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2012-01-07

映画『宇宙人ポール』

いまや、日本で最も有名な宇宙人といえば、サイヤ人でもケロン人でもバルタン星人でもなく、「ジョーンズ」だろう。
しかし、この映画を楽しんだ後、私にとっての宇宙人代表ば、「ポール」になった!


宇宙人ポール
  
公式サイト

ストーリー(あらすじ)

「ショーン・オブ・ザ・デッド」「ホット・ファズ 俺たちスーパーポリスメン!」のサイモン・ペッグとニック・フロストが主演・脚本を務め、「未知との遭遇」「E.T.」など名作SFへのオマージュを散りばめながら、陽気な宇宙人のポールと冴えない青年コンビの珍道中を描くコメディ。
SFオタクのイギリス人青年クライブとグレアムは、全米最大のコミックイベント、コミコンと米中西部のUFOスポットをめぐる旅を楽しんでいた。
その途中、ネバダ州のエリア51を通りかかった2人は、ポールと名乗る本物の宇宙人と遭遇。
ポールを故郷に帰すため奮闘することになる。
  (映画.comより)

         

さて、ここから先はゆるい感想ですが、かなりネタバレを含んでいますので、折り畳んでおきます。

*** ネタバレ注意! ***




お正月休みに、某大型ショッピングモール内のシネコンへ。
テレビの情報番組で予告映像を観て、直感的に「これは面白そう!」と感じたSFコメディ『宇宙人ポール』を観るためだ。
時期のせいか場所のせいか、お子ちゃまカップルだらけだった。
だからなのか、SFネタに反応する人が少なくて、自分だけ「おおー」と声をだしてしまったり、吹き出してしまって焦ったことが何回もあったぜよ…。
今の若いもんは「未知との遭遇」も「ET」も「エイリアン」も知らないのか!?なんて、心の中でダメ出ししてましたよ、ええ。
いや、知っている人はいただろうけど極少数派だったのは確実。
名作SF映画や人気SFドラマへのオマージュやパロディと小ネタの連打連打。
いやー、クリンゴン語を地球人がしゃべったり、モルダー捜査官誕生秘話…なんてところは、思わず声をだして笑ってしまった。
でも、SFファンでなくても大いに楽しめるはず。
鉄板のコメディ手法をこれでもかと積み重ねていき、最初はのんびり、だんだんスピードアップして派手なクライマックスへと至る。
緩急のリズムが良いので飽きないし、主人公たちへの感情移入がスムーズにできるので、笑って笑って、ホロリとして、ポールからのメッセージがちゃんと心に届く。
そんなSF風味ロードムービー・コメディ…かな。(無理やり)


主人公はSFオタクの英国男ふたり組、売れないSF作家グレアム(サイモン・ペッグ)とイラストレーターのクライヴ(ニック・フロスト)だ。
仕事のパートナーであり、大親友である彼らは、憧れのオタクの祭典「コミコン」に参加するためにアメリカ西海岸サンディエゴにやって来ていた。
遠い異国なのに同じ種族(笑)ばかりのコミコン会場では、「なんだか、なじむなあ。」と大喜び。
オタク魂は万国共通、ということなのかしら。
オタクの祭典を満喫した後は、RV車を借りて中西部のUFOスポットを訪ねて回る「聖地巡礼」へ。
なにも無い砂漠の中の一本道を自動車が疾走する場面は、これぞアメリカ、だ。
道中、UFOマニアには有名な(らしい)スポットに立ち寄っては大はしゃぎして写真を撮りまくる二人の姿に、『ハゲタカ』のロケ地や縁の場所を訪れて写真を撮ったりウットリしていた自分が重なり、改めて「ああ、自分もはたから見たら、あんなふうだったのか…。」と思った。(泣)

そんな彼らがキング・オヴ・UFOスポットであるネヴァダ州エリア51近くで、なんと本物の宇宙人に遭遇。
その宇宙人は、流暢なアメリカ英語をしゃべり、ポールと名乗る。
ポールは60年前に科学調査のために地球にやって来たのだが宇宙船にマシントラブル(?)が起きて不時着し、米国政府に軟禁されていたという。
長らく軟禁生活に甘んじ米国政府に協力してきたが、いよいよ生命の危険を察知したポールは彼を捕えていた機関内の協力者の助けを得て施設を脱走し、仲間に連絡をとったという。
迎えを待つために、ある地点に向かうのを助けてほしいとポールに頼みこまれた二人は、念願の地球外生命体との第三種接近遭遇を果たしたというのに、失神したり、「いや…俺たち予定があるし…。」なんて言ったりしてしまう。
が、妙にさばけていて、オタク二人よりもずっと世なれた様子のポールに丸めこまれて(笑)、地球人二人と宇宙人一人の珍妙な逃避行が始まる。

とにかく、ポールが最高にイケてますって!
60年の間に、ポールはすっかりアメリカの文化や食生活になじんでしまったようだ。
いちおう、食習慣の違いは若干(?)残っているようだが…。
軟禁されていたとはいえ、アメリカンライフを楽しんでいたとしか思えない。
その馴染っぷりは、ガンプラを愛するケロロ軍曹や四畳半にちゃぶ台を置いていたメトロン星人を超えてるかも。(笑)
ポールはスラングを連発し下品な行動をする。(でも、すぐに「…失礼。」と謝るところは根は紳士だと思われる。)
しかし、このあっけらかんとした気さくさで、グレアム&クライヴとの心の垣根をやすやすと越えて行く。
それは、ポールが口は悪いけれども、明るくて正直で心優しく人情の機微に敏いからでもある。
観ているうちに、ポールをどんどん好きになってしまう。
それはグレアムとクライヴも同じなのだ。

ポールが60年の間にアメリカのサブカルチャーにかなりの影響をあたえていたとか、地球で描かれる宇宙人の姿がポールそっくりな理由とか、スピルバーグ(カメオ出演)にアイディアを提供したという話には、かなり笑った。
そうかー、あれもこれも、米国政府の陰謀だったのかぁー。
信じるか信じないかは、あなた次第。(笑)

ポールはオタク二人組と、途中から成り行きで同行することになったキリスト教原理主義者の娘ルース(彼女のポールに対する反応が凄すぎて怖い)との絆を深め、彼らの兄貴みたいな存在になっていく。
グレアムたちも、ポールを追うFBI捜査官(これまたオタク!)やポールを軟禁していた謎の機関から派遣されたメン・イン・ブラックらしき男から守ろうと必死になるうちに、勇気と強さを自分のものとしていき、成長する。
(たぶん)アラフォーなのに、世間知らずで、色々なことを諦め気味だった三人は、ポールとの旅を通じて精神的に大人になっていくのだ。
ただ笑えるだけでなく、はみだし者たちへの暖かい眼差しがある作品だ。


いよいよ、目的地……という直前にポールは60年前に不時着した場所に行きたいと言い出す。
ここでのポールとある人物との再会が本当に切なくてジーンと来た。
ポールが持っている鞄の秘密がわかった時、泣きそうになった…。


一行がたどり着いた場所に「ワイオミング」という看板が見えて、「あー、やっぱり、あそこにマザーシップが迎えに来るんだ!」とワクワク。
そう、やっぱり、あの地点で迎えを待つんです。

ポールは無事に故郷に帰還できるのか?とハラハラドキドキ。
終盤に、エイリアンが最も恐れる地球人がド派手に登場してくれる。

私は事前にキャストも知らないで観たため、この笑撃的なサービスと役者さんの器の大きさに驚き大喜び。
(HPやパンフレットを見れば、バレバレですがな。)


また、主演の英国人俳優二人が脚本を担当しているので、英国人視点でエイリアン映画大国・米国が描かれており、ありがちなアメリカン・コメディにならず、随所に粋なコメディセンスが感じられて面白かった。
米国の紅茶はティーバッグだからイヤだなんて一般的なことから始まって、男二人で旅をしているだけでゲイだと決めつけられたり、銃社会米国への違和感とか、進化論を全否定するキリスト教原理主義に驚いたり…同じ言語を話しているはずなのに、大きな溝がある。
異国なのに故郷のようだったコミコン会場とは大違いだ、というのが不思議で可笑しい。
そう、近しいはずの人や土地が実は遠いこともあるし、遠くから来た人と心がつながるよ、ということも、この作品のメッセージなのかしら、なんて思った。
オタクへの愛と、エイリアンへの愛、英国人から米国のエイリアン文化(?)への愛、に溢れた作品だと思った。


私もポールに会えたらベーグルとコーヒーか、マーブルチョコを御馳走して色々と話を聞きたいなあ。
また地球に来てね、ポール。

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コメント

こちらの記事を拝見していると、ポールに会いたくなってきました。

そういえば、米国産TVドラマにはまっていた頃、有能で気のいいオタクキャラがお気に入りだったなあ…。
「Xファイル」のスリーガンメンとか。わたしがマニアックですね(^_^;)


今年は「外事」もスクリーンで観られそうですしちょっと映画鑑賞の回数が増えるかもです。

2Bさん

いらっしゃいませ♪
コメントありがとうございます。

そうなんです、ポールはいいヤツなんですよ~
ちょっとくだけすぎていますが、「情に篤い男」なんです。

2Bさんも『X-ファイル』お好きでしたか!?
キャー!!嬉しいです!
今や、『X-ファイル』の話が通じる人も少なくなりましたから、反応していただけて、舞い上がっております。
と言っても、私はシーズン4くらいまでしか観ませんでしたが。
風呂敷を広げ過ぎて、だんだんワケわからなくなってしまって。

『外事警察』の劇場版も楽しみですね♪
真木よう子さんが参加されるとのことで、更にミステリアスになりそう。
待ち遠しいですね。

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