイトは自分だから、高杉さんの代弁をします!
だから、木戸さんじゃなくて自分が高杉さんの魂を受け継ぐんだもんね。
ってことですかい。
相変わらず、デリカシー皆無で押し付けがましい龍馬ぜよ、とムッとしてしまった私は、とても器が小さいな。
龍馬の必死さは分かる。
言いたいことも、分かる。
だけど、イラッとしてしまう…。

だってさ…。
強固な絆で結ばれているはずの木戸さんと高杉さんの間に割って入れるほど、龍馬と高杉の心が繋がってるんだぜ、って言われてもなあ。
わしらソウルメイトじゃけんのう(←なぜか『仁義無き闘い』の菅原文太さん風…)って主張された(されてない)木戸さんの立場って…。


『龍馬伝』では龍馬も高杉も、あまり内面を描かれないキャラクターなので、魂とか言われても、ちょっと観ているほうは入り込めん。
いや、高杉さんはとにかくカッコイイ一点張りで良かったと思う。
いい意味で、まず形からというか、伊勢谷さんの容姿や格好いい動き、気障なセリフなどのキレイな形あっての『龍馬伝』高杉の輝きだったのだから。
だから、例え大量に喀血しても、浜辺でにへたり込んで何だか分らんが何かが垂れてsweat02いたとしても、皆に敬愛されるカッコイイ高杉であった。
そのイケてる高杉が、闘いの場でなく、病の床で志半ば、新生日本の産声と成長する様子を見られない無念さは、伊瀬谷さんの大熱演により、胸に届いた。

でも、死期が迫ってきた途端に、龍馬に希望を託すモードに入ってしまって、最期まで龍馬頼みみたいな感じに見えてしまって、あれでは高杉の持つ洒脱で颯爽とした格好良さが減じてしまわれた気がして残念。
なんだか、歯がゆかった。
だから、木戸さんに感情移入してしまったのかも?


高杉と龍馬が浜辺で二人、しみじみと語る場面は良かったと思う。
詩情ある映像で、二人とも、しっかりと静かに思いを語り合っていて、穏やかで切なく美しい場面だった。
未来を語る相手に、未来が無いことを知っている龍馬は、辛さを隠しているのが見え隠れして、いい表情だった。(えらそう)
高杉さんの「坂本さん、日本を頼みます。」も、まあ良しとしよう。

「後は、酒を飲んで、三味線を弾いて、面白おかしく暮らしたい。あの世でね。」みたいなセリフは高杉らしくて良かったと思った。
なので、奇兵隊の農民たちと花見をして、はらはら散る盛りの桜花の下で三味線を弾いている穏やかで幸せそうな高杉が最期の姿かと勝手に思って、「あ、この絵で最期っていいな。」と思ったけんど。

海辺でびしょ濡れになって、嗚咽を漏らしても、それも良いけれど。
「坂本さん…頼みましたよ…sweat02」って。
最期に思いを託すのは龍馬なのか?
木戸さんは? 木戸さんじゃないの?
ま、龍馬経由で高杉さんの魂も木戸さんが継承するってことなんだろうけど。

そして、彼らの思いを、魂を、現代の日本人が受け継いでいるか?みたいな持って行きかたになるんじゃないかと思ったりしてますよ、私は。


話を戻そう。
同じものを見ていた大切な人たちを、一人また一人と失って、最後に残った者が一番辛い、と思う。
木戸さんは、変わった日本でも醜悪なものを見るだろう。
そして、志士達の魂を弔うのは木戸さんだ。
この人が背負っていくものを思うと、これまた辛い。

登場時の軽妙洒脱だったコゴローちゃんが、今ではいつも葛藤し苦悩するリーダー木戸だ。
谷原さんの抑えた演技が、毎回素晴らしい。
タニショー木戸、いい男です。
高杉さーん、なんで、木戸さんじゃないのよー。
『歴史秘話ヒストリア』で木戸さんの素晴らしさをアピールしてたのは、『龍馬伝』でワリ喰ってばかりのコゴローをフォローする意味なのかと邪推してしまったぜよ。


日本の未来を思う人々のココロザシは全て龍馬に受け継がれる…っつーことすか。
いや、『龍馬伝』の後半では、どうしてもそれを描きたいんだろうなぁというのは感じていたし、描き方によっては悪くはないと思いますけど…。
だけど、「みんなのパワーを俺にくれーー!」とか叫んで必殺技DXみたいなの(←意味不明)を炸裂させる、小4男子向けアニメの主人公のようじゃないかね。(分りづらい例え…)
主人公に入れ込んでたら、まあそれでもいいんだろうけれど、気持ちに距離があって、脇の人たちのほうが説得力があると、違和感だけが残るのね。

高杉さんの最期に期待していたので、文句っぽくなってしまったが、物語の流れとしては、すんなり見られたと思う。
それぞれの登場人物が見ごたえあって、「さすが~」と思えたし。
なので、そんなキャラについての感想。


まずは、すっかり大物になった後藤象二郎。
今回も、オイリー後藤(なんつー呼び方)は、やってくれましたよー!
長崎奉行に対する一歩も退かない傲岸不遜な態度。
さすが、天才・東洋様の甥っ子だ。
もちろん、ハッタリ込みの戦術なんだろうけど、すごいわ。
あのムネムネ(青木氏は、一部でそう呼ばれているらしい)の貫禄、ふてぶてしさ、いいねえ。
後藤が出ている間は、決して目が離せない
『龍馬伝』大友さん演出名物・カメレオンより強い存在感だ。

カステラを食い散らかしたうえに、追いすがる奉行の指ごと噛んだところなんざ、普通なら過剰で噴飯ものだが、いやー良かったです。

後藤が立ち去った後に残った、喰い散らかされたカステラの絵。
土佐藩の幕府に対する今の立ち位置を表しているようでもあり、印象に残りました。
唯一、心配なのは、長崎カステラ協会(そういうのがあるかは知らんが)からクレームがつかないかって点ですね。


久々の登場、中岡慎太郎。
やっと出てきてくれたら、あらら…龍馬に対抗するみたいにして陸援隊を創るとか。
あれあれ、陸援隊の設立経緯って、確か龍馬と相談して立ち上げを決めたんじゃないっけ?
これでは、なんだか龍馬に対抗心を持っているみたい見えちゃうよー。
そして、中岡さんは武力倒幕宣言。
龍馬暗殺犯候補に入った感じですよ。
意見対立の末の大喧嘩説、他の男に殺させるなら俺の手で説、軍鶏鍋の具の取り合い説など、中岡犯人説も根強いらしいが…。

とにかく、中岡が出てくると完全に龍馬が霞むので、それで出してもらえないのかも、なんて思ってしまったほど、露出時間は短くとも、力強い慎太郎ですわ。
だけど、龍馬の対応が私にはピンと来なかった。
「方法は違うけど、目指すものは一緒。お互い頑張ろう、負けないぜ。」とかって、昔の青春ドラマみたい。
爽やかだけどさ…。
これまでの龍馬と慎太郎の関係の描かれ方が希薄すぎて、なんだか言葉が浮いている。
慎太郎不在でも、何がしか、彼と龍馬の絆がわかるように仕込んでいてくれていたら、もっと違う受取方が出来るのだろうけれども。


久々に、お龍さんが良かったです。
「人の死と言うものは、終わりだけではないと思います。その人の役割を、志を、引き継ぐ者には始まりなのだから。」という意の台詞。
出番は少なかったけれど、あの言葉には重みがあった。
真木さんのドスの効いた声と落ち着いた雰囲気が効果的なのかも。


高杉の最愛の女性・おうのさん。
控えめでセリフも殆ど無いけれど、高杉の傍らに付き添っている姿は、清楚で慈愛に満ちていて、素敵でした。
花見をしている高杉を見守る温かく哀しい笑顔。
命を賭す覚悟が出来ている男と添い続けて、彼女にも覚悟はあるのだろうけれど、愛しい人が、少しずつ死に向かっていくのを見つめ続け支え続けるのは、どんなに辛いだろう。
とても、柔らかくて、とても強い人でなければ出来ないことだ。
彼女が看取ってくれて、高杉さんは安らげたたろうと思えた。


海援隊の会計担当者になった弥太郎のエネルギッシュさが凄い。
亀山社中のツケの証文を押しつれられて唖然としつつ、バリバリと仕事を進めていく姿は、まさに水を得た魚。
頼もしい。
お慶に、綿花の需給・価格予測を披露し、エネルギー(石炭)確保の重要性を語ったりと、いよいよ大三菱の総帥の片鱗が露に。
こういうの、私はワクワクして好きです。
「心配御無用!」と、秀吉になっていたのは、大河ファンへのサービスですろうか。
香川さんノリノリ。(笑)
次回は 岩崎弥太郎 vs 飯島亮介 が拝めますよー。


さて、次回はいよいよ、『ハゲタカ』ファン待望の飯島、いやアキラの登場ですよ。
紀州名産の高級梅干しをチュウチュウしたり、「紀州藩は八万三千両の賠償金を用意した。口出し料込みの大判ぶる舞や」とか言ったりしないかな。
しないだろうな。
そして、予告の「おまえは何者だ。」が、「あんた何様のつもりや。」
もしくは、「おまえは誰なんだ」に変換された私は、相当に重症です。
できれば、ハゲタカ料亭で交渉して欲しいですな。
…そんな期待するのは間違っちゅうのは重々承知してますが、他に楽しみがないので…。

日比谷公園で階段を上ったり、マニアの祭に驚いたり。

前記事の続きです。


皇居東御苑の三の丸尚蔵館で『皇室の文庫』の観覧を終えた後は、東御苑を散策→丸の内でランチ、午後はパンやスイーツの買い物…という予定であった。
だが、小降りになったとはいえ雨が降り続いていて、今回のルートの発案者であるはずのKは気乗りしない様子。
ランチタイムまでは1時間半近くあるので、代案を考えることにした。

このあたりの商業施設をぶらぶらする気分じゃないしなぁ~と言うKに、東京駅周辺の美術館のどこかに行ってみようかと提案してみた。
丸の内には三菱一号館美術館、京橋にブリヂストン美術館、日比谷に出光美術館がある。

二人ともアナログ人間なので、頭に入っている情報のみが頼りだ。
3館の位置と開催中の展覧会のことは私の小さな脳みそに入っているので、Kに説明すると、出光に行きたいとのこと。
しかし、移動時間を考えるとランチ前に駆け足で見るよりも午後にじっくりと行きたいという答え。
じゃあ昼までどうする?

で、Kの希望により、このまま皇居外苑から桜田門までぶらぶら歩いて、また丸の内に戻るという、効率無視の散策をすることになった。
Kは幕末マニア。
つい先ほど、薩長同盟裏書や五箇条御誓文(控本)を目にしたばかりなので、幕末のツボ(?)が刺激されたらしい。
映画『桜田門外の変』を試写会で観たというKから感想を聞いたり、『龍馬伝』についての辛口コメントをぶつけられて、脚本以外を擁護してしまったり…という会話をしているうちに、雨が上がった。

御濠沿いに15分くらい歩いて、楠正成像近くまで来て、桜田門までもう少し、というとろで、昔から変わらないKの気まぐれが炸裂。

「あ、日比谷公園が眼の前ね。寄って行きましょうよ。」
「桜田門の後に?」
「ううん、何回も来てるから、桜田門はいいや。日比谷公園だけでいい。」
「………ええよ…。」
「後藤の象ちゃんだね。(笑)」
「わはは、わかった?」
「なに企んでるのー?」

Kに看破されたとおり、Kの我がままを容認したのは、日比谷公園と聞いて、私の心が動いたからであった。

若いころ、日比谷に近い内幸町で働いていたKは、日比谷公園で昼休みを良く過ごしていたという。
「日比谷公会堂も見たいな。」と言うと、
怪訝な顔をされた。
ハゲタカ・ファンの方々はご存じのとやおり、日比谷公会堂は、ドラマ『ハゲタカ』で、大空電機株主総会会場の撮影に使用された。

ちなみに、Kは『ハゲタカ』を見ていないし、私がハマっていることも知らせていない。

「イベントやってたら入れないんじゃないの?。」
「うん。だから入口と階段だけでいいの。」
「ふうん……ええよ…。」

と、後藤象二郎返しをしたKに、自分が好きなドラマのロケで使用されていたので…と、ものすごーく短縮&マイルド化した説明をすると、「へえ~、あなたがそういうこと言うなんて珍しい。」という反応。
本来、ロケ地めぐりに興味無し人間なのである。

突発的に来たものの、ハゲタカ廃人様方のブログで拝見していた情報が脳内に残っており、目当ての階段をすぐに発見。

Hibi02

ドラマでは雨の中、傘をスタッフに差し掛けられた鷲津が足早に階段を登っていく。

そして、私の目の前の階段も、先ほど雨が上がったばかりなので濡れている。
雰囲気が出るじゃないのさ。(バカ)
雨に濡れたこの階段を鷲津も登ったんだわ…。
ニヤけつつ、足元に気をつけてゆっくりと(年寄りなので…)階段を上る私。
よくわからないまま、私につきあって階段を上ってくれたKさん、ありがとう。happy01

この日は、階段上に警備担当らしい方々が数人いらして、、ちょっと中をのぞける感じではなかったので、そのまま大人しく階段を下りて写真だけ撮って退却。

さて、すぐそばの大噴水のほうに向かおうとしたら、何やらにぎやかだ。
近づいていくと、怖ろしい数の人間がいる。
屋台も出ていて、何かのイベントらしい。
きかんしゃトーマスのミニSLが走っていて、お子ちゃまたちもたくさん。
しかし、親子連れよりも、チェックのシャツにリュックサックの男が異常に多い。
何だ何だ?と言っていると、園内にアナウンスが。

「鉄道フェスティバルにようこそ~~!」

全く知らなかったが、鉄道ファンが集結していたらしい。
(詳細は こちら )

鉄道ファンの人数と熱気に驚いた我々は、丸の内に向かうために早々に日比谷公園を後にした。


おまけ。
日比谷シャンテ前のゴジラ。

Hibi01

2010-10-10

『皇室の文庫 書陵部の名品』展@三の丸尚蔵館

幕末スキーな旧友に誘われて、ちっくと皇居東御苑に出かけて来た。

『皇室の文庫 書陵部の名品』展
 皇居 東御苑  三の丸尚蔵館
 (9月18日~10月17日)

宮内庁HP より】

本展覧会は,書陵部が所蔵する図書,公文書,考古品等の中から我が国の歴史と各時代の文化の様相を伝える資料として価値が高いとされている「書陵部の名品」を選び出し,初めてまとまった形で一般に紹介するものです。学校教科書や歴史書などにしばしば引用されており,皆様方も写真などで御覧になったものも多いと思います。



そして、展示品の中に、あの薩長同盟裏書が!

世の幕末マニアや龍馬マニアが駆けつけないはずがない。
9月下旬の平日に出かけた他の友人や、先週末に行った同僚から行列が出きていたとか、室内が見学者の熱気で暑かったとかいう情報が入ってきていたので、少々の覚悟をして出かけたのである。

Higashi01

せっかくの連休なのに、朝から雨。
友人と互いに、雨女疑惑をなすりつけあう。

雨の中でも、金木犀の甘い香りがふわりと届いて、しばし休戦(?)。

Higashi02_2

あいにくの雨空のせいか、尚蔵館前には行列は無かった。
ホッとしたのもつかの間、しかし、室内に入ると、ガラスケースの前にはびっしりと人が貼りついている。
目的の薩長同盟裏書が展示されているらしいケースの周囲は、三重の人垣ができていて、近づけない様子。

「うえっ」とか「げっっ」とかいう下品な声を漏らしてしまった私たちに、展示室入口に控えていた宮内庁職員さんが「順番はございませんので、空いている場所からどうぞ…。」と声を掛けて下さった。
けんど、空いてるところはあまり無いですよ…。


そこで、「日本書紀」、「かぐや姫絵巻」、「源氏物語」、「古今和歌集」……というビッグネーム名品がずらりと並ぶ展示ケースの前を、ジリジリと進んでいくことにした。
美しい墨跡をじっくりと鑑賞しつつも、薩長同盟のケースが気になる。
そして、うーーん、竹取翁が人形みたいに小さなかぐや姫を両手で持っている絵は、なかなかシュールだ…なんて思うタメな私。


展示品は少ないので、混んでいても観終わるのに、さほどかからなかった。
ひととおり他の展示品を見学し終わって、相変わらず人垣が崩れない目的のケースの傍へ。

オジサマの加齢臭や、巨大なヨーロッパ系らしい若者の壁のような背中にも負けず、ケース前に隙間ができるのを忍耐強く待ち続けた。
やっと、展示ケース正面最前列にすべり込めた。


龍馬が朱で裏書きした文字は、寺田屋騒動での怪我のせいか、乱れ気味だが、意外と力強い感じだった。
『龍馬伝』では、なぜか畳の上に同盟締結書を置いて、付き添いのお龍と団子みたいに(?)なりつつ呻きながら必死で書いていたが、まあ、あれはフイクションだから。(笑)

滅多に目にすることができない貴重な資料・史料を間近に見学できて、有意義だったし、龍馬ファンでもない自分も興奮してしまった。coldsweats01


展示文書の画像は、前述の宮内庁HPをご参照くださいませ~♪



いつも優雅な御濠の白鳥さん。

もしかして、ロイヤルな雰囲気(ってなんだ?)を演出するために雇用されている宮内庁職員なのかもしれん。

Higashi03

しかし、その優美な姿を見ても、

「スワンシュー、食べたいわわねえ。」
「そういえば、中学の頃、あなたにつきあって六義園に行った帰りに、アルプス洋菓子店でスワンシューとかモカロールとか、お小遣いはたいていただいたわよねー。」
「懐かしいわぁ。今度、行きましょ~~ね。」

と、中高生時代と変わらず、喰い意地が張っているのであった…。

ちなみに、この日同道してくれたKの中高生の頃の趣味が大名庭園めぐりであった。
渋すぎる。


この後、我々は想定外というか、予定外に丸の内~日比谷を流浪していくのである。
続きはボチボチと…。

2010-10-08

ランチ@サントリー美術館 shop x cafe

何だか最近、ランチの記事ばかりな気がするが…。


先日、サントリー美術館の『鍋島展』を観覧した後のランチ。
『鍋島展』は、今年後半に私が観覧した美術展(といっても、たいした数は行けてないが。)の中でも、屈指の素晴らしさだった。
気分良くショップで図録などお買い上げ~~の後は、サクッとお腹を満たそうということで、ミュージアム・ショップ横のカフェへ。


サントリー美術館 shop x cafe
 
東京都港区赤坂9-7-4 東京ミッドタウン内


席数が少ないため、今まで私が同美術館に行った時は、いつも満席。
しかし、今回は、タイミングが良かったらしく、空席あり。
と、いうことで、初めて入ってみました♪

こちらのカフェを運営しているのは、金沢の加賀麩の老舗「不室屋」。



30食限定の「ふやき御汁弁当」をお願いした。



Fulunch01



Fuluch02_2


写真は無いが、ちゃんと小さなお品書がついている。
白い陶器の箱の蓋を開けると、色とりどりの一口サイズのおかずが、綺麗に詰めてある。
こういうの、大好き♪
自分で作るのは大変だし。sweat01

大きなお椀に入った「ふやき御汁」は彩りよく具沢山。
お品書によれば、「ふやき五色汁」というそうで、具は、
花麩、豆乳麩、大根、人参、ほうれん草、かぼちゃ、ごぼう、しいたけ。
帰宅してから検索してみた。
どうやら、不室屋の「宝の麩」という商品を使ったお吸い物らしい。
懐中汁粉のお吸い物版のような、フリーズドライした野菜や出汁の素が入っている麩のようだ。
お取り寄せできるようなので、今度買ってみようかな…。
と、手抜き主婦な私は目論んでいる。(ニヤリ)


金沢の郷土料理・治部煮も、可愛い生麩入り。
全体に上品なお味で、綺麗に出来ていて、女子好み。
小さなお品書きがついているのも、楽しい。

あ、そうそう。
美術展の半券を提示すると、お麩菓子を頂戴できるとのことで、もちろんゲット。
「麩のやき」という甘い麩せんべいを数枚、お土産にいただいた。
京都の御池煎餅のような軽い御煎餅でした。


ごちそう様でした。

2010-10-07

突然のタナテツ。

タテナツ、と言っても、世間様には通じないだろうけど。
俳優の田中哲司さん のことなのだ。
私とランチ仲間たちの間では、田中氏のことを「タナテツ」と呼んでいる。
「玉鉄=玉山鉄二さん」と聞き間違えしやすいが、方向性が全く違うので要注意。
(関連記事: 2010年2月3日 【ややこしや。】 )


田中哲司さん(以下、タナテツで統一)と言えば、現在、『龍馬伝』でラスト・ショーグン徳川慶喜を謎の眉無しメイクで熱演中。
なぜ眉が無いかと言えば、京都に出張する際、娘に眉を返してもらえなかったからだ。(インテルのCM)


タナテツは、大学で演劇を専攻し、舞台俳優として活躍して来たが、いまや地味ながら(失礼)、すっかりお茶の間にも浸透している。
末っ子、独身、天然パーマ。
……という情報は、タナテツを贔屓にしている我がランチ仲間のM嬢からの受け売りだ。
私自身は、役者としてのタナテツには、それなりに興味はあるものの、私生活や経歴には、自分で調べるほどの興味は無い。


そんなわけで、タナテツのお仕事関連について。
前クールでは、『熱海の捜査官』で、広域捜査庁の有能な鑑識官・坂善を怪演。
182センチの長身でガッチリしているので、スリーピースも着映えしてビシッと決まっていたが、妙な髪形で、怒鳴りながら早足で歩いていく姿は、やはり怪しかった。(笑)

また、現在放映中のNTT東日本のCM『365日。少年と父編』では、普通のサラリーマンの優しそうなお父さんを自然に演じている。
NTT東日本のエリアだけに流れているので、ご覧になったことのない方のために、貼っておく。


「普通のこと、ちゃんとやってるんじゃないかな。」

タナテツが演じるお父さんの台詞、ぐっと来る。
そして、自分を省みてしまうのだ。
日々の「普通のこと」を、ちゃんとゃっていないなあ、と。
タナテツお父さんの広い背中が、頼もしく見える。
ミスチルの曲が優しくて、息子役の少年も可愛いし、私の大好きなCMなのだ。


そうですよ。
気がつかなかった方も多いかもしれないけれど、あれもタナテツ。
慶喜公や坂善のようにエキセントリックな役も、こういう普通のお父さんの役も、キッチリこなす力のある人なのだ。

さて、どうして今更、タナテツ氏のことを記事にしたかというと、タナテツについて、ごくごく私的な新発見があったからなのだ。

日曜日の午後だったか、10月8日からTBSで放映がスタートする連続ドラマ 『SPEC』の宣伝番組を、途中から観た。
売れっ子監督の堤幸彦さんが、異色刑事ドラマ『ケイゾク』と共通する世界観、スタッフで、一部キャストも同じくして創り上げるミステリードラマだそうだ。

とりあえず、詳細は番組HPで、どうぞ。

⇒ 『SPEC』公式サイト


ぼんやりと、堤監督や主要キャストのインタビューなど眺めていたら、第1話のゲストであるタナテツ氏が、地味目な私服(?)で登場。
落ち着いた口調で、あまり表情を出さずにインタビューに応じている。

「いやー、タナテツったら、香川照之なみに働き者だねえ~」なんて呟きつつ、ゆる~く映像を観ていた私は、次の瞬間、なぜかハッとした。
タ、タナテツの髪が一箇所、寝癖っぽくピンと跳ねている…ような…。
すると。
まあ、なんということでしょう。(笑)


私の胸が、キュンheart02 と、ときめいてしまったのである。
……か、可愛い…かも…。


いやいや、まさか、まさかねえ。
テレビに映るんだから、ヘアメイクさんが、ちゃんと髪の毛も整えてるはずだもの、寝癖なワケないってば。
天然パーマだからだわ。
きっと、そうよね。

…っていうか、なんでタナテツの寝癖に、こんなに心が乱れる!?
そもそも、私は特に寝癖にときめいたりするってことはない。
まあ、堺雅人さんや阿部ちゃん(タナテツより歳も背も大きいけれど)が、寝起きっぽい表情でピョコンと寝癖があったら、もちろん激しくときめくだろう。
しかし、鷲津だったら、入院中を除いて寝癖NGだ。
鷲津は、ビシッと一部の隙もなくビジネスモードに武装していないと。
そうしないと、あの人は、わずかな隙間からも相手の心情を自分の中に容れてしまうし、己の優しさもダダ漏れしちゃって、結局いろいろと背負ってしまうからね。

おっと、鷲津のことを語る記事じゃなかった。


そんなわけで、自分でもびっくりするほど、いかつい地味なオッサン(田中哲司ファンの皆様、ごめんなさい)の寝癖?にドキドキしてしまった私なのだ。

しかし、それでタナテツのことが好きになってしまったというわけでもない。

突如として、寝癖萌え(なんてジャンルがあるのか不明)、という新たなツボを自覚したということなのだうか。
どうも自分の気持ちを計りかねている。
それで、ちょっとタナテツのことが気になってしまい、彼のことをググッてみたりした。

すると、ここでまた新発見。

タナテツと私は同じ2月生まれで、同じ水がめ座。
生年は違うが、シャレにならないくらいに誕生日が近いのだ。
(ちなみに、私は鷲津とも誕生日がすごーーーく近い。)

ってことはだ。
私とタナテツの運命にどこか共通するところがあるのかもしれん。


などと、普段は殆ど頭の中に無い星座占い方面のことなどを、無意味に考えてしまった。


3日ほどモヤモヤしてしまったので、今日の昼にM嬢に話してみた。
タナテツびいきのM嬢は、案の定、とても嬉しそうに、
「それは絶対にタナテツに持って行かれたわね。」と断定した。
「でもー、私の好みとは全然ちがうわよ。」
「そりゃあ、阿部ちゃんや堺さんみたいな、スマートな佳い男じゃないけどさ。」
「それに、なんか……ハ虫類っぽいじゃん。」(←す、すみませんsweat02)

そこで、すかさずM嬢が攻めてきた。

「ハ虫類みたいで三白眼な44歳なのに、寝ぐせっていうギャップよ。そこにやられたのよ。」
「えーーっ。なにそれ?」

結局、そんなことを言い合っているうちに昼休みが終了。


ううむ…やはり、寝癖でタナテツに持っていかれたのだろうか。

そ、そんなことはない!
断じて、あり得ない!
違うもん!

別に、そんなに頑なに否定することもないのになあ……。

なぜか、うろたえている秋の夜だ。

2010-10-05

『龍馬伝』第40回「清風亭の対決」~後藤象二郎は体も肝も太い男になっちょった。

龍馬最期の日まであと10ヶ月、だそうで。
龍馬が係る事件や、幕末の政治情勢の変転がこれからテンコ盛り(のはず)で、物語は、どんどん急ピッチになっていくと思われる。
ボンヤリしている私の頭は、ついていけるだろうか。
ちっくと不安ぜよ。
そして、土佐藩の特濃セレブ2名(笑)、容堂と象二郎が物語の中心に戻って来たので、楽しみなような、怖いような。
容堂公は、益々なにを考えているのか不明で、今後どうのように龍馬に絡んでくるのか気になるし、最近、濃い老人パワーが不足していた『龍馬伝』に、どう影響をもたらすのか、見ものです。


龍馬の残り時間が少ないという点を訴えるためにか、お龍さんとのラブラブ場面を、冒頭と最後に入れていたが、お龍さんのデレデレっぷりが凄い。
ピストルを撃つシーンは、さすが有能な女性SPらしく(違)、格好良く決まっていたのに、龍馬の顔を見たとたんに、乙女モード…。
可愛いけど…。


さて。
どストレートなサブタイトル「清風亭の対決」どおりに、後藤 vs 龍馬の対決に焦点を合わせて、そこに観るものを集中させてくれたのが良かったと思う。
前回が、ど派手だったのに対して、今回は、それぞれの思惑を秘めた男同士の静かな対決を緊迫感をもたせて、じっくり描いていて、引き込まれた。
相変わらず、顔のアップばっかりだったけれど、後藤も龍馬も、腹の底にあるものを隠しつつの駆け引きを、時には恫喝し、時には微妙に誘ったりしている表情で表現していて、なかなか見ごたえがあったと思う。


このところの後藤のキレキャラ、ドSキャラのインフレっぷりに先々を心配していたのは私だけではあるまい。
嫉妬から龍馬毒殺を図った浅薄な青年上士だった後藤。
『龍馬伝』の黒歴史だと私が思っている「龍馬の大芝居」では、ひどくコケにされて怒髪天を突いていた後藤。
そんな彼が、先々での利害関係の一致があるとはいえ、冷静に過去の因縁を封じ、将来のために大局的な判断を下すに至る道筋を、どうつけるのかに注目していた。
ところが、ちっくとサクサク進みすぎたきらいはあるものの、後藤の貫禄ある大物ぶりに、説き伏せられた感じ。
後藤象二郎役の青木崇高さんは、土佐藩の重役らしい貫禄をつけるために10キロ増量されたそうで、確かに外見からも貫禄充分。
もちろん、見た目の変化だけでなく、内からにじみ出る一筋縄でいかない濃厚大物オーラが凄い。
『龍馬伝』の後藤象二郎は、ゆくゆくは、『ハゲタカ』の飯島さんみたいなキャラになるかも…と思わせる狸オヤジの匂いもするし。(笑)


青木さんの過去の出演作はあまり見ていないが、細身の今時のイケメン、というイメージが強かった。
それがあんなこと(おいおい)に……とビックリ。
『ちりとてちん』(最後のほうしか観てないが)のヒロインの夫となる才能ある若手落語家・草々にいさんや、某自動車会社のドラマCM『サムライ・コード』で、「笑顔がずるい」ファンドマネージャーgawkな部長に心酔していた線の細い青年の面影はゼロですよ…。
いやー、ホント思い切った大増量。
そして、説得力ある清濁あわせ呑む大物政治家らしさを生む表情や所作。
目ヂカラも、全身から立ち上る気迫も、尋常じゃなかった。
素晴らしい役者魂に、感服だ。
『龍馬伝』以降の彼の仕事に注目したい。
だけど、ずうっと小物っぽい描き方をしていたくせに、第4部から、こんなに肝の太い男になったことにしちゃって…。
脱皮とかしたのかな。
そのわりに、分厚くなってますけんど。(こらっ)

なんといっても、龍馬に対する私的な怒りも恨みも腹の底に呑みこんで、藩の政治を背負う為政者としての立場で、龍馬が提示した条件を受け入れる時に放った、たった一言と表情に参った!
「…ええよ。」
しびれました。


対する龍馬くんも、両雄対決場面では、良い感じだった。
大政奉還実現のためだけに土佐藩と手を結び利用する、というように龍馬の意図が単純化されていたのは、時間の都合とか分かりやすくするためだろう、と解釈しておく。
あのように、飄々と周囲を巻き込んで、事を思い通りに進めていく感じや、豪胆にして細心な大物感(褒めすぎ?)は、従来の龍馬のイメージに沿っているので、世間の坂本龍馬ファンにも歓迎されたのでははなかろうか。

二人の会談というか対決の結末は、決して互いに相容れず許せるはずもなく、顔を見るだけでムカつくような感情を胸の底にしまっておいて、まずは利害が一致するので、建前として手を結ぶという、戦略的互恵関係的な描かれ方。
この、オトナの解決に至る道筋で…。
久しぶりに、お姿を目に出来ました!
武市半平太。
そして以蔵。
(…あ、ミヤサコ、じゃなかった収二郎は忘れられてる…。)
感激しつつも、武市さんの凄絶な表情を観て、「痛い、痛い、痛いーーーやめてえええ」と口走ってしまった私……。
大森南朋さんの、あの真に迫り過ぎた表情。
白装束に広がる鮮血。
無意識にお腹を押さえましたよ。本当に。(苦笑)
やっぱり凄いなあ、大森半平太。


ところで。
龍馬くんてば、土佐勤皇党の熱心な党員・支持者みたいな口ぶりだったけど…あれ?
キミは勤皇党の尊王攘夷思想や活動とは、方向が違うとして袂を分かったんじゃなかたっけ。
武市たちのやり方には共鳴できないけど、忠義心は買うよ…みたいな上から目線とか、後藤を責める口実、なんてことじゃないとは思うけれど、ちっくと引っかかってしまった。
そんなことが気になる、小物な私sweat02

会談後の、みんなで「しぇいくはんど」は、ちっくとやり過ぎな気もしたが、あれは龍馬が思い描いていた「上士も下士も無い世の中」への一歩を表しているのかもしれない。
でも、ちょっと臭いな。(ぼそり)


会談シーン以外で印象的だったところ。

弥太郎が後藤から、薩長に接触できるように工作せよ、と指令を受けた時に龍馬の名を出せず、「さ、三年お待ちください…」とか口ごもる場面。
ドラマ『ハゲタカ』での「三年のぉ~~三年の時間を~」by芝野さん を思い出した私は邪道です、ハイ。


弥太郎、次いで後藤から龍馬の行方を問い質されても、眉一つ動かさずにしれっと知らぬ存ぜぬを通す小曽根さんとお慶さん。
したたか。二枚腰。
国際都市・長崎の商人をなめたら…なめたらいかんぜよ!


しかしですね……弥太郎がお元に身の上話を聞かされるシーンは、どういう意味があるのだろうか。
龍馬が民衆を救うヒーローだ、というような持ち上げの意味で、お元に語らせてるのかしらん。
なーんか、今更つて感じで余計な気もしたけど…。
ただし、二人が龍馬の話をしているところに、ふら~っと龍馬がやって来たのは、神出鬼没な龍馬の王道な登場で、あれはアリというか、効果的だとは思うが。
だけど、弥太郎とお元の会話は、龍馬に対する二人の複雑な思いが端的にわかるような軽い会話でも良かったんじゃないかしら。
演技巧者のお二人に頼るのはわかるけれど、この尺をもっと別の場面に使って欲しかった気もする。


さて、次回はいよいよ格好いい担当・高杉晋作さんが退場。
予告映像を観ると、龍馬くんが面会してるっぽいけど、武市さん退場の時みたいに、余計なお世話を焼いたりしたら目も当てられんぞ。

2010-10-03

ティータイム@IDEE Cafe Parc

久々に東京ミッドタウンに出かけた。
サントリー美術館で『鍋島展』を観て、適当にランチを済ませた後、美術館があるガレリア3階を、丹念に一周。
このフロアは、インテリアや雑貨のお店を見る(買う、ではなくて、見る が中心coldsweats01)のが大好きな私にとっては、楽しい場所だ。

かなり真剣に(笑)、あちこち見て回っていたら、ちょっと疲れた。
一息つこうと、気軽に入れるカフェへ。



IDEE Cafe Parc
東京ミッドタウン  ガレリア3階


こちらは、インテリア・雑貨ショップの「IDEE」店内にある。
店頭でインテリアを存分に眺めて楽しんだ後、奥のカフェカウンターへ。
カウンターで注文・支払い・受け取りをして、自分で好きな席に運ぶ方式。
屋内にもテーブルは少しあるが、ほとんどがテラス席。
解放感ある3階のテラスから、キャノピースクエアを見降ろしてお茶をいただくのは、なかなか気持ちが良い。
行列店や高価格店だらけのミッドタウンでは穴場的なお店なので、たまに短時間しかミドタウンに行かない私は重宝している。

Idee03

チョコレートタルト ¥500
オレンジハーブアイスティー ¥350

Idee01_2

サンドイッチはパックに入ったまま出るので寂しい気がするが、スイーツは、このように手を加えてお皿に盛りつけて提供されるので、ちょっと気分が上がる。
ちなみに、上に乗っているのはバニラアイス。

お味は、普通においしいレベルだが、静かにのんびりまったりできる点が良い。
モバイルPCを開いてお仕事中のスーツ男子や、買い物中らしいマダムなど一人客が多かったが、もちろんデート中のカップルの姿もあり。
幅広い客層の方々が気軽に利用できる、という点でもお勧め。


タルトを頬ぼっていて、ふと気配を感じて目を上げたら、こんなお客さんが。

Idee04

パンやケーキの欠片を狙っているのかしら。

2010-10-01

上村松園展@東京国立近代美術館

大勢の美人さんに会ってきました。
眼福、眼福 lovely

上村松園展
東京国立近代美術館

会期
2010年9月7日(火)~10月17日(日)
会期中、一部の作品のを展示替あり。
前期:9月7日~9月26日
後期:9月28日~10月17日

Shoen01

約100点の傑作を集めた大回顧展。
これだけ規模の大きい松園の展覧会は、私は初めて。
画集や映像では、代表作を随分と観たことがあるが、実物は過去に幾つかの展覧会の中で、数点の松園作品を観たことがあるくらいなのだ。
「松園の傑作が堂々集結」と、展覧会HPに謳っているとおりの見事なラインナップだった。
松園芸術の素晴らしさを、間近でたっぷりと堪能できて大満足。
かなり入り込んで鑑賞してしまった。
従って、感想も長めです。sweat02



前期期間中に出かけたので、後期展示作品の『序の舞』(重要文化財)が観られなかったのが残念。
可憐でしとやかな姿の中に、強い意志を潜ませている凛とした女性の美しさを描いた松園の代表作だ。
時間ができれば、後期展示にも足を運びたいが…。
「序の舞」は過去に1回だけ観たことはあるけれど、可能ならば、また観たい。


ほぼ、制作年代順に展示してあって松園の画業がどのように広がり深まっていったかが、順番に鑑賞していけば、分かるように構成されている。
私のように知識が無くて、ただウットリと観ている人間でも、松園が好んだモチーフ(蛍、蝶、雪、傘 など)の使い方のバリエーションや、テーマの掘り下げ方の深化、と言ったことが自然と感じられた。
そして、初期から、完成度が高く、洗練された品格ある作品を描いていることに感嘆した。
初期から晩年まで、その画格の高さは変わらない。
やはり、松園は偉大なり。


間近でみると、松園美人たちの、ふとした仕草や微妙な目の表情、綺麗な生え際や襟足、精緻な着物の柄や質感の表現などなど、ため息がでるくらいに麗しく細密で、画面のどこにも一切の手抜きなく、隅々まで神経が行き届いているのがわかる。

端正で品が良いと同時に、生き生きと血が通っている松園美人。
とても女性らしいのだけれど、媚びたところは微塵も無い。
松園の描く女性の美しさは、官能美や媚態はではなくて、清らかで凛とした美しさとして表現されている。
松園自身が理想としていた女性像なのだろう。


そのような松園美人たちに囲まれて(?)いると、自分の生まれつきの容姿のことは諦めるとしても(涙)、彼女たちの、すっきり伸びた背筋と、たおやかな仕草には、「かくありたい」と、憧れる。
陶然と、美女達に見とれてしまった。
そんなふうに、松園芸術は、人物の洗練された美しさに目が奪われて、ただ見つめて憧れてしまうのだが、一点ずつを見つめていると、作品の持つ物語が立ち上がってくる。
人物の内面や場面の情景を、観るものに想像させて膨らませるように、というところまで計算に入れて描かれているのだ。
そして、計算や技巧を超えて、松園が描く対象の心情に寄り添って、心をこめていたからでもあろう。
だから、観るものを、そっと絵の物語に引き込む力が、作品にあるのだ。
そうなると、ますます絵の前から動きがたくなる。
従って、展示作品前には、自分を含めて動けずにいる鑑賞者が続出(笑)。
ただでさえ、軸物をガラスケース越しに鑑賞することが多いため、作品前が混みがちな日本画展。
これに加えての松園美人の誘引力。
どうしても行列が出来てしまうのは仕方ない。
私は、雨の日のお昼時を狙って出かけたので、部分的に混んでいる程度で鑑賞できて幸いだった。



展示作品のいずれも珠玉作だが、お気に入りの作品をピックアップ。
いやー、選ぶのが大変。(笑)


まずは、可憐さや華やかさの中にも、登場人物の心境が伝わるような一枚。

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  「舞支度」 1914年


祇園の芸妓・舞妓をモデルにして、デッサンを重ね、作品に仕上げる際には、京都のセレブなお嬢様達の踊りの発表会を舞台として設定したとのこと。
いかにも明るく華やいだ画面。
その中で、自分の出番を控えたお嬢さんのドキドキ感、後ろのお友達(?)のややリラックスした様子が、登場人物たちの表情やポーズから自然と伝わる。
松園らしいと私が思う一枚だ。


「虹を見る」(1932年)は、雨上がりの空に虹がかかっているのを見上げる女性達を描いた二曲一双の屏風。
本展覧会の関連webサイト「週刊 上村松園」第4週の【3章-2】にて画像をご覧いだける。(↓画面左側に展示してある作品。)
http://shoen.exhn.jp/special/interview/reiko_nakamura.html

背景は無くて、虹が向かって右側の一双の右上に、ごく淡く描かれているのが肝だ。
赤子を抱いた若いお母さんと、縁側で夕涼みをする粋な姐さん。
それぞれの、虹を見上げる表情とポーズが絶妙だ。


こうした作品と別の世界として、古典から題材を得た作品では、静かな中に女の強さと儚さ、濃い情念が表されている作品もあり、観ているとドキドキしてしまう。

前期の目玉の一つ、「焔」 (1918年)。

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能「葵上」の、嫉妬の暗い焔に身を焦がし、生霊となった六条御息所の姿。
まさに、鬼気迫る女の情念のすさまじさ。
この世のものならぬ気配が充満している。
息を呑んで観ていたら、若いお父さんに連れられた幼稚園くらいのお嬢さんか「パパー、この人怖い~」とひきつった声で訴えて、パパの袖を掴んでいた。
パパは「怖いね…。でも良く観てごらん。」と言いつつ、腰が引けていた。(笑)

表情や着物の蜘蛛の巣柄にはもちろんゾクッとするが、長い黒髪の存在感が凄いと思った。
ここで引き合いに出すのはどうかと思うが、映画『リング』の貞子の怖さは、長い黒髪によるところが大きい気がする。
あれが金髪のモヒカンだったら、そんなに怖くないんじゃないかしら。(妙な例えですみません…)
静かに嫉妬する高貴な黒髪の美女……怖ろしくて、哀しい。


もう一枚、恋のために心を遠くへ飛ばしてしまった女の絵。
「花がたみ」は、謡曲「花筐(はながたみ)」から題材を得た作品。
寵愛を受けた皇子が登極したため離れ離れになってしまい、恋しさのあまり心を病んでしまった女「照日の前」。
多数のデッサンが共に展示されていて、これがとても興味深かった。
モデルの表情を写し取っているところから始まり、試行錯誤を重ねながら素描を繰り返していくうちに、次第に表情から生々しさが消え、ポーズや小道具も変化していく。
完成作では、感情のメーターが振り切れてしまって、心が真っ白になってしまったことを表すような表情になっている。
目元口元に薄く笑みを刷いているが、そこには静かな狂気がある。
こちらには、怖さや凄みは感じられず、ただ哀しい。

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 「花がたみ」  1915年


最後に、かなりツボだった作品。
ふとした日常に見られる女性の美を、慈愛のこもったまなざしで格調高く描くのも松園芸術の真髄。

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  「晩秋」 1943年

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  「夕暮」  1941年
   
二枚とも、色数を抑えて、すっきり落ち着いた画面。
無地や渋い色の着物に昼夜帯という慎ましいが品の良い衣装。

市井の女性が送る何気ない日々の情景。
そのなかの、ふとした瞬間に在る美しさ。
無条件にグッとくる。
しかし…。
慎ましい日常風景ではあるが、生活の疲れ、というものは無い。
生き生きしているが、あからさまでない、というギリギリのところまで生々しさを削いでいるのが、松園の凄いところなのだと思う。


「晩秋」は、障子のつくろいをする女性、「夕暮」は軒先で夕日を頼りに針に糸を通そうとしている女性。
観ていると、心がじわーっと暖かくなり、次いで目頭が熱くなってしまった。
こういう情景を目にしたことがあるわけではないのに、不思議と懐かしいような気がした。
いずれも、松園が幼い日の母の姿の記憶を辿って描いた作品だそうだ。
私も、「日本の母」に反応して、じーんと来たのかもしれない。

このほかにも、松園には、「ザ・日本の凛とした美しい母!」というべき作品が多くある。
最愛の母を失ってからは、母への思慕を込めた作品が多い。

厳然たる男女差別や女性蔑視のあった時代、女性画家、シングルマザー、という険しい道を選択した松園を支えたのは、母だった。
いつでも、母が盾となって松園を守り、最大の理解者だった。
最愛の母の凛とした強さと美しさが、松園の描く女性達に投影されているのだろう。

実に充実した内容の展覧会だったと思う。

展示の素晴らしさだけでなく、WEB展開も一味違う。
前述した「週刊 上村松園」が秀逸。
私は特に、辛酸なめ子さんによる「をんな絵師」全4回がお気に入り。
彼女らしいユニークな視点で、松園の側面に斬り込んでいる感じで、面白い。
是非、ご照覧くださいませ。


「週刊 上村松園」

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