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2010-10-12

『龍馬伝』第41回「さらば高杉晋作」~恐るべしリョーマ菌によるソウルメイト病

薩長同盟の裏書の実物を見て間もないタイミングで『龍馬伝』を観たのであるが、相変わらず龍馬に対しては余所余所しい気分のままだ。
たぶん、“龍馬最期の日”を迎えても、主人公への私の心は離れたままなんだろうなあ。
冷たいヤツだ。(他人事みたい。)

今回は、“龍馬のソウルメイト”高杉晋作の最期。
鈴木CPの“ソウルメイト”発言を読んで以来、なんとなーく、予感はしていた。
そして、『馬関の奇跡』の回の台詞を聞いて、武市さんの最期に続いて“龍馬が起こす奇跡”についてのヤハイ予感もしていたのだが。
当たっちゃった。

と、ここで野暮な疑問。
前から気になっていたのだが、労咳(結核)は空気感染するし、当時は不治の病。
農民たちには近づくなと言っていたけれど、木戸さんや龍馬は、あんなに近づいても大丈夫なのかしらん…。
なんて気になってしまった。


さて、視聴者それぞれが今回をどう評価するかは、ソウルメイトな二人の描き方、魂の継承?に入り込めた否か、これに尽きると思う。

高杉の無念、木戸の苦悩。
とても切なく痛ましく、胸が締め付けられるようではあったが…。
ここに龍馬が食い込んできて、「えっなんで…」という気分になってしまって、私には違和感が残った。
これは、私が龍馬に冷たいから、だろうか…。


余命いくばくもない高杉の姿を、気遣わしげに見つめる木戸。
何もできない自分が歯がゆく、気丈に振る舞う高杉が痛々しく、どんなにか苦しいだろう。
そんな木戸の心痛が伝わる谷原さんの静かな表情。
やっぱり谷原さん、いいですねえ。



そこへ龍馬がやってくる。
大政奉還を巡る意見が対立して、木戸が思わず席を立った時の、「僕の遺言だと思って…」という高杉の言葉にはドキっとさせられたけれど。
立ち去った木戸を龍馬が追いかけての会話に、うーん…。

「高杉さんが見たいのは桜じゃなく、新しい日本です!」(不正確)みたいなことを言ったときには、思わず「えーー」とブーイング。
高杉さんのソウルメイトは自分だから、高杉さんの代弁をします!
だから、木戸さんじゃなくて自分が高杉さんの魂を受け継ぐんだもんね。
ってことですかい。
相変わらず、デリカシー皆無で押し付けがましい龍馬ぜよ、とムッとしてしまった私は、とても器が小さいな。
龍馬の必死さは分かる。
言いたいことも、分かる。
だけど、イラッとしてしまう…。

だってさ…。
強固な絆で結ばれているはずの木戸さんと高杉さんの間に割って入れるほど、龍馬と高杉の心が繋がってるんだぜ、って言われてもなあ。
わしらソウルメイトじゃけんのう(←なぜか『仁義無き闘い』の菅原文太さん風…)って主張された(されてない)木戸さんの立場って…。


『龍馬伝』では龍馬も高杉も、あまり内面を描かれないキャラクターなので、魂とか言われても、ちょっと観ているほうは入り込めん。
いや、高杉さんはとにかくカッコイイ一点張りで良かったと思う。
いい意味で、まず形からというか、伊勢谷さんの容姿や格好いい動き、気障なセリフなどのキレイな形あっての『龍馬伝』高杉の輝きだったのだから。
だから、例え大量に喀血しても、浜辺でにへたり込んで何だか分らんが何かが垂れてsweat02いたとしても、皆に敬愛されるカッコイイ高杉であった。
そのイケてる高杉が、闘いの場でなく、病の床で志半ば、新生日本の産声と成長する様子を見られない無念さは、伊瀬谷さんの大熱演により、胸に届いた。

でも、死期が迫ってきた途端に、龍馬に希望を託すモードに入ってしまって、最期まで龍馬頼みみたいな感じに見えてしまって、あれでは高杉の持つ洒脱で颯爽とした格好良さが減じてしまわれた気がして残念。
なんだか、歯がゆかった。
だから、木戸さんに感情移入してしまったのかも?


高杉と龍馬が浜辺で二人、しみじみと語る場面は良かったと思う。
詩情ある映像で、二人とも、しっかりと静かに思いを語り合っていて、穏やかで切なく美しい場面だった。
未来を語る相手に、未来が無いことを知っている龍馬は、辛さを隠しているのが見え隠れして、いい表情だった。(えらそう)
高杉さんの「坂本さん、日本を頼みます。」も、まあ良しとしよう。

「後は、酒を飲んで、三味線を弾いて、面白おかしく暮らしたい。あの世でね。」みたいなセリフは高杉らしくて良かったと思った。
なので、奇兵隊の農民たちと花見をして、はらはら散る盛りの桜花の下で三味線を弾いている穏やかで幸せそうな高杉が最期の姿かと勝手に思って、「あ、この絵で最期っていいな。」と思ったけんど。

海辺でびしょ濡れになって、嗚咽を漏らしても、それも良いけれど。
「坂本さん…頼みましたよ…sweat02」って。
最期に思いを託すのは龍馬なのか?
木戸さんは? 木戸さんじゃないの?
ま、龍馬経由で高杉さんの魂も木戸さんが継承するってことなんだろうけど。

そして、彼らの思いを、魂を、現代の日本人が受け継いでいるか?みたいな持って行きかたになるんじゃないかと思ったりしてますよ、私は。


話を戻そう。
同じものを見ていた大切な人たちを、一人また一人と失って、最後に残った者が一番辛い、と思う。
木戸さんは、変わった日本でも醜悪なものを見るだろう。
そして、志士達の魂を弔うのは木戸さんだ。
この人が背負っていくものを思うと、これまた辛い。

登場時の軽妙洒脱だったコゴローちゃんが、今ではいつも葛藤し苦悩するリーダー木戸だ。
谷原さんの抑えた演技が、毎回素晴らしい。
タニショー木戸、いい男です。
高杉さーん、なんで、木戸さんじゃないのよー。
『歴史秘話ヒストリア』で木戸さんの素晴らしさをアピールしてたのは、『龍馬伝』でワリ喰ってばかりのコゴローをフォローする意味なのかと邪推してしまったぜよ。


日本の未来を思う人々のココロザシは全て龍馬に受け継がれる…っつーことすか。
いや、『龍馬伝』の後半では、どうしてもそれを描きたいんだろうなぁというのは感じていたし、描き方によっては悪くはないと思いますけど…。
だけど、「みんなのパワーを俺にくれーー!」とか叫んで必殺技DXみたいなの(←意味不明)を炸裂させる、小4男子向けアニメの主人公のようじゃないかね。(分りづらい例え…)
主人公に入れ込んでたら、まあそれでもいいんだろうけれど、気持ちに距離があって、脇の人たちのほうが説得力があると、違和感だけが残るのね。

高杉さんの最期に期待していたので、文句っぽくなってしまったが、物語の流れとしては、すんなり見られたと思う。
それぞれの登場人物が見ごたえあって、「さすが~」と思えたし。
なので、そんなキャラについての感想。


まずは、すっかり大物になった後藤象二郎。
今回も、オイリー後藤(なんつー呼び方)は、やってくれましたよー!
長崎奉行に対する一歩も退かない傲岸不遜な態度。
さすが、天才・東洋様の甥っ子だ。
もちろん、ハッタリ込みの戦術なんだろうけど、すごいわ。
あのムネムネ(青木氏は、一部でそう呼ばれているらしい)の貫禄、ふてぶてしさ、いいねえ。
後藤が出ている間は、決して目が離せない
『龍馬伝』大友さん演出名物・カメレオンより強い存在感だ。

カステラを食い散らかしたうえに、追いすがる奉行の指ごと噛んだところなんざ、普通なら過剰で噴飯ものだが、いやー良かったです。

後藤が立ち去った後に残った、喰い散らかされたカステラの絵。
土佐藩の幕府に対する今の立ち位置を表しているようでもあり、印象に残りました。
唯一、心配なのは、長崎カステラ協会(そういうのがあるかは知らんが)からクレームがつかないかって点ですね。


久々の登場、中岡慎太郎。
やっと出てきてくれたら、あらら…龍馬に対抗するみたいにして陸援隊を創るとか。
あれあれ、陸援隊の設立経緯って、確か龍馬と相談して立ち上げを決めたんじゃないっけ?
これでは、なんだか龍馬に対抗心を持っているみたい見えちゃうよー。
そして、中岡さんは武力倒幕宣言。
龍馬暗殺犯候補に入った感じですよ。
意見対立の末の大喧嘩説、他の男に殺させるなら俺の手で説、軍鶏鍋の具の取り合い説など、中岡犯人説も根強いらしいが…。

とにかく、中岡が出てくると完全に龍馬が霞むので、それで出してもらえないのかも、なんて思ってしまったほど、露出時間は短くとも、力強い慎太郎ですわ。
だけど、龍馬の対応が私にはピンと来なかった。
「方法は違うけど、目指すものは一緒。お互い頑張ろう、負けないぜ。」とかって、昔の青春ドラマみたい。
爽やかだけどさ…。
これまでの龍馬と慎太郎の関係の描かれ方が希薄すぎて、なんだか言葉が浮いている。
慎太郎不在でも、何がしか、彼と龍馬の絆がわかるように仕込んでいてくれていたら、もっと違う受取方が出来るのだろうけれども。


久々に、お龍さんが良かったです。
「人の死と言うものは、終わりだけではないと思います。その人の役割を、志を、引き継ぐ者には始まりなのだから。」という意の台詞。
出番は少なかったけれど、あの言葉には重みがあった。
真木さんのドスの効いた声と落ち着いた雰囲気が効果的なのかも。


高杉の最愛の女性・おうのさん。
控えめでセリフも殆ど無いけれど、高杉の傍らに付き添っている姿は、清楚で慈愛に満ちていて、素敵でした。
花見をしている高杉を見守る温かく哀しい笑顔。
命を賭す覚悟が出来ている男と添い続けて、彼女にも覚悟はあるのだろうけれど、愛しい人が、少しずつ死に向かっていくのを見つめ続け支え続けるのは、どんなに辛いだろう。
とても、柔らかくて、とても強い人でなければ出来ないことだ。
彼女が看取ってくれて、高杉さんは安らげたたろうと思えた。


海援隊の会計担当者になった弥太郎のエネルギッシュさが凄い。
亀山社中のツケの証文を押しつれられて唖然としつつ、バリバリと仕事を進めていく姿は、まさに水を得た魚。
頼もしい。
お慶に、綿花の需給・価格予測を披露し、エネルギー(石炭)確保の重要性を語ったりと、いよいよ大三菱の総帥の片鱗が露に。
こういうの、私はワクワクして好きです。
「心配御無用!」と、秀吉になっていたのは、大河ファンへのサービスですろうか。
香川さんノリノリ。(笑)
次回は 岩崎弥太郎 vs 飯島亮介 が拝めますよー。


さて、次回はいよいよ、『ハゲタカ』ファン待望の飯島、いやアキラの登場ですよ。
紀州名産の高級梅干しをチュウチュウしたり、「紀州藩は八万三千両の賠償金を用意した。口出し料込みの大判ぶる舞や」とか言ったりしないかな。
しないだろうな。
そして、予告の「おまえは何者だ。」が、「あんた何様のつもりや。」
もしくは、「おまえは誰なんだ」に変換された私は、相当に重症です。
できれば、ハゲタカ料亭で交渉して欲しいですな。
…そんな期待するのは間違っちゅうのは重々承知してますが、他に楽しみがないので…。

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コメント

連チャンでコメントすいません。
ほとんど頷きながら読ませていただきました。

高杉さんがカッコイイのはいいんですが、なんかちょっとひっぱりすぎたかな~と思いました。龍馬主役だからしょうがないとしても、高杉さんは龍馬にのみ志を残した感じになっちゃったのがなんともかんとも。
いや、昔からいっしょにいた、桂さんや伊藤俊輔やら井上やら山縣やらがいるのに・・・。ちょっと薄っぺらく感じて残念でした。

あと、今回一番痛感したのは「上川隆也ってやっぱりすごい俳優!」。
時間も少なく、言ってる内容もトートツで?でしたが、一瞬で全部雰囲気持ってった!!って感じでした。土佐弁もこなれて自然に聞こえるし(「ごめんちゃー」が、福山竜馬と違って(笑)わざとらしくない!)、演技っぽくない、けど存在感すごかったですね。

来週の彬様ほんと楽しみですね~。梅しゃぶらせてくれないと許さん(笑)
最近出番が減ってるマユナシ様も、もっと見たいです。

こんばんは
贅沢はいわないから木戸・中岡・高杉あたりの日記や手紙を谷原さんたちが朗読…
そんな番組が見たいです
ドラマで白洲次郎が薩長批判して正子にビンタされてたけど、お前が言うかですよね〜(中の人的に)
木戸は必死に説得、中岡はあっさり互いの道をいこうぜ!
まっこと龍馬がわからんぜよ
(そしてまさかのサンデー百瀬!)

>なつみかんさん

連投(笑)大歓迎でございます~♪


>>高杉さんは龍馬にのみ志を残した感じになっちゃったのがなんともかんとも。


そこが納得できないんですよね。
いくら龍馬を高く評価していても、長州の同志たちのほうこそ、ソウルメイトじゃないかと思うんですけどねえ。
魂とか志って言葉も使いすぎて実が無いので、薄っぺらくなってしまうのが勿体ない。
そして、誰もかれもが龍馬が一番!ってのが…。


>>今回一番痛感したのは「上川隆也ってやっぱりすごい俳優!」。


上川さんの存在感、演技の説得力は、さすがでしたね。
完全に場の空気を変えちゃう。
もうちょっと中岡のことも描いてくれていたら…。
でも、そうすると龍馬が、もっと霞んでしまうかな。(笑)


先週スタートの『SPEC』では、田中哲司さんと上川さんが共演していて、「おっっ」と思いました。
お二人とも、マユナシや中岡の要素ゼロで、さすがでした。

>なかりんさん

ようこそ~~
コメントありがとうございます♪


>>贅沢はいわないから木戸・中岡・高杉あたりの日記や手紙を谷原さんたちが朗読…


なかりんさん、それを贅沢と言わずして何と言う!(笑)
いいなぁ~。谷原さん、声もいいですもんね。
長州なら、松陰センセ(生瀬さん)の声もいいな。
土佐は、武市センセ(大森さん)の声も素敵ですし。(いろいろ妄想中)


>>そしてまさかのサンデー百瀬!


あっっ、記事に書き忘れました!
地味ながら、ここもハゲタカ人事!!
 
うーん、大河内のバカ息子あたりも出ないかしら?

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