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2011-01-18

『男前列伝』 植田正治×石橋凌

以前、弊ブログで簡単にご紹介したことのあるテレビ番組『男前列伝』。


己の美学を貫いた“男前“たちの生き方に、様々な分野で活躍する役者やアーティストが触れて、自分のフィルターを通して、その魅力を語る…というような番組だ。


1月15日に放送された回では、先日、展覧会で作品世界にひたったばかりの写真家・植田正治さんが取り上げられていた。
(展覧会の感想は こちら )
当日みられなかったので、録画したものを昨日みた。




男前列伝
 毎週土曜日  9:30~9:59  BS-hi
   番組HP⇒ http://www.nhk.or.jp/artbs/program/index3.html

【再放送】
 平成23年1月19日(水)   8:00~ 8:29 (BShi)

 平成23年1月20日(木) 20:00~20:29 (BS2)


この番組は再放送の回数が多いので、上記再放送の後に、更に再放送される可能性が高い。
ご興味がおありの方は、番組HP内【カレンダー】で放送予定をチェックしてみてくださいませ。
また、この番組は、NHKオンデマンドでも配信されます。



植田さんの男前な生き方に触れるのは、俳優/ミュージシャンである石橋凌さん。
私にとっては、『外事警察』の有賀局長、『龍馬伝』の長崎奉行が記憶に新しい。
渋くて雰囲気のある役者さんだ。


植田さんの写真に魅入られた石橋さんは、1985年にARB時代のアルバム・ジャケット撮影とPVの監督を依頼した。
これがきっかけで親交を深め、ご自分の結婚写真も植田さんに撮影依頼。
この結婚写真が、とても素敵なのだ。
砂丘と空だけを背景にして、モーニングとウェディングドレスに身を包んだ石橋さんと奥様の原田美枝子さんが腕を組んで映っているモノクローム写真。
まさに、植田正治の世界。
お二人とも、それはそれは幸せそう。
結婚写真が、自分の敬愛してやまないアーティストの作品だなんて、他に変えられない幸せじゃなかろうか。


海を前にした砂丘や、植田正治写真美術館で、植田さんの魅力を穏やかに語る石橋さんは、とっても渋い。
余裕ある大人の色気が漂っていた。
こうして、先達の美意識に触れて更に輝く現代の“男前”を堪能できるのも、この番組の魅力のひとつ。


石橋さんは、植田さんの作品に惹かれただけでなく、撮影を通して、その人間的魅力に惚れこんだという。 
優しくてユーモアがある素敵な方で、力で他者を動かす方ではないけれど、ブレずにご自分のスタイルを希求し続けた強さがあったと思う…というのが石橋さんが語る植田正治像。

PV撮影時のエピソードは、植田さんの無邪気な“写真少年”ぶが微笑ましい。
また、アルバムジャケット撮影時には位置やポーズ以外に細かい指示は出されなくても、次第に植田さんが被写体である自分に望むことが伝わってきた、というお話も興味深かった。
もしかして、優秀な写真家は、モデルに言外に意図を伝えることに長けているのではなかろうか、なんて思った。


植田正治さんが住んでいらした家で、ご子息が語るエピソードも、素敵だった。
朝から、雲や風の様子に敏感に反応して、その日の撮影場所やシチュエーションをイメージして出かけ、満足できる写真が撮れると、「良い写真が撮れた!」と、大喜びで帰宅したとか。
家業の写真館は奥様に任せて、自分は好きな写真を撮りに出かけてばかりだった……等、お父上の思い出を語るご子息は、とても嬉しそう。

写真を撮ることを「写真する」と表現して、純粋に楽しみ愛した植田さんを支え、温かく見守っていたご家族の優しいまなざしも、植田さんの写真の中に漂う幸福感を増していたのだろう。
家族と写真、その両方を愛し愛された幸福な方だったのだ。


楽しい写真だけを撮りたい。
楽しい写真しか撮れない。

そんな植田さんにも、写真を撮れない辛い時代や、自分の撮る写真が時代の気分と合わない日々があった。
プロパガンダ写真以外は排除された戦時下や、一切の演出を否定するリアリズム写真全盛時には、植田さんが自分の写真を撮れなかったり、発表する場が失われたりしたのだった。
しかし、決して撮りたくないものは撮らなかったし、自らの写真のスタイルを変えることも無かった。
絶対に、ブレなかった。
植田さんは「写真する」ことに何にも変えがたい幸せを感じていた。
だから、作品を植田さんの作品を観ると楽しく幸せになる。
撮る自分が楽しくて、観る人も楽しい写真を世に送り出すことが幸せ。
そういう写真しか撮れなかった。

揺ぎ無い自分を持っている人は、本当に強い。


写真展に加えて、この番組で更に植田正治さんの魅力を知ることが出来て良かった。

蛇足だが、福山雅治さんも、アルバム『HELLO』のジャケット撮影を植田さんに依頼し、それがきっかけで写真の指導を受けて交流していらしたとのこと。

ということは、植田さんは、『龍馬伝』の龍馬と長崎奉行の二人から慕われていた凄い方なのだ。wink

才能あふれる二人の男前から敬愛された写真家・植田正治さん。
真の男前だ。

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コメント

こんばんわ 美冬さま

今回の「男前列伝」もよかったですね。
私はこちらの番組は気付くのが遅くて去年の11月から
です。(初回はARATAの回でした)

ちょっと話はずれますが、最近偶然見たドキュメンタリーと
相まって色々考えさせられました。

”NHKスペシャル 日本は何故戦争へと向かったのか”
です。お察しの通り「江」からテレビをつけっぱなしで見たんですが(笑)
全4回シリーズでもう2回は放送済みなのですが(スミマセン)、
第3回が2月27日、第4回が3月6日に放送予定ですので
もしお暇で興味がおありでしたら見てみてくださいませ。

特に第3回はマスコミの報道の仕方が国民の戦意をどのように
あおったかというようなことを取り上げて(一応)検証するようです。

”お国のため”とか”一億玉砕”とか私でも知っているスローガンに
踊らされていわゆる”大本営発表”しかない時代に「写真する」ことを
貫いたのは素晴らしい方ですね、植田さんって。
機会があったらお写真を見て見たいです。

追記 伊達さんの特典映像の感想などお聞かせくださいますと
泣いて喜びますです。

むぎこがしさん

いらっしゃいませ♪
コメントありがとうございます。


『男前列伝』、なかなか濃い内容で面白いですよね。
今回の植田正治さんは、作品から感じる温厚なお人柄の奥の強い芯を照らした内容で、とても良かったです。

>>”NHKスペシャル 日本は何故戦争へと向かったのか”

家人が録画していたので、私も気になっている番組です。
まだみていないので、是非、次回までに2回目まで観ておきたいと思います。


『JOKER』の特典映像については、しばしお待ちを…。
たっぷりとメイキング映像とインタビューが入っているので、とても見ごたえがあるんですよ。
ドラマ作りの現場を垣間見れるという側面からも、とても面白いです。
できれば、もう1回観てから、記事にしたいと思ってます。

お返事ありがとうございます。
いいなあ~伊達さんにたっぷりお会いになれて…
うらやましくてたまりません。
が、やっぱりBOXを買うほどの愛はない(ひどい!)
のでやっぱりヒミツの4兄弟に癒してもらいます。
あ、ちゃんとWOWOWで放送した「クヒオ大佐」
も「今を生きるネイティブアメリカンを訪ねて」も
見ました。けれど…ちょっとやっぱり私の好みとは
ちょっとちょっと微妙にずれていたかもしれません。
スミマセン、土曜日には「南極料理人」がやっぱり
WOWOWで放送するのでそちらを楽しみにしますね。
「南極料理人」のフードコーディネイターをされた
飯島奈美さんが大好きで映画は見ていないのに
「ごはんにしよう。ー映画「南極料理人」のレシピ」は
持っています(笑)。
飯島さんにほめられた(「だから駄目なんだ」(違))
という堺さんのおにぎり食べたいです。

ところで美冬さまはピエール瀧好きでしたか?
Tsumireさまのお家の書き込みで見たような?
記憶ちがいでしたらごめんちゃしてください。
今週の土曜日の「チューボーですよ」にピエールさんが
ご出演されますね。先週は佐藤健くんでしたし、
そんなところでも龍馬伝を偲んでいる私でした。

むぎこがしさん

いらっしゃいませ♪
コメントありがとうございます。

私も飯島奈美さんが参加された作品のお料理は、とても美味しそうなので注目してしまいます。
ドラマ『深夜食堂』のお料理なんか、夜更けに見るのが辛いくらいでした。(笑)

『南極料理人』のレシピ本は、映画のDVDと一緒に購入して、持っております♪
まあ、作るためというよりは、完全に写真を眺めて楽しむための本になっておりますが…。
見ているだけでも楽しくなりますよね。
本で紹介されていたお料理を、映画でもお楽しみくださいませ~。
それぞれの料理にまつわるエピソードも、いちいち面白いです。
もちろん、作品自体もゆるゆると面白いですし、役のためにふっくらされた堺さんも素敵です。

高良健吾くんも、良い味をだしてますよ~。
『ハゲタカ』のクランクアップで、「もう一つの現場がゆるかった」と高良くんが言っていたのは、間違いなく『南極料理人』のことでしょう。(笑)

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