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2011-01-11

植田正治写真展&MOMASコレクションⅢ@埼玉県立近代美術館

正月休みも終わったのに、まだ心身ともにゆるみきっている。
録画して観ていないテレビ番組を、おやつ片手に観て過ごす休日は楽しいが、家でゴロゴロするのは体型のトトロ化に拍車をかけるのでよろしくない。
ちっくと出かけようかのう、天気も良いし……。
てな感じで、連休中に展覧会に行って来た。



植田正治写真展 -写真とボク-

会場   埼玉県立近代美術館

開催期間   2010年12月18日(土)~2011年1月23日(日)

展覧HP  http://www.momas.jp/3.htm

Urawa01

埼玉県立近代美術館は、JR北浦和駅そばの北浦和公園内にある。
開館時間前に行って、公園で朝の散歩も楽しんだ。
晴れて風も無く穏やかな朝て、木々の下をそぞろ歩くのは気持良かった。
公園内の池の表面は凍っていて、さすがに日陰は寒かったが、御近所の方々の犬の散歩コースとして人気が高いらしく、あちこちで愛犬オフ会(?)が開かれていた。


この公園の名物・音楽噴水。
音楽に合わせて自動制御された噴水が踊るような“演技”を披露する。

冬季は10時から18時の間、2時間ごとにプログラムが見られる。


Urawa03

虹もかかって綺麗だった。

Urawa04

検索したら、いくつか動画もあったので、ご参考までに。
http://www.youtube.com/watch?v=EjqD0j_w0RE


春夏は近くで観ると気持ち良いのだが、さすがに1月は寒いので、少し離れて見物。
でも、噴水って何故かテンションが上がるもので、見ているうちに元気になった。
グッジョブ、音楽噴水。good



モダンでユニークなデザインの埼玉県立近代美術館。
故・黒川紀章さんの作品。

この美術館は決して新しくはないが、広々していて鑑賞しやすい。
今回は巡回展だが、独自の企画展の時は、いつも工夫を凝らした立体的な展示をしてくれる。
数々の名デザインの椅子が館内のいたるところに配されていて、自由に腰掛けるとこができるのも嬉しいし、ミュージアムショップやレストランも魅力的だ。

Urawa02_2

★゜・。。・゜゜・。。・゜☆゜・。。・゜゜・。。・゜

では、本題。


鳥取県境港出身のアーティストといえば、水木しげると故・植田正治……くらいしか知らない私。(汗)
昔から書店で風景や花の写真集の立ち読み(立ち見?)をするのが好きだし(←高いので、なかなか買えない。)、何冊か自然を映した写真集も持っている。
けれど、写真芸術のことも良く知らないし、写真展にはあまり足を運ばない。
そんな私だが、「どこに行こうかな~」と調べていた時に、この写真展を知って、是非とも行きたいと思ったのだ。


鳥取砂丘を舞台に人物や小道具をオブジェのように配した植田さんの作品を初めて観たのは、テレビの美術番組でだった。
モダンでスタイリッシュであると同時に、温かさを感じるモノクローム写真にひかれるところがあったし、国際的な評価を得たにも関わらず生涯、故郷を離れずにアマチュア精神を貫いた姿勢にも興味があり、もっと色々と作品を観たいと思った。
その後、書店で写真集を手に取る機会が何度もあったけれど、結局は購入もせず、それっきり。
そんな折、大規模な巡回展が埼玉にやってくると知り、これは是非とも行かねば!と思ったのだ。


休日の朝ということもあってか、会場はわりと空いていて、自分のペースで鑑賞できた。
気のせいか、モード系のオシャレなお客さんが多かった。
その中に、御近所の家族連れや、私のようなトトロ体型の田舎の婆さんもいるところが、気楽で良い。(笑)


ほぼ年代順に作品が展示されている。
砂丘を舞台にしたシリーズでは、人物や小道具の配し方のリズムや、砂丘と空の面積の配分など、まさに絶妙。
砂丘で女性モデルを撮影する土門拳を被写体にした作品、なんて変わり種もあって面白い。
これは、カメラ雑誌の企画だったらしい。

砂丘シリーズの他にも、境港の海や近隣の山を背景にした地元の人々の笑顔を映した作品のように微笑ましく素朴な作品もある。
また、植田さんの意図から離れて移ろう自然の美しさ…例えば海面のきらめきや砂丘の波紋に映る影や…という作品も素敵だ。

一枚一枚が、新鮮で面白くて、いくら見ても見飽きない。
モダンでスタイリッシュなのだが、つんとすました風ではなくて、どこか素朴であったかい。
私にとっては非日常の舞台である砂丘だが、植田さんやモデルだちには、ご近所の日常。
だから、シュールレアリズム絵画のように見える一方で、背景とモデルが馴染んでいる自然な雰囲気もある。
でも、決して世界が狭くなっているわけではない。
そこが凄いのだ。
植田さんが、地元で家族や友人知人や自分自身をモデルにして、何にも拘束されないアマチュアとして撮影していたことの意味が、なんとなくわかった気もした。(気がしただけ。)


リアリズムこそが写真の真髄と言われていた時代に、自分の表現方法として演出写真を極めていった植田さん。
強い信念と写真への深い愛があった方なのだなあ、と改めて感銘を受けた。
なんて、わかったふうな事を書いたけれど、作品を観ていて、一番強く感じるのが、植田さんが写真を撮ること、ファインダーをのぞくことに、たまらなく幸福を感じていらしのだろうな、という雰囲気だ。
でも、きっとそれが良い写真を撮る姿勢として必須のことなんだろう。
そんなことを感じたのは、特別展示されていたプライベートに家族を撮影した写真や、運動会を撮影した8ミリ映像を観たからかしらん。

というのが、シロウトの簡単な感想でした。



私のように、殆ど植田正治の作品や、写真芸術そのものに関する知識がない人間でも、充分に楽しめた。
写真に興味がある方ならば、尚更だと思う。
植田さんの作家性そのものが表現された「演出写真」には、好き嫌いが分かれるとは思うけれど、その強いオリジナリティには誰しも感服するはず。

たまには写真展に行くのもいいな、と思ったひと時だった。


植田正治さんについてや作品の画像にご興味がある方は、こちらをご参照くださいませ。

植田正治写真美術館 HP
http://www.japro.com/ueda/index.html




♪:;;;:♪:;;;:♪:;;;:♪:;;;:♪:;;;:♪:;;;:♪:;;;:♪:;;;:♪:;;;:♪:;;;:



この写真展(企画展)を鑑賞した後は、常設展『MOMASコレクション』へ。
(詳細は こちら)  

この常設展示は、四半期ごとに展示替がある。
Ⅲ期では、西洋と日本の巨匠の名品から現代アートまで、多様な収蔵作品を鑑賞できる。
西洋画は、ドラクロワ、ルノワール、モネ、ピサロ、ピカソ、フジタ、シャガール、デルヴォーなど……。
日本画は、玉堂、観山、大観、麦僊…など。
観山の屏風を畳に座って間近に鑑賞できるという展示方法は、とても嬉しかった。
とはいえ。
展示室の床に唐突に畳が2~3畳(うろ覚え)敷いてあって、そこで座って鑑賞しても良いと言われても、ちょっとためらう。
近くに、おしゃれな藤椅子も置いてあったので、そちらに座って鑑賞しようか迷ったが、本来の屏風を観る位置から鑑賞できる滅多にない機会だ。
思い切って畳の端に座って観山の超絶技巧をつぶさに観ることにした。
小心者なので、周囲に人がいない時を見計らってだ。(笑)
うっとり見つめていたら、後から他の鑑賞者がいらしたので場所を譲り、形だけみたいになってしまったが、短い間でも傍に座れたので満足。
立ちあがる時に、よろけて倒したりしないかと、どきどきしたけど。(汗)

他にも、新収蔵品のコーナーに熊谷守一の木版画が展示されていて、思わず「わーいモリだぁーheart01」と口に出してしまって、やや恥ずかしい思いもした。(汗)
だって、蟻の版画、すんごく可愛いんだよーー!

古今東西の名品を、空いている展示室で心行くまで鑑賞できて、贅沢の極みであった。

まんぞく、まんぞく。

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コメント

唐突におじゃまします。(笑)
さすが、美冬さん。いつも素敵な情報をありがとうございます。
昨年末は毎週のように美術館巡りで忙しくて、近場しかチェックしておらず全く知りませんでした。(って、単なる検索ベタ&ズボラなだけ)
植田正治さんはなんとなく地理的に身近に感じていたアーティストでしたが、いつか日曜美術館で取り上げていたのを見て、その独特な撮影方法に驚きいつかオリジナルプリントを見たいとぼんやり思っていました。

記憶があいまいですが、龍馬じゃなくて福山雅治さんとコラボしていたような・・・。
美冬さんの記事を拝読して是非、お邪魔してみたいと思いました。
でも、根性無しなので行く!と言いきれないところがワタクシなのであります。。。

nanakoさん 

いらっしゃいませ♪
コメントありがとうございます。

nanakoさんはご謙遜ですが、私は真性根性なし&モノグサなので、行きたい展覧会がいっぱいあっても、実際には腰が重くて足を運ぶ件数は少なく、ブログの記事にできる件数は更に少ないのです。(汗)
御多忙な年末に、精力的に美術鑑賞活動をされたnanakoさん、さすがでございます。
私は結局、ドガ展もゴッホ展も、大混雑の噂を聞いて迷っているうちに行けませんでした。
ガッツが無さ過ぎですね…。


>>龍馬じゃなくて福山雅治さんとコラボしていたような・・・。

おお、素晴らしい記憶力でいらっしゃいます!
随分以前に、その話を聞いた覚えがあります。
龍馬の中の人に愛がないせいか、記憶力減退がハゲしいせいか(たぶん、こっちが正解)、すっかり忘れていました。
改めて調べましたら、植田さんは福山さんのアルバム「HELLO」のCDジャケットの撮影をされたことがきっかけで、福山さんに写真を指導して親交があったんですね。
その時のジャケット写真が、さすがに美しいです。
http://asp30.ntua.edu.tw/scn/9910729/single%20hello.html

埼玉県立近代美術館は、館内も周辺環境も、都心のオシャレ美術館とは比べられない殺風景さですが、頑張っている美術館です。(えらそう。)
nanakoさんにはご不便なエリアかと思いますが、もしも機会がございましたら、覗いてみてあげてくださいね。(←母?)
企画展も良かったですが、現在常設展示にモネの「ジヴェルニーの積みわら 夕日」が出ています。
最近の私は、改めてモネがマイブーム(古い)になっているので、その光と空気の表現の美しさに、静かに興奮しました。

おぉ~こんな美術館もあるのですね~。
都内住まいなので、埼玉のほうはトンと疎くて・・・。いつか行きたいです。
私も、昔は写真のよさってイマイチわからなかったのですが、30過ぎてからひかれるようになりました。

美冬さん、お写真とか絵がお好きなようなので、ものすご~く差し出がましいのですが、もし、お時間あったり休憩したいときに、ちょっと覗いていただきたい所がありまして。

http://p.booklog.jp/users/amenbo2

母の写真+一言日記みたいなのを まとめなおしたものなのですが、手前味噌なのですが写真がわりと面白いのがあります・・・。よろしければ、感想きかせていただけないでしょうか・・・。いつでもかまいませんので。

数回ブログでコメントやりとりしただけの間柄なのに、すみません。coldsweats02 宣伝というよりは、完全な初見の方の感想を純粋にお聞きしてみたくて。
お気軽によろしくお願いいたします。

なつみかんさん

いらっしゃいませ。
コメントありがとうございます。

【雑記帳】の件、ご案内いただき、ありがとうございます。
なつみかんさんのようなプロのクリエイターの方に私のような素人が、とても大切なお母様の作品を拝見して何か申し上げるなど、不遜ではないかしら…と、ためらいました。
でも、せっかく「気軽に」とお声を掛けてくださったのだからと、お言葉に甘えて、まずは1年半分だけを拝見して参りました。

写真も文章も、簡潔で、ご自分の言葉になっているところが素敵ですね。
幅広くインプットし、そこから感じたことと考えたこと、その両方を、ご自分なりのアウトプットの仕方で表せる方だったのだなあ、と感心いたしました。
お嬢さんが美術系の分野に進まれたのも頷けます。
また、知的好奇心が旺盛で、とてもしなやかな感性の持ち主でいらゃったということも、文章から良くわかります。
きっと、日々を新鮮なお気持ちで前向きに過ごしていらっしゃったことでしょう。
見習わなくては。

なつみかんさんが思いをこめて調えられた大事な作品集ですので、時間があるときに、ゆっくりと拝見いたしますね。
少し時間がかかるかと思いますが、一通り観終わりましたら、改めて、なつみかんさんのブログへお邪魔して、コメントさせていただきます。
簡単で拙いことしか書けないと思いますが、気長にお待ちいただければ幸いです。

丁寧なコメントいただき、感謝です。
他にもいろいろお忙しかったりするかと思うのに、すみません。

またいつでもかまいませんので・・・私のブログでも、
もしくは http://p.booklog.jp/users/amenbo2 本体にもコメント書くところがあるのでそちらでも。

でも、今回いろいろいただけたので、これでも十分ですので。
ありがとうございました。

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