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2010-11-23

『龍馬伝』第47回「大政奉還」~ええじゃないか、じゃないぜよ。

最初に言い訳しておきますね。
いつもそうですが、今回は全く話の展開に沿っての感想になっていません。
全体的に感じたことを、思うままに書き連ねてしまいました。
話があちこちに飛ぶので、とても読みにくいです。
そして、あまり口当たりの良いことは書いていません。
最終回直前になって、気分の良くない感想は目にしたくない、という『龍馬伝』ファンの方は、この記事はお読みにならない方が良いかと思います。

とは言っても、私が書く文章ですから、温いし緩いので、お子様向けカレー程度のスパイシーさですけれどね。(笑)




いよいよ、残り2回。
文句を言わずに、菩薩の如き広い心で観たいと思っちょったんですよ。
(無理無理無理…という声が聞こえる/笑)


前回は、龍馬の言うことに納得しかねる点が複数あったけれど、容堂公と象二郎の場面の素晴らしさに免じて(偉そうですみません)、全体としては良かったと強引にでも思うことにして、今回を迎えたのだ。

いよいよ、龍馬の夢だった(らしい)大政奉還が成るまでもう少し。
龍馬のスケールの大きさ、ユニークな発想力と魅力を自然と感じさせてくれるような話になっているんだろうな。
そうでなきゃ、突然にやってくる「その時」に向けてのこちらの気持ちが、物語に沿っていけないものね。
そのためには、徳川将軍家が天皇に政を還し奉る、という事のとてつもない重大さ、それを実行する凄絶な覚悟と決意、それがもたらす大いなる痛みを伴う犠牲……ということをきちんと描いてくれるんだろうね、と期待していたのだ。
そりゃあ、『龍馬伝』だから、龍馬が一番活躍した、ダントツに偉かった、という描写があるだろうと覚悟はてましたよ。
それでも、『龍馬伝』なりに、世の中の動きや、幕府、佐幕派、朝廷、薩長はじめの雄藩倒幕派…など、様々な角度から、大政奉還に至.る事情と人々の心情もちゃんと描いてくれるならば、「ええじゃないか」と思っていたのですよ。

だけどなあ。
あれじゃあ、龍馬に気持ちが沿わないんですよ。
とにかく、全部が全部、雑で嘘っぽく感じてしまった。

大政奉還という大事への流れを、龍馬がおおかた一人で導いた、そして、それを理解するのは、海援隊の他には容堂と後藤ぐらいで、他には理解者は殆ど無し、という四面楚歌状態。
こういう設定にして、龍馬の命を狙う敵だらけにしてしまおう、というのは、あまりにも雑。
それが、「第4部はミステリー」ってことなのかしら。
わからん。

そして、龍馬を危険分子として敵視する人々の背景や心情は完全にスルーだ。
龍馬を温泉療養させてくれた西郷どんは不穏な発言をし、ミッチーは台詞無し、木戸さんもいつもの苦い顔のみ。
中慎は、いつのまにか薩摩の手下みたいにされてるしさ。
中慎フォローはヒストリアにお任せ…ってか。まったく。


今回、大きな決断を迫られ、孤独のうちに苦悩し葛藤して結論を出す慶喜の描き方も、酷く雑。
やたら怒鳴ったりキレたりしてばかりのキャラにされちゃって、あれでは家康公以来の英明な将軍に見えないでしょ。
ここに来て、憂い顔をしたりしても、なんだか慶喜の気持ちにはいり込むことを拒絶されるような描かれ方をされて来たから、ラスト・ショーグンの辛苦と逡巡、孤独が伝わりにくい。
要するに、今までのツケが回ったってことだわよね。
ああ、田中哲司さんの熱演が勿体ない。
私の気になる俳優に昇格(爆)したタナテツなのに。
もうこんなんだったら、大政奉還するべきか否か、を悩むマユナシにレモンかじらせた方が説得力あったかも。(局が違う)

いくら勝に慶喜を慮っているようなことを言わせても、龍馬に慶喜の英断を涙ながらに褒め称えさせても、全部が嘘臭く感じてしまった。

前述したように、慶喜の決断の重さや痛みを想像するための下地が創られてこなかったんだもの。
慶喜が将軍職を引き受けた時以来の幕府の状況も、ほとんど触れられていなかったしね。


それにしたって、ここまで来たら、(私みたいに)龍馬に何の思い入れも無い視聴者でも、一年近くの付き合いだったんだから、これからの構想が膨らんでいる時に人生を絶たれる彼を心から惜しんで涙の一粒でもこぼれるように仕向けて欲しいのだが。


むーーーーーー…。

少なくとも、今回はその気配無し。

おかしいなあ…。
なぜ、こんなに心が薄ら寒いのかしら。
「カウントダウンですよ、盛り上げますよ!」という制作サイドと自分の気持ちの温度差が、どんどん開いていくような、そんな45分間だった。

決定的だったのは、唐突に登場した勝の、幕臣の今後を憂う言葉に対する龍馬の問題発言だ。

「そんなこと、どうでもいいですろう。…(中略)…商人や職人や百姓らと同じように、自分の食い扶持は自分で稼いだらええがじゃき。」

えっと……この龍馬は、幕臣というのは働かないで搾取するだけの人々だったって、マジでそう考えてんの?
…ひとつ、人の世の生き血をすすり
ふたつ、不埒な悪行三昧…
って退治される悪代官とか勘定奉行じゃあるまいし。(笑)


それじゃ、徳川幕府はどうやって廻っていたのさ。
禄高以上の働きをしていた人がほとんどだったから機能してたんだと、私は思うけどね。
で、自分も幕臣たる勝は、なんでこの暴言を「一本筋が通っている」とか持ちあげちゃうの?
オババは耄碌してしまったんだろうか。
龍馬の言っていることがイミフぜよ…。

龍馬に、こんな乱暴なことを言わせては台無しなんじゃないかしら。
龍馬が、大政奉還後の仕組みを、きちんと考えていた、というふうに受け取れなければ、龍馬が英傑に見えなでしょ。
「そんなこと、どうでもいい」なんて無責任なこと言っちゃうなんておかしい。
幕府廃止後に混乱なく新体制を整える事まで考えていた龍馬の言う台詞じゃないと思う。

あれじゃ、坂本龍馬のファンも喜ばないと思う。
龍馬に関心が薄い私ですら、「こんなことを言うのは龍馬じゃない。」って思ったもの。
甘っちょろくても、「これからは所属していた組織に関係なく皆で手を取り合って日本の新しい仕組みを作っていきましょう」的なことを言わせたほうが『龍馬伝』の龍馬らしいし、青臭くても共感できたと思うんだけど。
こういう時のための伝家の宝刀「日本人」なんじゃないの?


それと、笑っちゃったり呆れちゃったりしたのが、この期に及んで、登場人物全員が口々に龍馬を持ち上げる発言をすること。


タイセイホウカン って 大政奉還 じゃなくて 大勢幇間 て書くのかと思っちゃったぜよ。(強引…く、苦しい…sweat02)


かえって、龍馬が安っぽく見えてしまう。
あれじゃ、せっかくの福山さんの頑張りが勿体ないことになってしまうじゃないですか。

龍馬だけが真・善・美っていう基本姿勢は、龍馬の『伝』なんだから、ある程度は仕方ないとは思う。
私だって、カッコイイ龍馬のスケールが大きくてワクワクする活躍に魅了されたかったんですよ。ずっと。
だけどねえ…だめだったのよ。
第4部に入って、「龍馬いいじゃん!」と思っていたのに……。
ラスト直前で、なんでこうなるの?
いちいち、龍馬の台詞や動きに引っかかってしまう私がいかんのだろうなぁ、ということもわかってます。
(前回、容堂公の前で立ちあがって話す龍馬とか。あれが封建社会への抵抗の表現とでも言うつもりの脚本のト書きだったら噴飯ものだ。…とか目を剥いていた私は了見が狭いんだろう。)


あー、それから文句ついでに。
近藤勇びいきとしては、新選組の扱いの惨さに目を覆いたくなった。
龍馬暗殺犯候補として終盤に出したいとか、幕府のために働く彼らを旧体制の無自覚な犠牲者みたいに描きたいのだろうけど。
最初の頃の格好よさはどこに行ったんじゃー!
つーか、局長は副長や組長と一緒に見廻りしないとか、旗本クラスの幕臣の警護は新選組に任せてもらえなかったはずとか、今更言わん。
だけど、こんなダサくてダメになっちゃった新選組に龍馬が殺られるわけないじゃん…って思ってしまいますけどね。
最後までほとんど口を利かず、スタイリツシュで怖ろしく腕の立つ新撰組にしておいてくれれば、龍馬暗殺犯候補の上位に置けたのに。
これも勿体ない。



文句が長くなってしまったけれど、もちろん良い場面もあった。

まずは、第四部ダントツの男前・象二郎。
史実に沿った龍馬の脅迫(違)メール(誤字があったっていう、あれですね)を読んだ時の獣じみた(褒め言葉よ)表情。
そして、二条城に集まった他藩の重役が腰が退けている中で、たった一人、決死の覚悟で恐れ多くも将軍に直答で大政奉還を進言する場面にはしびれた。
主君に諫言するのも忠臣の証だ。
いかしてるよ、後藤様!
また、あの時のマユナシの全身から吹き出すような憤怒の情がハンパなかった。
ドS対決、見ごたえありました。
そういえば、象ちゃんも確か龍馬暗殺犯候補だったはず。
これも「ミステリー」?



それから、ここに来てまた大物登場。
石橋蓮司さん。
この方、不思議とどんなに安いドラマに出ても決して御本人は安くならないのだが、『龍馬伝』でも、その高値安定ぶりは変わらず。
流石の存在感、重量感。
そういえば、石橋さんは、映画『竜馬暗殺』で中岡慎太郎役だった。
不思議な魅力のある異色作だったという記憶がある。
夏ごろだったか、池袋の新文芸座でやっていたのに観に行けなかった…また観たいな。
(テレビで一度観たことがあるだけなのだ。)
あ、話がそれました。

永井玄番頭は、龍馬のアポなし突撃おねだりを聞く前に、ちゃんと容堂の真意を汲んで慶喜に進言していた場面がありましたね。
この人も能吏であり、忠臣だ。
後には、五稜郭で土方歳三らと共に闘ったんだもんなあ…って龍馬伝ではそこまでやらんけど。

龍馬にだって良いシーンはあったぜよ。
藤吉に六分儀で星を見せたり、満天の星空を皆で眺めつつ、明るい未来を語ったり、しばし静かなひと時を過ごす場面。
間もなく、龍馬と藤吉に訪れる不吉な影は、未だ見えない。
この平穏さが、切ないのだよね。



ということで、これで毒の吐きおさめとしたいものだ。
号泣できるくらい素晴らしい最終回であることを信じたい。

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コメント

またしても概ね同意です~。
特にマユナシ様に拍子抜けでした。どうせならあのキャラでひっぱりまくって、最後あがきまくって暴れまくってキレキレの演技が観たかったですw。

みなさんやはり龍馬の「そんなんどうでもええ」発言にはひっかかっておられるようで。
私もTVで即座に「どうでもよくないやろ!」とツッコミ。ギャグかと思いましたよ~。もうちょっと言い回しだけでもどうにかならんかったもんか。
あれじゃぁホンマ、単なる過激派思想テロリストですもんね。貿易なんかもやってたんだし、もっと現実的な戦略家だったはず・・・

NHK、土曜ドラマや火曜ドラマじゃ、けっこう複雑で制限ギリギリみたいな面白いドラマいっぱいやってるのに、やっぱり、大河ドラマっていろいろ制約があって難しいのかなーなんて考えちゃいました。

こんにちは
本編より今日のスタジオパークの方が面白いのはどういうことだー(笑)
後藤様頑張ったねの回でした
沖田が元気だなぁ
この龍馬は沖田を見舞いそうです
そして大きな夢を語りニッポン教に入信させると
いやだー
予告の中岡(お龍さんの前ね)美人アングルはさすが大友回でごさいますね

なつみかんさん


いらっしゃいませhappy01
コメントありがとうございます。


読みにくい感想ですのにお読みいただいて更に同感していただけて、心強いです。
ラスト直前なのに、いろいろと残念なところがあって、本当に勿体無かったですね。


>>特にマユナシ様に拍子抜けでした。
>>どうせならあのキャラでひっぱりまくって、最後あがきまくって暴れまくってキレキレの演技が観たかったですw。


いやー、まったくでごわす。
従来の慶喜のキャラ設定と大きく違った人物像にしたというならば、いっそのこと大政奉還に至る彼の言動・行動もトンデモにして大暴れさせても良かったですね。


龍馬の問題発言。


>>ギャグかと思いましたよ~。
>>もうちょっと言い回しだけでもどうにかならんかったもんか。


そうなんですよ。
あれは本当に「何をしゆう!」でしたねえ。
あれじゃ台無し。


演出面ではチャレンジングな姿勢を貫いていて、キャスト・スタッフのクオリティも素晴らしい『龍馬伝』なのに、肝心の時代背景や人物の描写と掘り下げが足りなすぎて、薄っぺらい感じになってしまったりで、とにかく勿体ない。

最終回こそ、「何をしゆう!」と叫ばずに観たいものです。

なかりんさん

ようこそ~
コメントありがとうございます。
本当に今日のスタパは楽しかったですね。
福山さんの好感度がぐぐーんとup
応援ゲストの父上・児玉清さんも、とっても素敵で♪
撮影秘話も聞けたし、大友チーフDも一瞬登場したし、充実してましたね。

>>沖田が元気だなぁ

確かに! 
池田屋事件の時、元気に歌ってましたけど、いまだに元気。
労咳は高杉さんオンリー?
龍馬ったら、近藤さんをかまってましたけど、新撰組のことは、もうそっとしてやって欲しいと思いました。(苦笑)

拡大版の最終回、出るか、大友マジック!
楽しみにして待ちましょう。

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