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2011-05-25

あるべきようわ 三嶋りつ惠展@資生堂ギャラリー

久しぶりに、銀座をぶらぶら~。

天気が良い休日の銀座にしては人通りが少ないような気がした。
そういえば、大地震があった3月11日の夕方に、超満員のバスで銀座を通った時は、車道は大渋滞、歩道も家を目指して歩く人々で埋め尽くされていたっけ…。

ドアマンがいるハイブランドの旗艦店と、ファストファッションのメガストアが交互に並んでいる銀座のお店状況(?)を、今更ながら実感しつつ、ウインドウショッピング。
そして、これまた今更だが、松坂屋にLAOXの大きな看板が出ているのを見て、つい、「赤いハゲタカ…(←使い方が違う気が…)。」と呟いたり。sweat02


そんなふうに、あちこちを覗き、気づけば8丁目の資生堂前に。
オープンしたばかりのザ・ギンザ に、赤いリボン。

資生堂は本社社屋も建て替えるし、外資が目立つ昨今の銀座で、攻めの姿勢バリバリ。
いいですなあ。
なんといっても、創業の地だものね。

Ginza03

通りを一本はさんだ銀座資生堂ビル(資生堂パーラーのビル)には白いリボン。
こちらも、1階と11階がリニューアルしたそうな。

Glnza04

このビルの1階にオープンしたデリも気になったが、諸々の都合により、後日またの機会にのぞいてみることにして、地下1階にある資生堂ギャラリーのほうに立ち寄った。


資生堂ギャラリーは、質の高い展示を無料でじっくりと鑑賞できる志高い企業ギャラリーであり、美術ファンにとって嬉しい場だ。

現在、同ギャラリーで開催中の展覧会は、ベネチアで二十年以上創作活動をされているガラス作家、三嶋りつ惠さんの個展『あるべきようわ』。

ベネチアングラスといえば、華やかな色ガラスというイメージだが、彼女は透明ガラスだけを制作している。
透明ガラスにこだわるのは、「光の輪郭を表したい。ガラスを通して光を表したい。」からだと、5月22日の『日曜美術館』の≪アートシーン≫でのインタビューで仰っていた。

その透明なガラスの自在な形と輝きに魅せられて、会場を何周もしてしまった。
そして、なんといっても、作品展示の演出がとても良かった。


にぎわっている1階ショップ脇から細い階段を下りていくと、一転、しいんと静かな白い細い廊下。
吹き抜けには、透明なガラス玉が輝きながら長く連なる。
廊下の先には、鏡に囲まれて一点だけ作品が展示してあり、なんだか神々しい。
地下の展示会場も白一色で、大きな四角い台に大きめの作品が一面に展示されている。
台の下から照明をあててあり、作品の不思議な質感と形状に、複雑で美しい輝きを与えている。
鑑賞者は、その台を見上げるようにして作品を観られるし、台をぐるりと囲んでいるステップに登って横から(私は背が高くないので横からだが、背が高い方なら上から)も鑑賞できるので、また違う表情が楽しめる。
どうやって作ったのだろうと不思議に思うような独創的な形状のガラス作品の数々。
植物の実を連想するような有機的な形のもの、古代遺跡から出土した祭祀器のような神秘的なものなど、全て透明なのに、それぞれが異なる表情と輝きで、観ていて想像が膨らむ。
また、壁面に沿った展示スペースには小さな作品がいくつも展示してあり、バラエティに富み、豊かな表情を持っていた。

会場の一角には、展覧会タイトルについての説明も掲示してあった。

展覧会タイトルである「あるべきようわ」(阿留辺幾夜宇和)は、鎌倉時代初期の高僧、明恵の座右の銘だったといわれています。その意味は「あるがまま」や、「あるべきように生きる」ということではなく、時により事により、その時その場において「あるべきようは何か」と問いかけ、その答えを生きようとすること。*
(*河合隼雄『明恵 夢を生きる』講談社文庫、1995年10月、pp253)
三嶋が日々「かたちはどこから生まれるのか、どこにあるのか」という問いかけを自分自身に行い、創造 していることに通じることから、今回の展覧会のタイトルに選びました。
 (資生堂ギャラリーwebサイト/展覧会案内ページより)

2周目は、この展覧会タイトルの意図を踏まえつつ、ギャラリーのスタッフが渡してくださった展示作品一覧で作品名を確認しながら鑑賞。
一周目に感じた印象と作品名の印象が合致していると、なんとなく腑に落ちたような気になるのが、我ながら単純だ。(苦笑)
答え合わせしているわけではないのだがhappy02……。


そして、資生堂ならではの素敵な演出もある。
視覚以外にも訴えかける仕掛け。
これは会場を訪れてのお楽しみ。


なお、この素晴らしい会場の構成は、建築家・青木淳さん が担当されたとのこと。


光と一体化した有機的で神秘的な作品の造形美、それを更に美しく演出する空間構成、照明。
白と光だけで構築された会場で、自分の感覚を総動員して光の豊かな輪郭をたどり、楽しみ、静謐なひときを過ごせた。
規模は決して大きくないが、テーマ性の深い秀逸な展覧会だと思った。
このような展覧会を銀座で、しかも無料で観られることに感謝。


ちなみに、私は週末のお昼頃にお邪魔したが、その時の来場者は自分を含めて5~6人程度。
そして、スタッフが3名。贅沢~。
空いているので、ゆっくり心行くまで観られた。
私の経験では、資生堂ギャラリーでは、もっと空いていることがほとんどだったので、今回は人気の展覧会なのかもしれない。

ガラスに興味がおありの方、お近くにお立ちよりの機会には、是非。
6月19日までです。
私も、できればもう1回、観に行きたいと思っている。



なお、作家プロフィール、会場演出の意図、作品の画像等は、文末にリンクしてある展覧会案内ページに詳細に紹介されています。


「あるべきようわ 三嶋りつ惠展」

会期: 2011年4月12日(火)〜6月19日(日)
会場: 資生堂ギャラリー
  東京都中央区銀座8-8-3 東京銀座資生堂ビル地下1階

平日 11:00〜19:00/日曜・祝日 11:00〜18:00
 毎週月曜休
※入場無料

展覧会詳細は⇒こちら

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